レイチェルの告白2
しぶっていたレイチェルは、エイミーとリンダにおしきられてロッジ行きを承諾してしまった。過去に戻れるなら、レイチェルとエイミーは決してロッジに行くべきではなかった。
ロッジへはマイケルが親から借りたワゴン車で行く事になった。メンバーはリンダと、リンダの友達のバーバラ。バーバラの彼氏のジェフ。ジェフはアメフト部にいるので、このつてでマイケルを誘ったようだ。マイケルと、やはりアメフト部のドン。それにレイチェルとエイミーの七人だ。
最初は乗り気ではなかったレイチェルだが、ワゴン車の中はそれなりに楽しかった。途中スーパーで飲み物や食べ物を買い込み、騒ぎながらロッジに向かった。
到着したロッジはとても豪華なものだった。広いリビングがあり、部屋も十室もあった。レイチェルとエイミーはとなり同士の部屋にする事にした。
ロッジのある高台のふもとにはビーチがあり、レイチェルたちは海水浴を楽しんだ。
奥手なレイチェルは中々マイケルに話しかけられなかったが、エイミーが話しをふってくれて、少しだけ話す事がでかた。
へきえきしたのがダンで、彼はやたらレイチェルに話しかけ、ともすれば身体に触ってこようとするのだ。
ダンは大柄な乱暴者で、レイチェルはあまり好感を持っていなかった。レイチェルが困っていると、すぐにエイミーがダンとの間に入って助けてくれた。
夜はロッジの外で、バーベキューをし、リビングに移動してからは酒盛りが始まった。レイチェルはあまり酒は好きではなかったが、場をしらけさせるわけにはいかないので、控えめに飲んでいた。
そんな時リンダが言ったのだ。彼女はスクッと立ち上がり、レイチェルたちを見回して勝ちほこったような笑みを浮かべた。リンダはマイケルに手を差し出すと、マイケルはうやうやしく彼女の手を取った。
レイチェルは、やられたと思った。リンダはこれが目的でレイチェルをロッジに呼んだのだ。
「ねぇ、皆聞いて?重大発表があるの。私とマイケル、付き合う事になったの」
バーバラはわざとらしくキャアキャアと耳障りな奇声をあげ、周りはキスをしろを騒ぎ立てた。マイケルは少し照れくさそうに、リンダは満足そうに皆の前でキスをした。
リンダは、レイチェルがマイケルに気がある事を知っていて、マイケルと付き合ったのだろう。レイチェルは落ち込まないと心に決めた。こんな事で落ち込んだらリンダの思うつぼだと。レイチェルがぼう然と動けないままでいると、エイミーがレイチェルの手を引っ張った。
「行こう、レイチェル」
エイミーがレイチェルを引っ張ってリビングを出ようとすると、ダンがレイチェルたちの前に立ちはだかって言った。
「なぁ、レイチェル。これから俺と外に行かねぇか?」
レイチェルがこわばっていると、エイミーがレイチェルを守るように前に立って言った。
「レイチェルは私と部屋に帰るの!」
エイミーはフンッと鼻を鳴らしてから、レイチェルを引っ張って部屋に帰った。エイミーはズカズカとレイチェルの部屋に一緒に入って来た。レイチェルも一人になりたくなかったので、エイミーと一緒にベッドに腰かけた。
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