友達の魔法3
マックスがパティたちを乗せてくれたおかげで、パティたちはあっという間に教会に到着した。
パティがマックスから降りると、マックスはいつもの大きさに戻った。パティは教会のドアをドンドンと叩いた。
「神父さま!神父さま!」
「どうしたんだ、パティ。そんなに慌てて」
ジョナサンが驚いてドアから顔を出した。パティは驚きの連続で、興奮しながら言った。
「あのね、神父さま!ピンキーとマックスが魔法を使ったの!」
「何だって?ピンキーは鳥でマックスは犬じゃないか」
「そうなんだけど、私たちまたマフサに乱暴されそうになったの。そうしたらピンキーが透明な壁でマフサの炎を防いでくれて、マックスが吠えたら炎が出て、マフサの腕を焼いたの」
ジョナサンの顔がくもった。パティは弁解するように言葉を付け足した。
「だけどね、ほんのちょっとの火傷よ?私の火傷よりもずっと小さいの」
「ああ。わかったよ、パティ。マックスたちは神さまがくださった動物たちだ。きっと普通の動物ではないと思っていたが、魔法が使えるなんて驚いた」
ジョナサンがその場にしゃがみ込むと、マックスたちを呼んだ。マックスたちは嬉しそうにジョナサンの側に集まった。
「マックス、チャーミー、ピンキー、アクア。お前たちには不思議な力がえるんだな?どんな時もパティを守ってくれると約束してくれるか?」
マックスはワンと鳴き、チャーミーはニャァ、ピンキーはピィッ、アクアはプクプクと返事をした。ジョナサンは嬉しそう目を細めてから言った。
「さぁ、パティ。皆。私が出て来ていいというまで、台所に隠れていなさい」
パティは何故ジョナサンがそんな事を言うのか意味がわからなかったが、言う通りに台所に向かった。
しばらくしてジョナサンの言葉の意味を理解した。マフサと彼の母親が教会に怒鳴り込んで来たのだ。
「ジョナサン神父!どういう事ですか?!うちの可愛いマフサが手に火傷を負って帰って来ました。聞けば忌子のパティの薄汚い犬にやられたと言っています!早くマフサの火傷を治して、薄汚い犬を処分しなさい!」
マフサの母親はヒステリックに叫んだ。マフサは母親にすがりつきながら不機嫌な顔をしている。
パティはマックスを抱きしめながらブルブル震えていた。パティの命よりも大切なマックスが殺されてしまう。パティは思わず涙ぐんだ。マックスはパティの顔をベロベロなめて、大丈夫だといってくれている。
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