第57話 金髪人形の家族♡

 ピンク色に妖しく部屋全体が覆われている部屋。 深夜にこの部屋で戦勝の儀式が行われた。 今回手に入れた人形は三体。 

 まず組織の下っ端である子。 この子はジュリという名前らしい。


「ヒィッ!! 何この部屋……。」 


 どうやら、俺の部屋を見て感動してくれたようだ。 

 もっと沢山の部屋を見せて上げてハーレムもの主人公として頑張らなくちゃ!


「くっ!! 悪趣味な部屋してんな、このゴミ男は……。」


 ビアンコは俺の部屋を見て侮辱するような発言を行う……。

 酷い性格だ……。 これからしっかりと調教してしっかりした子にしなくては……。


「くっそッ!! 冥獣王の姿のまま、封印されるとは私も計算外だったわ。」


 別に封印した訳ではないよ。 元の姿に戻そうと思えば元の姿に戻れるし……。 冥獣王の姿も何だかんだで俺は好きかも……。


「とりあえず、今日からグランドストリートのメンバーが揃ったことだし……。 みんなでパーティーでもお開きにしましょうよ!」


 俺はリベアナの人形を持ってきて、みんなに自己紹介をさせる。 もちろんビアンコとマリエスの家族ということを承知の上でやっている。 今日から新しい君たちの親友だよっていうノリでね。


『リベアナッ!!』


『ママァ!!』


 マリエスはリベアナの人形を見ると、何かリベアナを心配するようなことを言い出した。 リベアナも少し動揺した雰囲気の声で母親であるマリエスに対して何かを語りたそうだ。


「これが感動の再開ってことか……。」


『リベアナよ……。 お前生きてたんだな。』


 ビアンコも会話の中に入り込んできた。 やはり、家族愛って尊いなァ。

 俺は少し三人の会話を聞いてあげることにした。


『リベアナは何かこの男に酷いことされなかったか?』


『うんとね。 こいつにされたことは思い出しくたくないようなこと。 大体の性的なことはされたわ。』


『うッ!! こいつ私の娘にィ!!』


 これ、人形じゃなかったらぶっ殺されるシーン。 少なくとも全員の人形化解除は今のこの状況じゃ不可能だわこれ。


『まさか、お前この私にも同じことをしようと考えているんじゃないんだろうな?』


 ビアンコは少しドン引きした感じの声で俺にテレパシーを送る。 俺はスタイルの良いお姉ちゃん系も好きではあるが、 やっぱりロリとか可愛い系が好きなんだ。 まあ、ビアンコも俺の守備範囲にはあるし、金髪の髪型大好きだから後でしっかりと味わうことにしよう。


 ビアンコは彼がニヤニヤと笑っている姿で自分がこの男のおもちゃになることを確信する。 ビアンコは妹のリベアナと同じく『てめえ!! さっさと元の姿に戻せ!!』と暴言口調になったところで彼はビアンコの人形を別の場所に持っていった。 そして、ピンク部屋のところに戻ってくるとリベアナに対して【約束】の時が来たことを知らせる。


『それよりもキモオタ、私を元の姿に戻してくれよ。 もうグランドストリートは壊滅したんだから良いだろ?』


 うん。 確かにもう組織のしっかり討伐したことだし、元の姿に戻しても良いころ合いかも。 もし、リベアナが俺の命を狙ってきた時のための保証はもう既に完成している。 既に家族を人質に取ったとなれば迂闊に攻撃はしてこないだろう。


「じゃあ、今から元の姿に戻すとするか。」


 私は人形化を解除することにした。 魔法少女にならなければ元の姿に戻すことができないため、俺はオランチアに変身することにした。


「さあ、私がリベアナちゃんを元の姿に戻してあげる♡」


『キモい。 そんな茶番してないで早く元の姿に戻せ。』


 オランチアはそのまま、ハートのポーズを両手で取って彼女に白いビームを当てた。 


「あなたを開放してあげる」


 元々、敵であり、更に私の命を奪おうとした相手を自宅で開放するというのは少し怖いが、今の自分なら戦っても問題だろと言う考えがあったので、私は彼女を開放することにした。


「あ。」


 メイド服を着たまま、リベアナは元の姿に戻ることができた。

 私はメイド服のリベアナがあまりにも可愛かったので、ミニスカの近くに手を近づける。


「触んなよォ!!」


 しかし、彼女は触ろうとしたことに勘づいたのか私をそのまま右手で思いっきり突き放してきた。 女の子の姿なんだから少しくらい触ってもいいじゃない……。


「この姿でもこんな態度されるの地味にショック……。」


「当たりめーだろ、中身キモオタァ。」


 リベアナが元の姿に戻り、自分の身体に馴染んでくると突然拳を握りしめてオランチアを殴打した。 オランチアは避けきれずにそのまま殴られて部屋の壁に叩きつけられる。


「うぎょッ!! 開放したら……た……戦うとは言ったけど、いきなりは流石にないよぉ……。」


 オランチアはそのまま、立ち上がってリベアナに対して戦闘時の体勢を取る。 万が一、殺しにかかってきても大丈夫なように……。


「まあ、いいや。 元の姿に戻れた訳だし……。 お前との戦いは今回は無しにしてやる。 ここから逃げたところでもう私の帰る場所もない訳だし、人質が取られている以上、無闇に暴れることもできないからな。」


 リベアナには既に人形化の能力が私以外の人間にしか戻せないということを伝えていた。 まあ私の話をそのまま信じてくれるという保証もないから賭けではあったが、彼女の態度を見れば今のところは命を奪われることもなさそうだ。


「ねぇ。 お願いがあんだけど、このままの姿で今日からこの家に住み着いていいか?」


「ほえ?」


「おう、私は一応まだ学生で普通の学校に通っているからよぉ、通学のための道具も持ってきてくれね? お弁当や部活の道具の準備も毎日よろしくな!」


 オランチアは少し悩んだ。 人形状態の時と違ってお腹は減るだろうし、服もしっかりとしたものを用意しないといけない上に学生やっているから、毎日準備しろと言われて少し不快な気分になる。 まるで自分の娘を養う父親みたいなことをしないと行けないからである。


「ね……ねえ、普段は人形の状態でいていくれる? そっちの方がコスパ良いから……」


「あっ?」


「ヒィッ!! わ、分かりました……。 で、でも……。」


「何?」


「その代わりに一緒にお風呂入ったり、コスプレとかに付き合ってくれる? 後は夜中、一緒に寝るとか……。」


「はっ?」


 リベアナはキレた表情になったが、それでもこの状況で上手く立ち振る舞うために彼に付き従うことに決めた。 リベアナは心を落ち着かせ、オランチアに対して「分かった。 今はお前に従うよ。」と返答をしてくれた。


「あ……ありがとうね……。」


「いや、てめえのこと嫌いなのは変わりがないからなッ!!」


 オランチアは元の男の姿に戻り、何かを用意し終えると早速一緒にお風呂に入ろうとリベアナを誘ってきた。 リベアナも仕方ないから、一緒に付いていくことにした。


「さあ、俺と一緒に風呂に入って気持ち良くなろうぜ!」


「私は気持ち悪くて吐きそうになるけどな。」


「そう言えば、リベアナって初めてキスした相手ってどんな人?」


「同姓ならママ。 異性ならお前。」


「実質的に俺はお前のママに追い越されていたという分けか……。」


 義弘は一緒にお風呂に入る準備をする前にリベアナに対してキスを迫ってくる。 リベアナは顔色を悪くしていたが、それでもここは耐えるしかないと思い、そのまま彼のキスを受け入れる。 人形の姿の時に舌をこねくり回すように入れられたが、元の姿でやられた時の感触はよりキツいものだった。


「ぷっはぁ~ 本物の人間の異性とキスしたの初めてぇ~幸せぇ~」


「うっ、ぅぅぅうう。」


 二人は服を脱いで裸になった後、一緒にお風呂に入り、体を洗い合った。 まずは義弘とリベアナがお風呂の椅子に座り、背中や首の周りをお互いに洗い流すという行為である。 リベアナは自分の胴体に思いっきりボディソープを塗り、椅子の上に座っている義弘の背中に胸を擦りつけ合わせながらヌルヌルと動く。


「おい。 これでいいのか!?」


「おっ♡ おっ♡ そうそう、女の子が男性の背中を洗う時はこれが基本だからしっかりと覚えておいてね♡」


「この変態ッ!!」


  二人は頬を赤らめながら、男女混浴を楽しむ。 義弘もリベアナの肉体をしっかりと背中から洗い流し、後ろから成長期真っ盛りのおっぱいを後ろから揉むようにボディソープで洗ってあげた。


「くっそ! こいつの変態に付き合い続けるのキツい!!」


「もぉ、そんなこと言わなくてもいいんだよぉ……。」



◇ ◇ ◇



 二人では混浴を終えた後はこれからの生活をどうやって行くかを考えて、これから活動していくのかを話し会ってから寝ることにした。


 これからこの可愛い金髪ツインテールの女の子と一緒に暮らしていけるという喜びを歯に嚙み締めながら魔法少女として頑張っていきます!!


 彼の夢はまた一つ大きく前進するのであった。



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