第22話

 今日が活動三日目だから、休日は明日。


 やっぱりわくわくするんだよな。さて、それはそれとしてスキルをどう使うかだけど。


「リリー相手が固まっている状態で、脚をツタで巻いて止める事ってできないか?」


 例のジャイアントキリングを模索だ。


「うーん。た、たぶん巻き付けるところまでかな?コマ結び?とかは無理だと思う。」


 なるほど。ま、それはそうか。伝説の糸使いとかだと簡単にくくれそうだけどな。


 ん?まてよ。


「リリーその巻き付けるってムチの事か?それともツタのロープを投げて巻き付けるのか?」


「あ、そうだね。ツタロープを投げて巻き付け操作かと思っちゃった。


 え、えーと。ムチの先っぽを工夫すればいけるのかな?」


 ああ、某アニメで釣り竿を使う主人公の先端が釣り針とおもり?丸いのがついてるな。


 先端が丸い塊?木の実とか小石をイメージしたものとかどうかね。


「リリー、ムチの先端を小石状態にしたものを植物魔法で作ってみてくれ。木の実?みたいものでもいい。そっちのがイメージしやすい?そっか。やっぱり植物魔法だな。


 そうそう、それで相手を打つんじゃなくて打点をずらして巻き付ける・・・。


 リリーいきなりなのにうまいな。丁度いいタイミングで手首の返しが決まってる。

 やっぱ手先が器用なのかな。おれは不器用だけど悔しくないけどな。


 え、わかりやすい?そ、そうかな。あーすまん。」


 俺の方がかなり精神的に大人のはずだが、どうもポーカーフェイスはだめらしい。


 やっぱり男は素直しかないな。女に嘘が通用するとは思えない。あーこれ前世の記憶だな。何があったんだろうな前世?


 リリーの巻き付けが形になってきたので、早速ホーンラビットで試してみる。


 黒(ノワール)(コウ) (ピタッ)


 シュッ・・・クルッ・・トッ。


 左前脚に見事巻きつく。今リリーのムチは3メートル位だ。ま、身体も小さいからな。


 直ぐにホーンラビットが動き始めるが、脚がひっばられてリリーと綱引きみたいになった。


「きゃー、ヒ、ヒロ。なんとかしてー。」


 おっと、素直に攻撃の方がよかったかも。


 黒(アタリ)


 ノワールは召喚しているのでそのままアタリスキルで攻撃して倒す。


 何かの時には使えそうだけど、今じゃないな。うーん。あ、そうだ。


 シュッ・・・クルッ・・パシッ


「よし、ナイスだ。いままで取れなかった高いところの木の実が取れる。」


「ヒロよかったね。でも、新しいスキルはどうするの?これ、私の技の応用だけだよね?」


 そうなんだよな?どう使うかね。毒は俺達にはハードル高いしなぁ。唐辛子とか香辛料はバカ高いらしいし。


 安いものか手に入る自然のもので、魔物が嫌がるものがあれば投げつけるとか?


 とりあえずは素早い魔物を一時フリーズさせて、リリーに攻撃させることにする。


 黒(ノワール)(コウ)


 シュッ・・・パン、パン。・・・ころん。


 リリーの二丁ムチが冴える。かっこいいね。ついでにドロップ肉も落ちる。いいね。


 魔物を倒すのは一番早そうだ。強い相手でもダメージ与えられそうだしな。


 相手が単騎なら、このコンビネーションを定番としておこう。


 二人ともレベル3に上がったことで魔力にも余裕ができ、討伐クエストも増える。


 初心者ながらいいペースになってきた。でも、この先への準備はまだなんだよな。


 しばらくレベルアップに努めるかな。


  ※本日の成果(12日目)

 報酬 7600G

 孤児院へ 0G 

 残り 28,000G(△リリーへ1500と飯代)

 G級 変化なし(二人共)

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