第42話:反省と後悔の違いは改めるかどうか

10歳になりました。


どうもカノイです。


能力のほうしっかりと10進数になってました。


まーた見づらくなる。


今回はA「65」~Z「90」で読んでいく必要がある。


わーい、2桁だ~。


もちろん皆様には翻訳済みの文章をお送りするが、翻訳まで時間がかかるのは許してほしい。


だって0が「48」になるんだぜ?混乱するだろ?


うん、しょうがないね。


そして!新能力!ババン!


置き換え~!


微妙にいらね~!


置き換えとは!検索した数値を指定した数値に一括で置き換える機能である!


つまり!そもそも一括で書き換えたら危ないものには使用しちゃダメなのである!


無理無理無理!怖くて使えない!


ということで一旦封印!


なかったことにしよう!


さて、今回は10進数になったことだし、いじれる数値を10まで拡大するか。


10までいじれれば大概のことは対応できるだろう。


後は……前のままでいいな!


よーし!いつも通り生誕祭を楽しもう!




「なにこれ。」


「あ!カノイ様!近づいてはいけません!」


「今ジェイルが籠城中なんだよ!」


「えぇ、私の家で?」


「はい……すみません、カノイ様。」


「いや、エイルは関係ないから大丈夫、だけどなんで?」


「なんか、


「生誕祭の鬼ごっこになると急に足が重くなるから別の遊びを所望する!」


だって。」


「あ。」


心当たりしかない。


「そ、そっか、ま、まぁそういうこともあるよな、うんうん。」


「鬼ごっこ以外って言ってもねぇ。」


「村中の皆で遊べる遊びって他にあるかなぁ。」


「……だるまさんが転んだでもやるか?」


「「「だるまさんが転んだ?」」」


おっと?予想外だな?


大体の遊びは伝わっているものだと思っていたが「だるまさんが転んだ」が伝わっていないとは。


ということはあれか、発案者になるのか。


…………まぁ、命に関りはしないだろう。


「えーっと、ルールは、」


私の説明で何とか伝わり皆でだるまさんが転んだをすることとなった。


村人全員に伝えるのでなかなか苦労した……ジェイルめ、いや自業自得か。


「じゃあまず私から、だーるまさんがこーろんだ!」


皆さんピタッと止まるのがお上手で、しかしちょこっと動いちゃったのが見えたぞ!


「トムとエイルと木のじい、アウトー!」


「そんなぁ。」


「うそー!」


「しょうがないのう。」


アウトになったら手をつないでいく。


右にトム、左にエイル、うん、両手に花。


「次行くぞー!だーるまさんがこーろんだ!」


そうして続々と人の鎖は伸びていく。


「次多分さいごー!だーるまさんが!」


「タッチ!」


タッチしたのはシュバルツだった!


ということで、


「皆かいさーん!」


わらわらと皆がスタート地点に戻っていく。


英雄シュバルツはヴァイスに肩車されている。


本人もどこか誇らしげだ。うーん、かわいい!


ということで次は、


「ジェイルー!こっち側やってー!」


「しゃーねーな!まかせとけ!だーるーまーさーんーがーころんだ!」


おっとなかなかにテクニカルだ。


だが問題ない!だるまさんが転んだなら私にアドバンテージがある!


「あっ!」


「ヘディン!?危ない!」


こけそうになったヘディンを抱きとめる。


「にーちゃ!ありがとう!」


「カノイ様、ヘディン様、アウトー!」


「くっ!今回ばかりはしょうがない!」


渋々ジェイルと手をつなぐと嬉しそうに笑う。


くっそーかわいいな!


「へへへ、強敵のカノイ様はつぶしたぜ!次!だーるまさんがころんだ!」


なかなかのテクニシャンだったジェイルによって村人全員は輪になることとなった。


つまるところジェイルの一人勝ちである。


「へへへ、満足満足!」


「機嫌が直ったんならよかったよ。」


「おう!最近不調だったからな~!すっきりした!」


その不調の原因は私なのだが……まぁバレてないからいっか!


「へへへ、ちょっと疲れちゃったね。」


「そろそろ休憩にしようか?」


「そうだな~みんなー!いったん休憩でーす!」


休憩時間には大鍋を囲んでシチューを食べる!


これがとてつもなく美味い!


やっぱりみんなで食べて遊んで、楽しいよな~!


はぁ、幸せだ。


「よーし、皆、食べ終わったらまた遊ぼう!」


「「「おー!」」」


「ははは!カノイは元気だな~!」


「あらあら、ごはんはゆっくり食べなきゃ駄目よ~。」


こうして私の生誕祭は今年も楽しく進んでいくのだった。


カノイ・マークガーフ、10歳、少しの後悔と反省をしなければならない春の出来事である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る