第9話 新時代の幕開け
研究所内の激しい戦闘音が響き渡る中、ヴィラン連合の運命を賭けた最終決戦が続いていた。
施設の最深部では、玲司と黒のヒーローが激突していた。
黒のヒーローは、計画の中枢を守る最後の砦として、圧倒的な力で玲司を追い詰めていた。
その一撃一撃には、計画を遂行するという強固な意志が込められていた。
黒のヒーロー「お前たちの反抗には意味がない。この計画こそが、この国の未来を守る唯一の手段だ」
玲司「お前の言う未来は、支配と恐怖で縛られた世界だろう。そんなものに価値はない!」
玲司は冷静な表情を崩さず、隙を見て反撃を繰り出した。
二人の攻撃がぶつかり合い、火花が散るたび、施設全体が揺れ動いた。
その頃、大和は施設の外で必死に警備員たちを引きつけていた。
彼の体力は限界に近づいていたが、仲間たちのために足を止めるわけにはいかなかった。
大和「こんなところで止まれるか…!絶対に成功させるんだ!」
真希の仕掛けた爆弾が再び爆発し、警備の注意を分散させる。
真希「大和くん、まだ動ける?あと少しで玲司たちが終わらせるわ!」
大和「わかった…!それまで持たせてみせる!」
施設内では千夏がついにセキュリティを完全解除した。
その瞬間、施設全体の防御システムが崩壊し、蓮が最深部へのルートを開いた。
蓮「玲司、ルートは確保した。決めるなら今だ」
玲司は頷き、黒のヒーローに向き直った。
玲司「これで終わりだ、黒のヒーロー」
黒のヒーロー「終わるのはお前たちだ!」
黒のヒーローは最後の力を振り絞り、玲司に向かって突進した。
だが、玲司は冷静にその攻撃をかわし、中央端末に向かって渾身の一撃を放った。
玲司「これでお前たちの計画は崩壊する!」
端末が破壊されると同時に、施設全体が崩壊を始めた。
玲司は仲間たちに無線で指示を送る。
玲司「全員、施設から退避しろ!時間がない!」
千夏「了解!出口ルートを確保する!」
真希「大和くん、あんたも急いで逃げて!」
大和は無我夢中で走り、爆発音が背後で響く中、辛うじて施設から脱出することができた。
廃工場に戻ったヴィラン連合のメンバーたちは、全員無事に帰還していた。
玲司は中央に立ち、改めて仲間たちに向き直った。
玲司「これでプロメテウス計画は完全に崩壊した。
だが、これで終わりではない。この国を変えるためには、まだやるべきことがある」
千夏「まあ、それでも一歩前進したってことよね。ちょっと休ませてもらうけど」
真希「本当にね。ド派手な爆発で疲れちゃったわ」
蓮は静かに玲司の隣に立ち、短く言葉を添えた。
蓮「お前の信念が、俺たちをここまで導いた」
玲司は静かに頷いた後、大和に目を向けた。
玲司「お前も、よくやったな」
大和は驚きながらも、その言葉に小さく笑みを浮かべた。
大和「俺なんて大したことしてないよ。ただ逃げ回ってただけだし」
玲司「それでも、お前の行動が全員を救った。それは事実だ」
ヴィラン連合の面々はそれぞれの役割を終え、次の目標に向けて歩み始めた。
彼らの戦いはまだ終わらない。だが、確かに新たな希望の光が彼らの前に広がっていた。
こうして、ヴィランたちの戦いは一つの節目を迎え、新たな時代が幕を開ける――。
アンチヒーロー 魔石収集家 @kaku-kaku7
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。