ハードモードなゲーム世界に転生したけど、【スキルコピー】の隠し効果で自由な人生を楽しんでいく

第24話 やっと当たった

「な、なんだぁ！？」

「襲撃か！？　ってギルドの建物がぶっ壊されてる！？」

　壊された盗賊ギルドの中から盗賊たちがわらわらと湧いてくる。

　結構いるなー。

　あの一撃で全滅させたつもりだったんだけど、やっぱこの世界の戦う人って全体的にレベル高いよね。

「おーおー、冒険者より更に野蛮なヤツらが来たねー」

「感心してる場合？　さっさと片付けるわよ」

「本当あれで全滅させるつもりだったんだけどね。ま、簡単にはいかないか」

　予定が狂っちゃったけど目的は変わらない。

　そこにいるなら倒せばいい。

　ただそれだけのことだ。

「てめぇらタダで済むと思ってんのかぁ！？」

「タダで武器は作ってくれるみたいだけどね～」

「イカれてるのかこいつ！！」

「あら、正論を言ってるみたいよ」

「正論だー」

　オルルものんきなことを言っている。

　エリザも高ランクのドラゴン退治にはビビってたくせに、盗賊相手には恐れる様子を微塵も感じない。

「盗賊ギルドに喧嘩を売った事を……」

「”ファイア”」

「うぉお！？」

　あっ、話とかそういうのはいいから。

　長くなりそうだったので”ファイア”を使って攻撃。

「てめぇらやっちまえ！！」

「「「おおー！！」」」

　それを合図に盗賊達が僕達の方へと襲い掛かる。

「僕が前線で暴れる。オルルはエリザと一緒に支援をお願い」

「わかったー」

　大人数が相手か。

　マッスルベアとの戦いより人数が多くて、やりごたえがありそう。

　あー、ゾクゾクしてきた。

　明らかにやばいっていうこの状況が最高に楽しくて仕方ない。

「”加速ウィンドショット”」

「うぉっ！？」

「はえぇ！！」

　やっぱこの世界最高だわ。

「からの”トリプルスラッシュ”！！」

「「「うわあああああああ！！」」」

　前方向へ一気に加速した後、僕は3つのスキルを合わせた斬撃を盗賊たちへ向けてくらわせた。

　斬撃はとてつもなく巨大で、たった一振りで数十人を巻き込む程の規模。

「な、なんだこいつ……」

「かなりやべぇぞ……」

　その一撃は僕の恐ろしさを伝えるには、十分すぎた。

「威勢は良かったのに、随分と怯えてるね？」

「お、おい！！　このままバカにされっぱなしでいいのか！！」

「行け！！　殺せ！！　やれ！！」

　やけくそ気味に突っ込む盗賊たち。

　そのだけの動きを彼女と一羽の鳥が見逃すわけもなかった。

「”メガサンダー”！！」

「”ツイントルネード”」

「うわああああああああ！？」

　大技の前にあえなく吹き飛ばされていく盗賊達。

　目の前にいる一人のガキですら手間取ってるのに、後ろのやつもやばい。

　その事実が盗賊たちをさらに恐怖へと追い込んでいく。

「お、やっと”メガサンダー”が当たったじゃん」

「今までは相手が悪かったのよ。ほら、次来てる」

　ここからが本番。

　さぁて、僕を楽しませてよね？

◇◇◇

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