校外学習
第17話
絶対に同じ班にだけはなりたくなかった。
関わらないようにって思っていたのに。
あのバカ犬はかなりしつこい犬だった。
結局、校外学習は同じ班。
しかも豊田さんと刈谷くんと同じ班。
何てことでしょうか。
こんなチャラついた人たちと同じ班だなんて。
あーもう。
逃げたい。
「春日井さーん。いい加減、コタロウの相手してやってくれないかな?」
校外学習前日。
目の前に座る豊田さんが、顔の前で手を合わせてお願いしてきた。
「ほらほら、後ろ見てよ!あんなに落ち込んでるコタロウ、初めて見るんだって!!」
見なくても分かるよ。
机に深く突っ伏して、モヤモヤと暗いオーラが揺れてる。
学級委員会で集まった次の日、校外学習のグループが決まってからも、犬山くんは私にしつこく喋りかけてきて、うざいのなんのって。
教室にいると後ろの席だし絶対に喋りかけられるから、授業中以外は教室から出て、犬山くんを避けまくった。
全力で犬山くんを避け続けていたら、犬山くんはまるで抜け殻になったかのように、元気がなくなっちゃって。
私のせいだって分かってるんだけど、どうしても関わりたくない。
「春日井さん、俺からも頼む。」
私の右隣で威圧的に言う刈谷くん。
この人、背も高いから怖いんだけど。
私今座ってるから、さらにでかく感じる。
「明日は校外学習なんだし、仲良くしよーよ。ね?」
3人で仲良くしてよ。
私は仲良くするつもりなんてないんだから。
「春日井さん、ほんとお願い!!!!」
そんな、お願いされても。
知らないよ。
犬山くん、校外学習楽しみにしてたし、明日になればきっと元気になってるよ。
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