第3話 おはよう高校生活

 自己紹介があった次の日、学校が始まってから2日目。荷物をまとめるのが遅れ僕は予定よりも家が出るのが遅くなり焦っていた。急いで自転車に乗り時計を見ると7時45分、学校が始まるのが8時20分である。焦りながらも電車に乗るとよく見る顔があった。

「おはよう!」

まだ見慣れない金色の髪である悠斗だ。

その落ち着いている姿は焦っていた僕を馬鹿にしているかのようだった。

「悠斗…なぜそんなに落ち着いている…」

 息を切らしながらも僕はそういった。

「まだ学校が始まるまで時間があるしな」

 はっ?と驚く姿に悠斗はニヤニヤしながら

「もしかして25分登校だと思っていたのか?今日は2日目だし色々準備がある関係で8時35分って先生昨日言ってたぞ。しかも昨日配られたタブレットにも連絡いってるし…」 

 「まじか」

 少し自分の呑気さに驚きながらも遅刻の心配がなく安心する。

 「今日は色々説明がされるから、タブレットが必要だが持ってきたか?」

 悠斗は面倒見がよくすぐに気遣ってくれる。

「昨日から荷物いじってないから大丈夫だよ」

 僕は笑いながら返した。


 学校に着くと山野先生が段ボールを開けている。悠斗が挨拶をする、続けて僕も挨拶すると先生はこっちを向いて

「おはよう!落ち着いたら席に座ってね」

 すぐに席に座って5分後朝の会開始のチャイムが鳴った。先生は

 「今日は学校2日目だから…2番の池倉くん朝の挨拶をお願い。」

 まさかの選ばれ方である。

 僕は号令をした。中学校の時の仕方だったので号令の仕方に少し戸惑っている人もいたが、それも新しい学校生活の始まりを少し面白かった。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

エレキギターを片手に僕は夢を語る oyuyu @kionyou73ie

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画