第6話

「三花!三花!」

黄花の声に,三花は目を覚ます。

「あれれ?黄花?」

三花は寝ぼけ眼で辺りを見渡した。

もう着替えている黄花,真帆子,子野葉,かんなが不安そうな表情で突っ立ってる。

さらに,ヒカリ,心,けんじ,けんたまで不安そうに部屋に集まっていた。

「どうしたの。みんな…」

なんとなく嫌な予感がした三花は,すっと立ち上がった。

「三花。ボクたち,星の子は,知られてはいけない存在だよね」

黄花の言葉に,三花は頷く。

「ボクたちの居場所がばれたんだ。スターハンターに」

「えっ…」

三花の顔が一気に凍りついた。

ただ,机のレモンソーダを,オレンジジュースと間違えて飲んでしまったけんじ以外。


黄花は早く起きて,校内を散歩していた。

中庭に差し掛かったその時!

「いたぞっ!星の子だ!」

大人の声がして,黄花は慌てて身を隠す。

数秒後,同じクラスの佳奈の叫び声が響いた。

「…みさまが待ってる。急いでここの星の子を根こそぎ取っていくぞ!」


「そんな…」

「さっきスターハンターが部屋に来た時は,真帆子の能力で助かった。けど,学園内に残っているのは,もう,ボクらだけなんだ…」

三花も,みんなも,顔が真っ青。

「三花。ボクは,昨日の予言が関係していると思っている。だから最後まで希望を持って,大吉で行こう」

黄花の言葉に,みんなが頷いた。

(そうだ…希望は失っちゃいけない…)

三花はグッと拳を握りしめた。

「まずは,ボクたちが生き残ること。そして,星の子たちの救出…だね」

みんながこくりと頷く。

「みんな。星の子の仲間がどこにいるのかはわからない。落ち着いて探そう。きっとどこかにいる」

「よし!みんな!この大凶を,大吉にしちゃおう!」

「うん!」

三花の希望が詰まった言葉に,力強く頷いた。

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