第4話 新しい出会い

 はぁ~とため息をつく僕。僕はグループ学習が苦手だ。特に初対面の人ばかりのグループ学習は地獄である。先生に言われるままテキトウに決められた席に座った。

「あっ」

 思わず僕は声に出してしまった。なんと島矢さんと同じグループになってしまったらしい。島矢さんは昨日の自己紹介の時に良くも悪くも目立った人である。軽音楽部に入りたいらしい。

「はじめまして!今日はよろしくね!」

 明るく大きな声で挨拶をされて僕は驚いた。隣の人はもっと驚いている。どうやら1番青木さんとも同じグループになったらしい。

「よろしくお願いします…」

 青木さんは島矢さんとは真逆な雰囲気である。

「よろしく」

 僕は普通に挨拶をした。なんやかんやで緊張しながらも普通に話せてしまうのが僕だ。

「高校の目標についてグループで話し合うんだよね!」

「そうですね…」

「うん」

 島矢さんは嬉しそうにして

「まずは私の目標ね!私の目標は軽音部に入って人気のバンドを作ることだよ!」

「なんで軽音楽部にしたの?」

 僕が聞くと

「私小さい時からベースをしてて高校でバンドを組むことが目標だったの!だからこの高校にしたんだ!」

「小さい時からの目標があるのってすごいね」

 僕は感心してしまった。僕は小さい時から色々なことをしてきたつもりだが、これを高校でもしたいとかはなかったからだ。

「青木さんは?」

「私の目標は……特にないです…」

 青木さんとはどうやら同じ意見らしい。

「僕もそうだよ。目標ってよくイメージが掴めないというか、特に高校でやりたいこともないし…」

 そう言うと島矢さんはすぐさま

「じゃあ2人とも軽音部に入って一緒にバンドしよう!」

 急な誘いに僕たちは驚く。

「別に僕は帰宅部でもいいかなって思ってて…」

 青木さんも続けて頷く。僕は部活というものは無理してするものではないと思っている。特に周りに迷惑をかける可能性がある部活はある程度の覚悟がある人が行くべきだと。

「じゃあさ今日の四時間目にある新入生歓迎会で軽音部がライブをするらしいの!一緒にライブ見よ!」

「……わかったよ…」

 押しの強さに負けてしまった。

 この誘いを特に断る理由もなく、僕と青木さんは島矢さんによって一緒にライブを見ることになった。

 

 

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