第21話

 今日もクエストっと。教会へ出る前にハリーとケンが出てきた。


「・・・。リリー悪かったな。それだけだ。じゃな。」


 ハリーはさっさと出て行った。


「あーすまんなヒロ。どうもお前には負けたくないみたいで、謝るのはまだ難しいらしい。もうちょっとまってくれ。」


 なるほど。不安で言い過ぎたってのは自分でもわかっているって事か。

 で、俺は下に見てたやつが思った以上に強かったので、素直になれないと。


「ああ、俺の事はいい。リリーに謝れるなら問題ないよ。調子はどうだ。」


 ケンとしては謝ってほしかったみたいで、残念そうだ。


「アドバイスありがとな。壁ってのは確かに俺に向いてたよ。おかげでハリーも調子がいい。金はまだまだたまらないが俺たちもレベル2に上がったよ。」


 なるほどね。調子がいいなら素直にもなれるか。調子が悪くてもそこは我慢してほしいが、まあこれからだろ。


「そっか。お互い冒険者だ。何かあったら情報交換しようぜ。じゃな。」


 とりあえず同じ孤児院にいるからどうしても見かけることはある。そんな奴らと喧嘩状態だと気が滅入るしな。


 リリーもうれしそうだな。そりゃそうだよな。おれも気が楽になった。


 ・・・・・


 ケン達がレベル2になったって話だったが。


「ヒロ、私もレベルが上がったみたい。」


 朝早くおれはレベルが3に上がった。昼からの討伐でリリーもレベル3に上がった。


 ついでに言えば9路盤囲碁は、置石7つで全敗したので6つにしてもらった。

 いまのところ勝負は五分で、こちらも盛り上がっている。


 ざっくり40級ってところかね。


 リリーが囲碁で遊べてよかったよ。当分囲碁やれてなかったから相手がいないと寂しすぎる。


 贅沢なのはわかっているが、19路盤で対等の相手とやりたいね。前世はネットでいくらでも相手が見つかった。


 あれは贅沢な環境だったんだと今ならわかる。なにせ相手は日本人に限らないんだからな。いくらでも同級が見つかるんだ。


 HELLOとかいってる相手でも、囲碁ならハイ!とかセンキュウ!とかだけでゲームができるんだからな。


 〇国のやつはどうもマナー悪いというか負けず嫌いが多かったイメージだが。


 レベル3になって必要経験値の計算してみたら、ざっくり1.5倍ってところかね。こっちはいいペースだ。


 ステータス ヒロ

 名前   :ヒロ

 性別   :男

 年齢   :10

 職業   :冒険者見習い

 Lv   :2 → 3

(以下他人には表示されない。例外はありそう)

 HP   :12 → 14

 MP   :25 → 28

 STR   :10 → 12

 DEX    :7  → 8   (不器用決定かね。これは。手先の事だぜ。)

 VIT   :10 → 12

 AGI   :10 → 12

 INT   :90 → 95

 MND   :25 → 28

 スキル  :IGO(21→20KYU アタリ・シチョウ・コウNEW


 ステータス リリー

 名前   :リリー

 性別   :女

 年齢   :10

 職業   :冒険者見習い

 Lv   :3

(以下他人には表示されない。例外はありそう)

 HP   :9  → 11

 MP   :13 → 16

 STR   :6  → 7

 DEX   :20 → 25 (二丁ムチ使いの成果かな。)

 VIT   :10 → 12

 AGI   :10 → 12

 INT   :15 → 20 (これは囲碁の成果だろ。)

 MND   :16 → 20

 スキル  :植物魔法(成長・操作)



  ※本日の成果(11日目)

 報酬 7600G

 孤児院へ 0G 

 残り 23,000G(△リリーへ1500と飯代)

 G級 変化なし(二人共)



 今気が付いたけど、IGOスキルが増えていた。コウときたか。たしかに初級ルールだな。


 とりあえず樹木相手に試してみた。


 黒(ノワール)(コウ)


「アンアンアン」(ピタッ)


 なるほどね。囲碁でコウは基本ルールで同じように3方囲んだ白と黒が対照的に向かいあった状態で、両方アタリの状態だ。


 このままだと無限に取合いになるので、この形だけ一手絶対に取り返してはいけない。


 スキルの効果としては、相手に強制フリーズをかけたことになるようだ。


 相手が単騎の魔物や人に限られる限定ルールにはなるが、一瞬フリーズがかけられるのは大きい。ジャイアントキリング(大物殺しとか、大番狂わせ)で使えそうだ。


 その場合、その一瞬で致命的なダメージを与えたいものだな。何かあったっけ。


 ・・・。ないな。ま、考えてみよう。


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