全知全能の神への挑戦

第1話 全知全能の神への挑戦

多元宇宙の数だけ存在すると言われる5次元少女たち。その中には、天才的な頭脳を異能とするネイピアがいる。

「嘘！？なんでー！？」

「アハハ、無駄だよ無駄無駄無駄〜！」

「なんで？ わたしが光の速さで逃げ切れたはずなのにー！！」

「惜しかったな〜お嬢ちゃん。この勝負、ワシの勝ちだな♪」

「キィー！！ くっそ悔しい！！！」

「どうしたのよアイリス？ そんなんで拗ねちゃって……」

「あ、ネイピア！」

「前から言ってたけど、あなたの脳みそ、猿レベルにまで退化してるみたいね」

「ネイピアひどい！」

「何してたの？」

「このおじいちゃんと勝負してたんだ。最初は絶対持ち上げられない石をどっちが先に持ち上げられるかってやつ。んで、次は追いかけっこ！どっちも負けたー！」

「まあ、それはそうかもね。でも、もっと周りを見渡して考えないと。」

「周り？ どういう意味？」

「私が代わりにこのおじいちゃんと戦ってあげるわ。

もちろん私とおじいさんの一対一でね」

「勝負の内容は？」

「わしは既に二勝しておるからな。ハンデとして内容はお嬢ちゃんたちが決めなされ」

「なんかバカにされてるみたいでムカつくわ！

おじいさん？勝負の内容はあなたが決めて！」

「わかった。決めたー！

『全知全能の神様（わし）を倒せ』」

「ちょっとー！おじいちゃんズルいよ！」

「無理なら内容を決め直してもいいんじゃぞ」

「いいえ、これで行くわ！」

「ちょっとネイピア……、本気なの？」

「私は今から集中するから、ちょっと黙ってて」

ネイピアはショルダーバッグの中からタロットカードを取り出し、目を閉じた。数式や図形が書かれた球状の帯が現れ、表示が刻々と変化している。

「わかったわ！チートなおじいちゃんを倒す方法がね」

「ほう、お嬢ちゃんは倒せると申すか！お手並み拝見！」

続く

※登場人物

・ネイピア

二つ名は『完析の魔女』。薄い金髪のストレートヘアにゴスロリファッション。言葉遣いは一見丁寧だが、常に上から目線で毒も吐く天才的な頭脳を持つ5次元少女。

・アイリス（愛理栖）

二つ名は『神速のアイリス』。光に関係する能力を持つ5次元少女。虹色のロングヘア（愛理栖の時は水色）。ピンク色の着物と長い羽衣をまとっている。

・全知全能の神さま