第9話
さて今日もG級クエストと訓練だなと教会を二人で出るところでシスターに止められた。
「ハリーが冒険者になって、クエストを受けていたみたいなんだけど、スライムにやられて腕を火傷したのよ。少し酷いのでしばらくお休みね。
リリーは女の子だし大丈夫?危険じゃないかしら。」
やっぱり接近戦は危ないな。スライムはG級だけど、こちらの防御力が弱いとやけどがやケガがひどくなるらしい。このあたりは剣と魔法の世界の不思議だな。
リリーに傷が残るのは気になるし、ポーションは必要だな。
「シスター、ポーションはいくらするんだ。あと効果もわかったらおしえて。」
「冒険者でも低級の子は、ローポーションでなんでも治るわ。一定量回復効果っていうものらしくて、欠損や死にかけは無理だけどなんでもいけるらしいの。
たしかHPを30回復させて、値段は銀貨1枚(1万円)ね。」
さすがに高いな。ハリーは孤児院自家製塗り薬で処置らしいが、ほんとなら手当なんて独立してたらやってもらえない。
「わかった。まずはローポーションを早めに買えるようにして準備しとくよ。
リリーは女の子だし、たしかに気をつけてあげないとな。」
「ヒロ、そうゆう意味じゃなくて、冒険者が危ないんじゃないかっていいたいのよ?
リリーあなたは大丈夫なの?ヒロは無茶な事をしないけど、冒険者はあぶない仕事よ?気が弱いあなたは向いていないんじゃないかと心配しているんだけど?」
「シスター。わ、私は確かに冒険者は怖い。で、でもヒロとやっているクエストは楽しいの。まだ始まったばかりだけど、ヒロがいたら大丈夫って思える。
わ、私もお荷物なんかじゃなくて、ヒロを助けることもできるの。そ、それがうれしいし、もっと色々やれそうで楽しいの。」
リリーは少し自信はない感じではあったが、だんだんと声に力がはいってきて、最後はやりたいといった。
なるほど、やっぱり恐々だったんだな。今更だがそりゃそうだなーとか思う俺は鈍感だなとか反省したが、これは治らないだろうな?とも思ったヒロだった。
しかし、銀貨一枚(一万円)か。早めに頑張りたいものだな。
・・・・・
東の森の浅いところへ到着。同じように薬草Gを採取する。
採取はリリーがメインだ。おれは周囲の警戒と、スライムが出たらやっつける。
少し手馴れてきたのと、採取する薬草Gがみあたらなくなってきたので、少しづつ奥へ進むしかない。リリーの成長促進魔法は劇的な効果があるわけじゃないし、その後自分たちがその薬草をとれるかどうかわからない事に気が付いて、練習がてらに魔法をつかってもらっている。
さて、段々奥へ入っていくと魔物が増えるんだ。そりゃそうだ。
一匹だけででてきていたスライムが、二匹三匹と複数で現れるようになった。
黒(ノワール)、(アタリ、アタリ)
が、スキルが優秀なんだろう、全然問題にならない。
防御がしっかりしていたらもっと奥でもいけそうなんだがな?とか考えていたらスキルレベルがアップした。
級位 23 → 22
スキル アタリ、シチョウ《NEW》
おぉ、ここでシチョウか。ま、基本だもんな。
囲碁でのシチョウという技は、相手の石を取る時の基本技だ。相手をすべて囲めば勝ち判定で相手の石をとれるのは説明した。
その一手手前がアタリだ。
シチョウは半手足りない。半手ってのが適切かどうかはともかく、追い込んだら相手が逃げる、また連続して相手を追い込んだら逃げる。
で、逃げきれなかったらシチョウを仕掛けた方の勝ち。
逃げきれたら仕掛けた方の負け。というより、勝負がこれで大勢決まってしまうほどの丁半勝負技だ。
これが基本技だっていうんだから、囲碁はおそろしい(笑)。
実際はどうゆうスキル技になるんだろう。
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