第4話
「黄花」
「なぁに?」
三花が声をかけると,黄花は解いていた問題集から目を離して三花を見る。
「何してるの?」
三花が聞くと,すぐに子野葉がベットから身を乗り出した。
「なになに⁉︎子野も気になる!」
「「「「しぃぃぃ」」」」
子野葉の声が大きかったので,みんなから一斉に静かにして!の合図がいく。
黄花は笑って自分の解いていた問題を見せた。
「えーなになに?もしこの紙を無限回数折りたたむことができるとしたら、何回折れば月に届くでしょうか?…?」
紙の右下には紙の厚みが書かれている。
「何これ」
三花は呟いて解答欄を見ると,そこにはすでに答えが。
「嘘でしょう?黄花。本当にこんな問題を解いたのですか?」
自信家のかんなでさえ,目を見張っている。
「意外と簡単だったよ〜。さっき,寝る前の暇つぶしで解いてたんだ〜」
黄花はそう言ってレモンソーダをのむ。
「暇つぶしって…」
真帆子は苦笑いを浮かべながらココアを飲む。
その時,笑っていた三花の体がキュピッと固まった。
「三花…まさか…」
黄花は呟く。
三花はしばらく固まっていた後,何かを呟き始めた。
「視える…星の子達が,一斉に連れ去られる。9人の友情によって,新の力が目覚める」
「三花。何か良くないことが起きるの?」
真帆子からの質問に,三花はこくりと頷いた。
三花は大吉。何か悪いことが起ころうとすると,それを予知することができるのだ。
「新の力?何それ」
空気が暗くなる。
「いつ起こるのかわからないんだし。今は一旦置いとこう!それよりさぁ!」
黄花がその場を盛り上げようとする。
コンコン。
ドアをノックする音が響く。
「あれ?こんな時間に誰だろ」
少し困惑しながらも扉を開ける。
するとそこには,
「やっほー!」
「こ…こんにちは…」
猫耳パーカーを着た優奈と,びくびく怯えている花音だ。
「あれ?どうしたのこんな時間に」
黄花が聞くと,優奈はパチリとウインクした。
「えへへ…眠れなくてさーだから,恋バナしにきたの!」
「な,なんで私も…」
優奈と花音は部屋に上がって,ベットに腰をかける。
「実はね,里組先輩の情報が入ったの…」
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