決戦2
パティたちの近くでうずくまっていたイエーリが下品な笑い声で言った。
「ギャハハ!お前はわしの心を読んだようだが、お前らのような三流冒険者にメグリダさまがやられるわけないだろう!お前らはメグリダさまの盗賊団によって皆殺しにされる運命なのだ!」
イエーリがギャァギャァうるさいので、パティはトグサに断ってからピンキーに言った。
「ピンキー。あのうるさい奴を静かにして?」
「ピピッ」
ピンキーは風のかたまりを作ってイエーリの腹に当てた。イエーリはグホォッと叫んで気絶した。エリオがイエーリを抱えて、馬車の荷台に放り込んだ。トグサは立ち上がって言った。
「さぁ、もうすぐグリュウ盗賊団がここに向かってくる。作戦の確認だ。メグリダの捜索はエリオとピンキー。エリオ、私の説明でメグリダがどの人物かわかるか?」
「おう、任せとけ!隻眼で五十代の男だろ?俺とピンキーに任せておけばすぐに見つけてやるぜ!」
トグサの言葉に、エリオは胸をたたいて答えた。エリオとピンキーは《バードアイ》を使って空からグリュウ盗賊団のリーダーを探す。トグサはうなずき、次にコジモを見た。コジモは緊張しているのか顔をこわばらせている。
「コジモはグリュウ盗賊団の足止めだ。コジモの《コマンド》で大多数の敵を行動不能にする。コジモにはアクアがついてくれ」
「うん、わかった。アクア、よろしくね?」
「プクプク」
コジモは不安そうな顔で、パティの膝の上に乗っているアクアに言った。アクアはまかせろと答えている。トグサはうなずいてからデイジーに視線を移した。
「デイジーはコジモが《コマンド》で動かなくした盗賊たちを《フラワー》で拘束してくれ。チャーミーとパティはデイジーと行動してくれ」
「ええ、わかったわ」
「ニャッ」
「はい!」
デイジーはパティとチャーミーに振り向いて言った。
「パティ、チャーミー。よろしくね?」
「はい!デイジー!」
「ニャッ!」
トグサはうなずいてから最後にマックスに言った。
「マックス。私と一緒に行動してくれるかい?エリオたちがメグリダを見つけたら、すぐさまその場に駆けつけたいんだ。メグリダは私が倒す」
「ワン!」
トグサの頼みにマックスが元気よく返事をした。
「さぁ、皆。そろそろ始まるぜ?」
目を閉じているエリオが言った。きっと《バードアイ》でパティたちの周りの様子を見てくれていたのだろう。パティたちは立ち上がって辺りに意識を向けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます