第9話
「もう、良いです!ラモンズさん!私を置いて逃げて!!」
「うるさいんだよガキ!!」
「俺は逃げない…0.000000001%の可能性がある限り…逃げない。」
「ククッ…無様だな!冒険者さんよ!さあ時間ももうないぞ!!!」
もう残り時間が少なくなっていた。
多分2、3個しか解錠できていない。
「いつまでも続くのか 、そう吐き捨てたい気分だなぁ」
エレカが何が呟いていた。
「私もまた輝くだろうか今宵の月のように。」
「何言ってんだエレカ?」
俺の前にエレカが立った。
「ねぇ!!あんた!!生きたいなら、本当なら詠唱言っちゃいなさいよ!!なんでやらないのよ!!」
「そ、そんなこんな人前で恥ずかしい…し」
「ハァ???じゃあそのまま死になさい2人とも…」
「こいつらも終わりだな…」
「まあ、今までの私は言うかもね…ラモンズの助けたいって気持ち、可能性に賭けてあげますかぁ…スキル!!!!アンロック!!!!」
ガチャ!ガチャ!!!
そう言って大量の鍵を開けた。
大きな音と共に鎖が崩れていくのが見えた。
「2人とも!!早く逃げて!これで昼の借りはちゃら…」
「おい!エレカ!!!お前!」
「もう、あんたの元で奴隷になるのは終わり。」
「もういい、そこの魔導士だけは捕まえとけ!」
「残念、スティールで手足を縛ってた紐は私の元よ。」
「お前だけは殺す…」
「傲慢すぎたんですよ、もううちを縛るものはない!!迎えに来ないならもうパパもママもいらない!!!」
俺はすぐさまアイリスを助けに行った。
「アイリス!」
「クソが!!」
「お前らに用はない!スター・スパイラル!!」
なんとかアイリスを助け出した。
倉庫の中はめちゃくちゃになっていた。
「2人とも!!早く逃げて!これで昼の借りはちゃらね、私そう言うの気にするタイプなよで…じゃあ、さ、さようなら…良い旅を…」
「エレカ!!俺は君も助ける!!」
「エレカさん!!」
誰よりも大きな声を出したのはアイリスだった。
「あなたは昔から愛されてたあなたには分からないですよって言いましたよね?私は子供の頃に村がワイバーンに全焼させられて家族は皆死にました…それでも、それでも!!生きてこうと誓ったんです。エ、エレカさんの目を見た時に生きたいって言ってる気がしました。だから私は逃げません、助けます!!」
「お前ら!ラモンズ達とエレカを殺せ!!!」
「だからあんたには何もできないんだから…」
「炎の神の力よ!」
「アイリス…まさか…」
「我が身にて力を貸したまえ!アイ!ラブ!ゴッド!!!!ストライク!バーン!!!!」
「フフッ…なんだ…言えるんじゃない…」
どかーん!!!!
アイリスは盗賊団の倉庫を余裕でぶっ壊す火焔魔法を発動した。
「アイリスー!!!!とりあえず逃げるぞ!!」
「はい!!!」
盗賊団との戦いが終わった。
なんとか私達とエレカさんは逃げ出していた。
「ああ、あの日もこんな感じで綺麗な月だったなぁ」
ウチが否定したのは彼女じゃなて自分自身か…
「エレカ、俺たちは明日の朝この街をでる、エレカに会えて良かったよ」
「あの!やっぱり私達の仲間に!」
「では…2人に会えてよかったです。」
そう言ってアイリスは消えた。
「エレカさん大丈夫でしょうか?」
「この調子じゃスティール・リフトも活動できないし好きに生きてくだろう、でもまた会えたら…彼女を仲間にしたいな。」
「はい。」
.
.
.
__次の日
「おはようござい…キャァアアア!!!」
朝、私の布団がモゾモゾ動き始めた。
「ラ、ラ、ラモンズさん!!人が!!布団の中に!!人が!!」
「大丈夫か!!アイリス!」
俺はよく分からないままに飛び起きた。
しかし布団いたのは…
「あ、あれ??エレカさん?」
「あ、おはよ〜何年振りかのベッドは気持ちいいですね〜」
「え?!?!?えー!!!」
どうやらアンロックで不法侵入したらしい。
「ちょっと!また盗みに来たんですか!お金ないですよ〜」
「うちを仲間に入れてくれませんか?」
「え?」
意外な言葉に驚いた。
「色々考えたんですけど結局、また助けられて貸しができちゃったんですよね。昨日も言ったけどウチはそう言うの嫌なんで借りを返すまで一緒に旅…してあげてもいいですよ?」
「ありがとう、エレカ。」
「本当に助けてくれるんですか?」
「勿論だよ。」
「これで信じるのは最後ですからね…」
意外な形でエレカが仲間になった。
.
.
.
「さぁ、この街を出ますか〜」
「ハァ…またお金稼がなきゃですね…タイムーさんかぁ…」
「お金ならウチ持ってますよ!」
そう言って大量の銀貨を見せてきた
「どこからそんなお金!?!?」
「そりゃ〜アイリスさんの下着をスティールして…売っちゃいました!」
「は???」
「え!!!!!!!ちょっとちょっと!ラモンズさん戻りましょうよ!私の下着回収してこの人も街に返しましょう!」
「冗談だよ…いつかこの街を出るためにずっと貯めといたんだ…まあもうこんな汚いお金はいらないけどな!!!!」
そう言って銀貨を全て空に巻いた
「さらば、私の街、さらば憎き人たち
さらば!!さらば!!ウチの勝ちだ!!!」
「お金が〜」
「まあ良いじゃないか…お金は働けば稼げるよ。良かったな、エリカ!」
「はい!!」
拝啓おじいちゃん、元気にしてますでしょうか?こんな感じで私達は無事に新たな仲間を見つけました。人生初めて詠唱も出来ました、また一つ強くなった気がします。次おじいちゃんに会った時にはきっとびっくりしてくれればと思っております。早く会いたいです、大好きだよおじいちゃん。
そう言ってこの街を出た。
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.
.
一方、モルガンは
「久しぶりです。王、サルファ様」
「そんな名で呼ぶな!過去は一緒に戦った中だろライトニングインフェルノで」
そう王とモルガンは昔はライバル的存在で常に上を目指してた
「まさか戻ってきてくれるとは…」
「あの子が旅立ってね、でもわしのところに魔族がやってきた。わしもそろそろ復帰して魔族を倒さねばならんからな…。」
「モルガン、まさか…」
「あぁ…ライトニング・インフェルノを再結成する。」
この時、私の知らないところで王都と魔族の抗争が始ま理想になっていた。
メリルガ編完結
ー続くー
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