第2話
まさかの冒険者、ラモンズさんが家に泊まる事になった。
その日の夜
「ラモンズさんよ、起きてるかね?」
「はい。」
「ちょっとアイリス抜きで話がしたいんだけども。」
「わかりました!」
そうして俺たちは家の庭で話す事になった。
「ライズ村のコーヒー美味しいですね!」
「そうだろ?ここは穏やかで本当に良いところじゃ。」
「そういえばモルガンさん、話ってのは?」
「ああ、あんたのスキルの事じゃ」
「ステータスの事ですか?」
「単刀直入に聞くが、ワシとアイリスはどっちが魔力値が高かったんだ?」
「それは…」
「ワシも分かっておる、正直に言ってくれ。」
「はい…分かってると思うんですがアイリスさんの魔力値はランクで言うとSSでした。モルガンさんはSランクなのでそれよりも高いんですよね。」
「ハッハッハッ」
モルガンさんが嬉しそうに笑った。
「あの子はな初めて会った時は全く気が付かなかったんじゃが、頭もよくての〜はっきり言って天才だと思ったよ、だからこそ今日話した通り自由に生きてほしいんじゃよ。」
「正直、僕が出会った中で1番魔力値が高かったんですよね。」
「あの子が嫌ならあれじゃけど、ラモンズさんよ、是非旅に連れて行って欲しい。」
「え?」
意外な言葉が飛んできた。
「なんと言うか、可愛い子には旅をさせよって事だな、今はまだまだかもしれんが今後絶対に強い魔導士になれるだろうしワシも歳だからいつまでも守ってやれる訳じゃないからな、まあ彼女は少し…いや、かなり癖の強い子じゃがな?」
「俺も彼女にはもっと色々なところに行って色んな人に触れてもっともっと…」
ドーン!!!!
凄まじい衝撃音が聞こえた。
「なんだ…」
ガオー
空にワイバーンが見えた。
「何故、この村にワイバーンが…」
「モルガンさん、アイリスさんを起こして避難しましょう。」
「いや…」
「え?」
「ワシが奴を倒す。だからアイリスと避難しろ。」
「わ、分かりました、アイリスさんを避難させたら俺も戦います。」
あまりの気迫に先程までのモルガンさんとは同じ人とは思えなかった。
「神の施しよ、防魔壁!!あそこの中ならある程度は攻撃は凌げるぞ!さぁ早く行くんじゃ…」
「はい!」
俺は急いでアイリスさんの部屋に向かった。
ドンドン!!
「アイリスさ…」
そこにはパジャマから着替え中のアイリスさんが…
急いで扉を閉めた。
「す、すいません…」
「は、は、は、は、はい‥私もすいません。何かあったんですか?」
「ライズ村に何故かワイバーンが!とりあえず逃げましょう!」
「おじいちゃんは?」
「モルガンさんは村人のために防魔壁を張ってくれました!だから今のうちに!」
「で、でも…」
「今はとにかく逃げます!着替えは終わりましたか?」
「は、はい!!」
いきなりの事で私はびっくりしてしまった。
ラモンズさんに抱きかかえられ家から避難した。
「お、重くないですか??」
「全然ですよ!むしろ軽くてびっくりしました。」
恥ずかしい…今日は1日中恥ずかしい事ばかり…
「とりあえず防魔壁の中に行きましょう。」
そうして私達はおじいちゃんが作った防魔壁の中に逃げ込んだ。
「あら、アイリスちゃん!大丈夫かね…」
村の人が既に何人も居た。
「は、はい…でも、おじいちゃんが」
「だれか!!私たちの息子のナリタがいないの!!」
そう叫ぶのはお隣さんだ。
「俺が見に行きます。」
ラモンズさんが即答した。
「皆さん、こんな形で初めましてになってすいません。冒険者のラモンズと申します!モルガンさんが今、防魔壁を張ってくれてるのでこの中は安全ですので絶対にここから出ないでください。僕は息子さんを探しに行って来ます!」
そう言ってラモンズさんは出て行った。
「大丈夫かね…」
「何故ワイバーンが…」
そんな声が口々から聞こえてきた。
私はまたおじいちゃんに守られるだけなのか…
なんて事を思ってしまった。
.
.
.
「ワシをジジイだからと舐めおって!」
ガオー
ワイバーンの数は2体、なんとワシ1人で倒せる数だ。
ドーン!!ドーン!!
それにワシを倒せば良いと思って先程からワシのみを攻撃してくる、これは逆に良かったとも言える。
シュッ!!
何者かがワイバーンから降りてきた。
「久しいな、我が好敵手にして憎き英雄よ。」
「お、お前は…」
.
.
.
「おーい!ナリタ君!!おーい!」
モルガンさんの家の隣だからと言って見に来たが先程からナリタ君の姿が見えない。
「どこにいるんだ…」
この子の命ももちろんだが、早くモルガンさんの援助に行かないと手遅れになりそうな気がする。
「仕方ない、防御魔法で燃えてるこの家に入るしかないか‥」
一か八か…俺は自分に防御魔法を使い家に侵入する事にした。
「俺なんかの魔力じゃ持って30秒か‥」
家の中は思ったよりも被害が少なく、なんとか進入することができた。
「おーい、ナリタ君!!」
「誰か…」
微かに声が聞こえた気がした。
「ナリタ君!ナリタ君!」
そうして辺りを見渡すと家具の下敷きになったナリタ君の姿があった。
防御魔法を使ってなんとか入ったって言うのにこの中に素でいるなんて危ないと思った俺はすぐさまナリタ君の救出をした。
ー続くー
次の更新予定
詠唱が恥ずかしくて言えないせいで”最弱な最強魔導” はっけよいのこっ太郎 @hakkeyoi_nokottalow
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