第21話

トライにて。


「やっと着きました。」


私は久々にこの土地を訪れた。


相変わらずこの街はギルドがデカいだけあって色々な人が集まっていた。


「ちょっと嬢ちゃん…」


「は、はい!!」


知らぬ間に死角に入られていた。


「お久しぶり。」


「え?」


そう言って振り返るとそこには胸の大きくて金髪のお姉さんが立っていた…


「ウチだよ。エレカだよ。」


「え?!??!!?!!?」


この2年で同じぐらいの背丈だったはずのエレカがとても成長していた。


「本当にエレカ?」


「そうだよ!アイリスは見た目あんまり変わらないんだな?」


「そ、そうなんですよ。」


「ま、実力は風の噂で聞いてるけどな?」


「そうなんですか?」


「うん!最強魔導士になったんだな。」


「まだまだですよ〜そういうエレカさんは?」


「あれから忍術も修行したし武器も短剣とリボルバーを使うようになったぜ。」


「え〜かっこいいですね!」


「そうだろ〜」


「お〜い2人とも〜」


「その声は!」


ムサシさんだった。


「2人ともデカくなったな〜」


「ムサシさんおじさんくさいですよ!」


「そんな事ないだろ!って2人とも…元気にしてたか?」


「はい!」


「もちろんですよ。」


「とりあえずみんなもう酒場にいるから早く行こうぜ。」


ムサシさんもそこまで見た目は変わらないけど確実に圧が増していた。


.


.


.


酒場に着いた。


「待っていましたよ。」


そこにはライフオブホープの面々と見知らぬ顔の人がいた。


「紹介するよ。こいつはタケル、間違いで転生先を選ばれ詫びとして7777連ガチャチケットを手に入れた男だ、この2年俺と2人でデビルスレイヤーとして活躍してたんだ。」


「俺はタケルよろしくな!」


転生?ガチャ?頭が?だらけになったけど難しそうなので聞くのをやめた。


「アイリスさん、エレカさんお久しぶりだね。元気そうでよかったですよ。」


バイスさんがそう言った。


「お久しぶりニャ!」


「お久しぶりです。」


「……おう。」


「お前ら!元気だったかーー!!」


ライフオブホープの面々が出迎えてくれた。


「あの…私約束通り強く…」


「わかってますよ、今やアイリスはセプテンバー学園の最強魔導士、エレカさんは盗賊の異端児ですからねぇ…みなさんこの2年で本当によく頑張りましたよ。それでは行きましょう!僕たちのラモンズくんを奪還しに!!!」


「はい!」


.


.


.


王都リリガント


「流石はお兄様ですわ!」


「…。」


「我が息子なだけある。」


俺は王都で魔族撃退のために指揮官になった。


「現在、魔王軍は衰退傾向にあります。」


「今や我が軍はモルガン率いる魔術のライトニングインフェルノにお前が指揮を取る剣士達の力で最強に近い。」


「お兄様はやっぱりこの王都で力を…」


「俺はこの戦いが終わったら王都を出る。」


「フッ…何を言っておる、この王都で次に王になるのはお前なんだから出すわけが無いだろう。」


「話が違うじゃ無いか!」


.


.


.



そう、2年前に俺が王都に連れてこられた時の話。


「お父様〜お兄様を連れてきましたわ!!」


「よくやった!リリ。」


俺はみんなを傷つけない為に王都に行く道を選んだ。


「何で俺を王都に呼んだ?」


「貴様、キングスキルを使ってるらしいじゃ無いか。だから王都に支えて魔王軍を倒せ。」


「そしたら自由にして良いのか?」


「良いだろう。」


.


.


.


「まあ今は魔法軍を倒す事だけ考えれば良い。」


「そうですよ!お兄様は顔もイケメンで能力もかなり高いんですからここにいて王になれば良いんですよ!」


仕方がない。もう会えないかもしれないけど、みんなのためにも今は魔族を倒すことを考えよう。


.


.


.


「城が近いな〜」


「エレカは初めて来たの?」


「うん。メリルガにいた時はずっとあの城が見えてて恨んでたよ。懐かしいな〜」


あの頃のエレカとか全く違っていた。


王都は本当にいいところで大体の人は王のおかげでこの街が守られている事も知ってるからこそ嫌っているような人もいない。


それでも私達は直接出向き反旗を翻す作戦だ。


私たちはバレぬようケープを羽織り王都に侵入したのだ。


全部バイスさんの作戦である。


「いや、この服暑いな。」


「ムサシさん今は我慢してください。」


私達は西側から、バイスさん達は東側から攻めることになっている。


「そういえばタケルさんも参加してくれたんですね。」


「あったり前よ!ムサシの大事な仲間なんだから俺だって助けるに決まってる!」


タケルさんはヤマトの街に似ている日本と言うところから来たらしい。

そこでバイスさん達に出会って1人で魔族退治をしていたらしい。


「てか、俺らよりもアイリスはずっと王都に居たんだから一番顔見られちゃう可能性あるよな?」


「はい。まあ学校ではあまり目立たないようにしてたつもりなんですけど…」


「ウチの知ってるアイリスじゃ目立たない訳ないと思うんだけど…」


「大丈夫だよ〜多分…」


そう言われると自信がなくなった。


街の中心部から少し外れた所で東から向かっているバイスさん達と集合する約束をしていた。


「もうバイスさん達いるよ。」


バイスさんはライフオブホープの面々を連れてやってきた。


ー続くー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る