一章
第1話
鐘が鳴るのが聞こえる、沈んだ意識を覚醒させて体を起き上がらせ周りを見渡す。
そこは病室のような場所で真横には机がありその上に何かが書かれていた
病名不死、見たことがない病だ。患者は幸い目覚めておらずその体を調べた結果常人なら死んでいる状態であっても砂の状態に移行し肉体を再生することがわかった。しかし、再生後の肉体はナニカが欠けているようだった。
これは俺の診断結果なのか?そんなことを思い周りを見ても他の患者とも呼べる人間はいない為自分のだと仮判断した。
「とりあえず外に出ないと」
扉に手をかける一部ガラス越しな為外に人がいるかの確認をするがここからだと見えない為扉を開ける
扉を開けると目の前にはこじんまりとした場所とそこかしこに散らばる紙だった。
紙を拾い上げてみるとそこには最近病気に掛かった人が増えてきた、それも特定の病気の人が
とりあえず自分以外の人がいると安心したがどうしてこんなに紙が散らばっているんだ?
とりあえず進まないと行けないと思い暗い中歩き続ける。
一つ一つの病室を確認しても誰もおらず遂には外に出る出口の場所まできてしまった
出口の扉を開けると遠くの方で何かが走っているのが見えた
それは黒く小柄なものだったがそれは何かに飛びついており、飛びついた先を見ると体が異様に変化している人型のナニカだった。
その人型は武器を待っており攻撃をしていたが人型は動かなくなり黒い小柄なものはそれを貪っているようだ
月明かりに照らされた黒い小柄なものは狼であった…
人型のものを襲っているところから自分も襲われると思い一度扉を閉める。
武器になるものはこちらにはなく襲われれば容赦なくその暴力を受けて俺は死ぬと判断したからだ
病院に武器になるものはなくやはり外で襲われていたあの人型が持っていた武器を回収して自己防衛するしかないのかと思い外をよく観察する
狼はいなくなっており周りを観察しても黒い塊はいない為急いで扉を開けて武器を取りに行く
人型の異形は食い荒らされて形こそは崩れているが所々に見える骨は人間から出てくる骨の形状とそっくりでありこれは本当に人だったのではと思い恐怖を覚える。
人型が持っていた武器は片手斧であり数回振ってみても疲れることがない為安心して振るえる
周りを見ると特に狼や人型の異形はおらず街中を探索してみることにした
異形や狼に気を取られていたが今見ると街の様子がおかしいことに気付ける…夜なのに家屋に見える灯がないが街中の街灯の灯だけが付いているのだ
どんなに遅くても何処かしらの家屋は一つぐらい灯がついているはずなのにそれが一切ない
街の住民が皆寝ていると言うわけではない気がするのだ病院内にも誰もおらず街中にも人気がないとなるといよいよこの街はどうなっているのだろうか?
街中を歩き続ければ人がいるかもしれないと期待を待って歩く。
この街はどうなっているのだ、狼が普通におり人型の異形と戦っている
人型の異形は言葉を喋ってはいるがそれでも元の言語とは違くなにを喋っているのかが分からない
隠れながらその様子を見ていると人型の異形が奥から複数現れて狼を倒し始める
狼は倒れると肉体は砂のように崩れていきその上に何かが落ちておりそれを人型の異形は気にせずに奥へと去っていく
狼が残したものが気になるため完全に人型の異形が見えなくなった為狼の死体の所にいく
砂のようなさらさらとした場所の上には赤く光石のような物が落ちているので手にとって見てみると手の中で崩れていき手のひらに溶け込んでしまったように見えた。
不思議な体験だったがなにが起きたのか分からなかった。だって手にとって観察できたのがほんの一瞬だったためだ
よく分からなかったがあの人型の異形は複数体いるのが分かっただけで良かったのかもしれない
あの奥にいくと何が待っているのかわからないが結局は行かなければならないため慎重に進み始める
家屋の影や視界を遮れる場所に進みながら前へ前へ進んでいくと広場が見えてきた
そこでは人型の異形が多く存在しており、数は10を余裕で越えているのであそこに無抵抗でいったら囲まれて殺されるに違いない
そう思いその場から離れようとするが来た道から人の異形が2体歩いて来ているのが見えたのでバレないように家屋の遮蔽物に隠れた
2体は雑談しているような感じをして呑気に歩いて広場に入っていくと広場内の仲間のような存在に手を振り返したりと人間的な行動を多く行っていた
あれはなんなのだ…人間なのか?その存在がわからないため一度安全だと思われる病院内に帰った
ここならばもしかするとあの人型の異形についても書かれているかもしれないからだ
理由は俺が患っている病のことを書いていたからだ。だとしたらあの人型の異形のことも書いているはずだからだ
散らばった紙を集めて見てみるが日常的なことしか書かれておらずめぼしい情報がない
薬品を扱っている場所にも入ってみるがどれが使えるものかもわからず構うのをやめて再び診察書を探した
やっと見つけたと思ったら中々な情報が書かれていた。
最近体の一部が異常に膨れ上がる病が流行っていると思われる。他の街で発生している病と違う症状のようで対抗薬がない為経過観察するしかなさそうだ。また街中で狼を見かけると言うことも聞いたが実際にいるのだろうか?よくわからないな
そう書かれていたことからあの人型の異形は人間だと言うことが分かったが書いてある言語が読めるのに話している言語が違うなんてことがあるのだろうか?
もう少し詳細な情報がないのかと探していると診察書がでてきた。
病名膨張病と思われ身体の一部が異常に膨れ上がることがわかったが自然に治るものかわからず対処法として有用な薬もわからないため経過観察するしかない模様。またここ最近膨張病の患者が増え始めて行くことから空気感染で発症すると言うことがわかった。
患者がどんどん増えていくことから病院内にある医療室やそれに対する薬品などが足りなくなったので一度中央広場でまとめて診察することにする。
教会内部の人に聞いてもやはり、わからず我々は直す手段もなくなすすべがないまま我々も膨張病にかかるだろう
調べた結果がこれだった為一度広場に行くべきか?それとも行かずに一旦教会に行った方が良いのだろうか?どちらにしろ人と合わなくては始まらないだろう
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