第3話

ライズ村に大ピンチ到来!アイリスはどう生きるか。


「ナリタ君、今君を助けるよ!!」


「ありがとう…」


「うおおおおおー!」


なんとか家具をどかして、無事にナリタ君を救出する事ができた。


「大丈夫?」


「う、うん…」


そう返事をして目を瞑ってしまった。


「ナリタ君の命がやばい。早く防魔壁の所へ行かなきゃ。」


なんとか家から脱出し、防魔壁まで向かった。


「皆さん…お待たせしました…」


「うおおおおおー!」


「ありがとう!!」


みんなは不安そうな顔から一転し安心した表情を浮かべていた。


「では、俺は、モルガンさんの援助に向かいますので!」


「あ、あの!!」


アイリスから話しかけられた。


「どうしたの?アイリス?」


「い、いや…」


何か言いたそうにしていたが、それよりもモルガンさんを助けるために防魔壁の外に出る事にした。


「すいませんアイリスさん、今、モルガンさんと共闘してワイバーンなんかやっつけてくるんで!」


待っててください、モルガンさん!


.


.


.


少し遡り、モルガンは…


「久しいな、我が好敵手にして憎き英雄よ。」


「お、お前は…」


ワシの前に現れたのは


「四魔の1人、コーン!!」


「覚えていてくれて嬉しいぞ、好敵手よ!!」


コラルドはアイリスの村に襲撃に来た時にワシが倒した魔族、それが何故…


「それが何故?という顔をしているな?ククッ魔族はいつでも蘇るのだよ、封印しない限りな!!そして、このワイバーンもあの村を焼き尽くした時と同じだぞ」


「お前が何をしに…」


「そりゃ復讐だよ、貴様にやられっぱなしって訳にもいかないだろ?それにあの村の生き残りを殺さねばならんからな!!」


こいつ、アイリスの存在も気付いて…


「まああの娘は後回しだ、まずは貴様を殺す…話は終わりだぜ…」


「やれるものならやってみぃ…」


何十年ぶりかに魔族と戦う事になった。


「ファイアボール!!!」


「そんな技喰らうか!」


ワシより少しあいつの方が…


「遅いな!好敵手!!!」


詠唱する暇もない…


「守る物が増えた今の貴様じゃ勝ち目がないんだよ!!くらえ!ブラインド!!!」


ドーン!!!


直撃すれば跡形もなく消える所だった。

しかしかなりの傷を負ってしまった。


「どうした…そんなものか?」


「くらええええええ!!!」


誰かが刀を一振りした。


「大丈夫ですか!」


ラモンズが助けに来てくれた。


「一旦、モルガンさんは下がってください。その間に詠唱するか俺にバフをかけてください!」


「やめるんじゃ…そいつは叶う相手じゃ…」


「それぐらい分かってますよ、でもね!男ってのはどんなにコスパ悪くても!負けるって分かってても戦わなきゃいけないんですよ!!!!!」


そう言ってラモンズはコーンに向かっていった。


「誰だか分からんが好敵手との戦闘の邪魔をするな!!ワイバーンよこいつを焼き払え!!!」


ワイバーンを咆哮が村に轟いた。


「アイリスさんもモルガンさんも…そして俺自身も生き延びてやる…」


残り少ないMPでやるしかない。


「くらえ!シャイニングブレイド!!」


ワイバーンの攻撃を避けコーンにひたすらに攻撃を続けた。


「弱いな小僧…」


「うおおおお」


コーンの一撃で俺は吹き飛んだ。


「ククッ雑魚どもとの遊びも終わりだな…」


ワシのこの詠唱に全てが掛かっているのか…


.


.


.


「ナリタ!ナリタ!」


「戻ってきたけど意識がないのか…」


みんなが困っているのが分かった。


「クソ!!モルガンさん…助けてくれ…」


「モルガンさんなら大丈夫なはずだ!!」


「この戦いが終わったら回復魔法で助けてもらおう…」


「あの!」


自分が思ったより大きな声が出てしまった。

そして周りがザワザワしてるのも分かった。


「私に回復魔法やらせて貰えないでしょうか?」


「アイリスちゃん…いいのよ、モルガンさんが戻ってきてからでも‥」


「私に!私にやらせてください、今まで村の人には沢山やさしてくしてもらいました。本当に自分の娘のように接してくれたり、こんな私を迫害したりしないでくれて、だから…その……私にやらせてください。」


「お願いします!」


そう言ってくれたのはナリタ君のお母さんだった。


「分かりました。天より授かりし、聖母の愛よ、天より授かりし、神の力よ、天より授かりし、命の恵みよ、我に力を貸したまえ!!アイ!ラブ!ゴッド!!!!ヒーリング・クオリア!!」


普段の私なら絶対に恥ずかしくて言えなかった。


普段の私なら絶対に諦めてた。


普段の私ならおじいちゃんに任せてた。


普段の私なら…


「う…うっ…」


「ナリタ!ナリタ!」


「どうしたの…お母さん…」


「良かった!!それに傷も癒えてる!」


「モルガンおじちゃんが助けてくれたの?」


「違うわよ!アイリスちゃんよ!ほらお礼言いな…ってあれ?」


そこにはアイリスの姿は無かった。


ー続くー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る