第3話
孤児院ではスキルを授けられる10歳から、働き始めないといけない。
とはいえ、いきなりではない。
自分のスキルをよく理解して、使えるようになるための時間として1-2か月は大丈夫。特に規定はないが、ずるずると伸ばすと放り出される。
さて、スキルIGOだ。
生産系なのか戦闘系なのか。特殊系なのか単なるハズレなのか。
とにかく調べていけば少しはわかるだろ。
自分のスキルは自分で確認できる。
「ステータスオープン」
ラノベを読んだことがあるやつなら、誰でも知ってる呪文である。
ステータス
名前 :ヒロ
性別 :男
年齢 :10
職業 :なし
Lv :1
(以下他人には表示されない。例外はありそう)
HP :10
MP :20
STR :8
DEX :8
VIT :8
AGI :8
INT :85
MND :20
スキル :IGO(25KYU 詳細は表示されない)
ステータスは基本他人には見えない。ただし、色々な登録の際に各ギルドなどでは確認する装置があるらしく、表示される。つまりばれる。
次にスキルのところを注視すると、詳細がわかる場合がある。ここは、基本表示されない、ばれない。例外はしらん。
当然スキルのところの詳細を調べる。
※スキルIGO
異世界のボードゲームを参考とし、黒(ノワール)白(ブラン)を行使することができる。
通常スキルはレベル表示だが、異世界に倣って級・段・位表記となる。
それぞれキュウ・ダン・イと呼ぶ。KYU(U)・DAN・Iとも表す。
「ほほう。わくわくさせるような内容だな。目指せ名人位ってか。しっかし、これ人には説明しづらいな。
さて、白黒スキルがつかえるってことだな。
まずは白(ブラン)・・・(25級では使用できません)
「って、なんでやねん。おっと。思わずつっこんだぞ。」
囲碁ってゲームは最底辺が25級とももっと多いとも言われるが、ルールがわかれば25級といって差支えがないとおれも思っていた。
勝敗がよくわからない?ってのが将棋と違って敷居を高くしているようだ。
将棋のように色々な駒の動きを覚えるより、ルールだけは簡単。そう、簡単なのはルールだけ(笑)
それはともかく、成長させないといけないな。
初心者は黒ってのが、碁の世界では常識。当分白はもてないかー。そっかー。
では、と。黒(ノワール)
ポンッと黒ブチの子犬?が現れる。黒地に白玉だな。ついでに黒多め。
「・・・。あーそんな感じか。おい、おまえは何ができる。」
「アン?・・・アンアン。」
「何?お腹空いたから飯がほしいって?ばかやろ、俺だって腹ペコだ。」
「アン?キュンキュン」
どうやら人間と同じ飯ではないらしい。
というか、なんで犬語がわかるんだか。ま、こいつだけだと思うが。
まさかなー。ま、それはいいや。
魔物を食べたいらしい。正確には魔物をたおす経験値がほしいらしい。
とはいえ俺は弱い。直ぐに森に入って魔物を狩れるわけがない。
とにかく魔物を倒して成長するなら、ノワールが成長して戦えるから戦闘系でテイマーに近いのかもな。
戦えるよな?
しかし、魔物を倒すってどうするかな。冒険者になって試すしかないか。スライムくらいならいけるだろ。
武器や防具なしかぁ。貧乏はつらいな。
危ないのはなぁ。
「キューーン・・・。」あ、消えた。
とても疲れた気がする。ふむ、MPがないな?MP消費スキルってことね。
知らない間に時間がたってたみたいだ。時間で魔力消費だな。
うんうん唸っていると、こんどはケンって子が来た。
「おいヒロ。おまえなんてスキルもらったんだ。
・・・あいじーおー?なんだそれ。それで調べてると。そりゃそうだな。」
みんながみんな頭を傾けそうだな。そりゃそうだ。
「おれか?おれは身体強化スキルだった。努力したら冒険者でもやれるって神父様がいってたな。」
孤児院て冒険者スキルが多いのかね。男はそっちのが道が開けるけど、命を落としやすくもあるんだよな。
「冒険者はおもしろそうだけど、力仕事もいいらしいし、いろいろ考えてみる。じゃ、またな。」
何人かとパーティ組むのもあるらしいが、弱いやつが集まっても儲けがなぁ。とりあえず冒険者ギルドいってみるか。
たしかスキル提示で登録はできるらしい。
・・・スキル提示かぁ。あはは。いきなり貴族様に召し抱えられるとかはないだろ。むしろこの謎スキルで登録できるかどかだな?
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