罪悪感と拒絶が体内を廻る


 待ち望んだはずの子どもが、私の心をかき乱す。

 時間と場所を考えず泣きわめく子ども、隣人からの圧力、同調を強いられる人間関係。

 育児書には「時間が解決してくれる」と書いてあるのだが、一向に気配はなく……



 読んでいて胃がキリキリ痛む作品。

 主人公は優しい方なのでしょうが、それ故にジリジリと心をすり潰していくのが見ていられない。

 どこを向いても八方塞がりで、自分の行動すらも重石になっていく。

 うつというか、心が割れた人の心境が上手く描かれた作品です。