第11話 初めての依頼申し込み
義弘は魔法少女になれる力を手に入れてから、一ヶ月が経過した。
仕事の終わりにも道場に通うようになっていったので、徐々に魔法少女としての戦い方にも慣れていった。
「はぁ。 仕事終わったわぁ。」
義弘は今日も道場に行くことにした。
「こんばんは」
道場に着くと、訓練員がいた。
義弘は道場の近くでいつものように魔法少女の姿になって、入場した。
「オランチアさん。 マジカルネイションズセンターから連絡が来てますよ。」
≪マジカルネイションズセンター≫
<それは魔法を使う戦士が魔獣を筆頭にした怪物や魔法を使う犯罪組織の撲滅、そして社会の治安を守っていくためのパトロールと言った国家の第二の警察としての役割を持つ機関である>
「もしかして、ついにあの魔法少女登録書が…」
「これであなたは正式な魔法少女として活動することができるようになります。 魔法少女としての活躍にご武運を。」
「やったぁぁぁぁ!! これで僕も一人前の魔法少女だ!!」
オランチアは喜んでピョンピョン跳ね出した。
そしてそのままD棟に行き、稽古を始めることにした。
「あら、もうオランチアちゃんも立派な魔法少女ですね!!」
ちょうどシャトリエーゼに変身した美々香がオランチアのことを拍手して褒めてきた。
「そうですね! 僕も立派な魔法少女として頑張るぞー!!」
そう言うと、D棟で稽古をしていた三人の魔法少女もこっちに来て褒めてくれた。
「なんか最近、一人称が僕になったけどどうしたん?」
マスカリーナがそう言うと、セイント・クォーツがにっこり笑いながら喋った。
「じ……実は……オランチアちゃん……ボクっ娘なら可愛くなるかな……と思って……。」
「あんたが一人称変えさせたんかい!!」
◇ ◇ ◇
稽古の前や、休憩中にオランチアはシャトリエーゼと話し合いをした。
会話の内容は主に今後、魔法少女として活動していく際に絶対に避けて通れない以来のことについてだ。
「オランチアちゃん。 魔法少女登録書が届いてすぐに聞いておきたいのですが……。」
「はい。 なんですか?」
「これから受ける依頼の種類はもう決めてますか?」
「えっと、巡回系と調査系が魔法少女見習いはおすすめでしたっけ?」
「はい。 巡回依頼は警察の方々と街の中を巡回して異常がないかを確認していくだけなので初級向け。」
「調査依頼は主に街で暮らしている住民の不安や悩みを解決して上げたりしていく非戦闘型の魔法少女に適任がある依頼。」
「そんなところかな……。」
シャトリエーゼはオランチアにおすすめな依頼を勧めてくれた。
魔法少女と言えば、魔法を使う悪の組織や化け物を退治していくイメージがあるが、実際は割と現実的な依頼が多いのかなと考えてしまうオランチア。
「あの、やっぱり魔法少女と言ったら、悪者を退治していくものじゃないですか。」
オランチアがそう言うと、ちょっとだけシャトリエーゼは引き締まった顔になって、私に返答した。
「一応、討伐依頼も受けることは可能ですが危険があるので初級の魔法少女にはおすすめできないです。」
「討伐依頼は確か他の子とも協力していくから大丈夫な気もしてくるけど、それでもダメ?」
「はい。 あまり強くない魔獣を戦闘経験者と一緒に戦っていくという条件付きなら大丈夫だと思いますが……。」
「確かにもし、負けたら大怪我どころか最悪の場合、死亡の可能性もありますもんね……。」
「なのでそれなりに戦闘の才能がありそうなあなたでも今はやめといた方がいいのではと考えています。」
「うーん。 でも、また魔獣と戦ってみたいかもなぁ。」
オランチアは冷静に考えてみて、初めての依頼を受けることにしようと考えた。
もし、一緒に強力してくれる魔法少女達が声をかけてみるか。
そう考えていたら、稽古中のマスカリーナがこっちに声を掛けてくれた。
「オランチアはやっぱり、ガンガン戦っていきたい派なん?」
「まあ、魔法少女と言ったら悪を倒していくものだと思っているから。」
「なんか凄い単純な理由だね!」
「もし良かったら、私と一緒に戦わない? 実は私、既に討伐依頼を結構攻略しているんだよね。」
マスカリーナはどうやら、私と一緒に討伐依頼に参加してくれるようだ。
最初あった時になんか頼りになりそうな子だと思っていたが、やはり私の勘は当たっていたようだ。
「うん! じゃあ、私と一緒に戦おう!」
「分かった。 それじゃあ、今から求人を見にいこう!!」
魔法少女が与えられる依頼の受け場所は二つある。
一つは魔法少女道場、二つはマジカルネイションズセンターである。
「私たちだけで勝てそうな魔獣の依頼ないかなぁ……。」
マスカリーナは道場の依頼受付カウンターで依頼を確認していた。
「あっ!! これ良さそう!!」
「なに?」
マスカリーナは犬のような姿をした魔獣を倒していく依頼を持ってきた。
こいつは確か、近年この道場がある街より一つ先の街の郊外に生息しているとされる魔獣だ。
「これなら、後何人かいればいけるんじゃないの?」
「何人か?」
「まあ、流石に文字通り二人だけで行くのは不安がある訳で……。」
そう言うと、彼女は他の仲間を集めるために違う棟の訓練所に行ってしまった。
「やっぱり、魔獣を倒すにはそれなりに準備が必要なのね……。」
私はマスカリーナが戻って来た後、もう一度当日に戦う事ができるかという議論をシャトリエーゼとした。
最終的には戦う方向に決め、今よりも厳しい特訓をしていくようシャトリエーゼに言われた。
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