第2話

再び外に出てみると広場方面からゾロゾロと膨張病の人達がこっち方面に向かって歩いてきているのが見えた


その手には松明らしきものと槍やクロスボウと言った様々な武器をもってこちらへと歩いてきている。


かなりの数がこちらに向かってきている為俺は隠れて様子を見ることにした


奴等はこの病院を通り過ぎ左方面へと歩いて行く…


広場方面、病院を出て右方面は比較的明るく進みやすかったが左は月明かりすら入りにくく街灯もほとんどなかった為進みにくかったのでこの先に何があるのかを知らないので今のうちに広場に言って情報を集めることにした。


広場方面に向かう途中遠くから遠吠えのようなものが聞こえてきたが今は目の前の事に集中するしかないのだ


膨張病を患った人間は広場におらず、それどころか誰もいないのである


広場に入るとすぐ目についたのは大きな木だったがその木は焼かれ周りには燃え尽きた何かを縛っているように鎖が置いてあるだけだった。


それ以外は特に目ぼしいものがなく広場を超えた先にある分かれ道がどこに続くかだけは気になったのでとりあえずこの燃え尽きた何かを無視し分かれ道に進む


右は坂道となっており上へと進んでいく感じで左は平坦な道だが周りは燃えており進行するのは難しそうなので進む道は自動的に右の坂道しかないようだ


坂道をどんどんと登っていくと灯台があったがその灯台は灯がついておらず灯台としての機能はもう無いように思えた。


付属で付いている建物は外から見ると大きくなぜ灯台の付属としてついているのかがわからないくらいの大きさだ


中に入ると異臭が漂っているがそれほど荒れた場所ではないようで灯台の部品や何に使うかわからない物が散乱としていた。


部屋の奥へと進んでいくと異臭が強くなって来るのでこの先は死体でも転がっているのだろうと思い扉を開けるとそこには赤黒く膨らんでおり、その膨らみの中には白くなっており腐敗が進んでいる箇所もあるナニカがそこにいた。


それはこちらを見ているようで見ていない感じがしたが部屋に入りきると白く腐敗が進んでいる箇所が動き出しこちらに向かって来る


武器をしっかりと握り白いの箇所を叩き切ると柔らかく容易に切断できたが白色の液体が周囲に撒き散ったが幸い体にはかかっておらずどうやら助かったようだ


白色の液体はとても臭く異臭を放っている原因だと思われる…それが後数箇所あるためそれを全部切っても根本的な解決はしないように見える


それどころかあのデカブツはこちらに襲いかかってきたと言うことは敵で間違いがないようなので攻撃をしようと思ったが致命的な部位が見つからずじわじわと削っていくしかないようだ。


デカブツの攻撃は遅く避けやすいため簡単にカウンターが出来るので楽だ


しばらく斧で肉?を削っていると声を荒げて先程とは違い幾分かマシな早さになったがそれでも遅い攻撃を連続して繰り出して来るようになったが結局はそこまで変わらない攻撃を避けてこちらが攻撃していくと段々と動かなくなっていった。


最後には腐敗した場所が全て弾け飛ばしてデカブツは死んだようだったがこちらは至ってダメージらしきものはくらっておらず拍子抜けしたような感覚だった


デカブツの体が砂のようにサラサラとバラバラになって行き始めた…これは俺と同じ病なのかと思ったらそんなことはなく復活せずにその場には大量の塵が残っており何かないものかと探してみると塵の中に赤い光石を再び見つけられたのでそれに触るとソレは体の中に入って行くのを感じ取れた。


それと同時にあのデカブツの記憶が流れ込んできた。


デカブツの正体はこの街、クラキの灯台の守り番だったらしく名前はタールレイヤと言うらしい。


タールレイヤは街中に帰ることはほとんどなく灯台の守り番としてここに住んでいたらしく、ある時異様に体が膨れ上がっていくのを感じていきその最後は俺が戦った姿らしい


一応病院に行ってみたが街の中でも流行っている病らしく流行病として片付けられまだ対抗薬品はないと医師から説明を受けたのち再びここへ戻ってきたとのことだ


しかしどんどんと体が膨れ上がっていき次第に動けなくなり最後には餓死したのだが何故だか再び動き始めて俺を襲ったみたいな感じで本人の記憶的なのは餓死した所までだったので俺を襲った肉体は結局なんだったんだろうか。


とりあえず灯台には情報が無いようなので病院に帰ることにした。



__________________________________________


膨腐のタールレイヤ


その身はかつて灯台の守り番であったがその肉体は膨張し最後は自分の意思で歩けず最後には何も食べれずに死んだ。


その後体を蝕んだ膨張の病は腐敗へと代わり肉体は白く変化していく最中であったがその身に辿り着いた者がおり腐敗の病は防衛として肉体を動かし負けた。

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