第6話男子高生バディと公園の怪談
朝、雫がアパートの部屋を出てドアに鍵を掛けていると、よくすれ違いに降りていく女性がいた。
二十台半ばくらいで、肌が白い。化粧っ気はないが地味というより清楚な印象で、亜麻色の綺麗な髪を背中まで下ろしている。小柄で、いつもグレーのビジネススーツを着ている。最近はその上に黒いコートを羽織っていた。
すれ違う度にコロンの匂いがして雫が少し落ち着かない気分になりながら挨拶をすると、いつも笑顔で挨拶を返してくれた。
しかしそれ以上会話するでもなく、つまりたまにすれ違うだけの同じアパートの住民なのだった。
しかしあんな綺麗な若い女性が、なんでこんな古い市営のアパートに住んでいるのか。
女性を見送りながら胸に浮かんできたそんな疑問を、雫は首を振って打ち消した。いらぬ詮索だと思ったからだ。
その女性が、公園で自殺した。
アパートのすぐ横にある小さな公園である。
公園の周りは背の高い木々に囲まれ、いくつか錆びた遊具があるが子供が遊んでいるのを雫は見たことがなかった。
その公園の一際奥まった所にある大きな木の下で、首から血を流して死んでいたらしい。
凶器の包丁はその手に持ったままだった。
場所が場所だけに通り魔の犯行も疑われたが、警察の捜査の結果自殺と判断された。
その話を母親から聞いた時、雫はなんとも言えない気持ちになった。
いつも笑顔で挨拶してくれた、なんでもなさそうな、ただ少し幸薄さが気になると言えば気になった程度の、知り合いとも言えない女性。
死んだんだ。
朝、公園にパトカーや救急車が詰めかけているのを雫は見ていた。そのまま学校に行ったが、思えばあの時あの女性はあそこで死んでいたのだ。
そう考えると雫はなんだか胸に穴が開いたような、なにかがぽっかりと無くなったような気持ちになるのだった。
ただ挨拶するだけ、それだけの間柄。それでも身近な人間が居なくなるというのはなんとなく気が塞ぐものらしい。
小さい頃の事を少し、思い出した。
あの人が居なくなった日々の事を。
*
放課後。
学校のベランダで雫は一人で外の空気を吸っていた。その日何度目かのため息が緩い風に流されていく。その日は日差しが暖かく、ベランダに居てもさほど寒くはなかった。教室内の喧噪が騒がしかったので一人出てきたのだが、外は空が青く、遠くに見える山々を眺めていると不思議と心が落ち着くのを感じた。
「しずく」
後ろの戸が開く気配と共に白眉の声がした。さっきまで他の男子グループとじゃれていて、教室内を喧しくしていた本人だ。
「よう、あいつらどうしたの」
挨拶がてら聞くと白眉は笑った。
「帰った。ゲーセン行くんだって」
「お前は行かないの」
「俺は雫と帰るし。雫の悩みも聞きたいし」
「なんだそれ」
雫はわざととぼけた。いつもより元気がない自分を見抜かれているのは知っていた。
「死後の世界って信じる?」
曖昧な表情のまま横に並んだ白眉に聞いた。白眉はきょとんとした顔で雫の横顔を見て、また目の前の山々に目を戻した。
「……死んだら行くところ、って事?」
「そう。天国とか、地獄とか」
白眉は少し考えて答えた。
「……ある、と思うよ。だって幽霊はいるじゃん?」
「それとこれとは別問題だよ」
雫は答えて教室側に身体を向けた。教室内にはまだ少しの生徒が残って何やら楽しげに喋っているのがガラス越しに見える。
「幽霊は、言わば人間がこの世に残していく残り香みたいなもんで、未練だか執着だかがなくなれば消えると思うんだよな」
そういった雫に、白眉は山の方を見たまま少し考えた。
「消えて、どうなるの?」
「ただ消えるだけ。後には何にも残らない。行く先もない」
即答した雫に、白眉は黙った。
「え、人間は死んだら消えるって事?なにそれ。夢がない」
やおら雫の方に身体ごと向き直るとぶすっとした。その顔を見て雫は少し笑って話を変えた。
「墓参りに、行こうと思うんだ」
「お墓?だれの?」
白眉はまだ少し拗ねた口調で聞く。
「お墓っていうか、殺害現場。いや、自殺の。とにかく、死んだ場所」
一回くらいは、行っておきたいんだ。という雫に、白眉は不思議そうな顔で聞いた。
「だれの?」
「上の階のお姉さん」
ぽかんとした白眉の顔を見て、雫はまた少し笑った。
*
そこは木に囲まれた小さな公園を入り口から入って一番奥まったところにある、錆びた滑り台の横にある大きな木の下だった。
もう警察の捜査は終わったのだろう。事件の痕跡は何もなかった。花の一本も供えられていない張り出した木の根の間に、申し訳程度に緑色の洋画で見るような酒瓶が供えてあった。それでそこがその現場だと分かった。
お姉さんお酒好きだったんだ。
何となく雫は意外に思う。お酒なんて飲まなそうなお姉さんだったのに。もっとも全く関係のない酔っ払いが気まぐれにそこに置いていったものかも知れないが。
雫は来る途中コンビニで買った線香に火を点けると、火が煙になるのを待って木の根に当たらないように地面に置いた。一緒に買ったホットの缶コーヒーを供えて手を合わせる。
辺りは日が暮れて、公園の隅に設置された光量の乏しい電灯が辺りを照らしていた。
酷く寂しい光景だった。
人が死ぬときなんてこんなもんか。
そう思った雫の横に白眉が両膝をついて座った。目を閉じて真剣な顔で手を合わせている。雫も習って目を閉じた。
何を祈るでもない。祈る程の仲でもない。ただその事が何となく悔しかった。
「……自殺だったんだっけ」
通りがかりに白眉が乗りたいと言ったブランコに乗りながら聞いてきた。
「うん、自殺」
同じように雫もブランコに腰掛けて答える。子供の頃に乗ったよりずいぶん小さく感じる。
「なんで死んじゃったんだろうね」
白眉はひとしきりブランコをきぃきぃと鳴らして漕ぐと、しばらくその揺れに身体を任せていた。
ブランコの所からは木の下が良く見える。木の下にはビール瓶と、珈琲缶と、今は灰になった線香がある。闇の中をスポットライトのように電灯がそれらを照らしていた。
なんで死んだんだろう。
分からない。分かるはずがない。分からないのだ。生きている人間には、死んだ人間の理屈は。
あのときも、そうだった。
靴の先を見つめながら雫がそう考えた時、いきなり白眉が言った。
「しずく、見て」
雫は顔を上げて白眉を見た。揺れの止まったブランコに乗っている白眉が木の下を見ている。思わずそちらに視線をやった。
相変わらずの光景だった。何も変わった事はない。しかし白眉はそちらを凝視したままブランコを降りて木の方に向かった。
その取り憑かれたような様子に少し不安に思いながら白眉のあとに続く。白眉は木の前で立ち止まると声を掛けた。
「そこに、いますか」
雫には何も見えない。
「そこに、いるんですよね」
「白眉」
雫は不安になって白眉の服の裾を掴んだ。途端、白眉が息を呑むのが分かった。
「出てきたよ、雫」
雫はそちらを見て、息を呑んだ。
木の下、丁度張り出した木の根の間に挟まるように、その人は座っていた。
その人は俯いていた。
その人は首から血を流していた。
その人は、いつものダークスーツだった。
薄いストッキング越しに投げ出された脚が寒そうだった。
その人は、つと何かに気付いたように血の気の失せた顔を上げた。
その人は、雫を見ると微笑んだ。いつものように。
「幸せですか」
ふいに口をついて出た言葉だった。
「今、あなたは幸せですか」
「雫」
白眉が険しい声で言って雫の服の袖を引いた。雫は歯を食いしばって黙った。
今、あなたは幸せですか。
自分で、死んで、幸せですか。
それは、ずっと雫が抱えて来た問いだった。
女は血を流したままふと空を見て、消えた。
*
二人で無言のまま雫のアパートまで歩いた。階段の下で雫がそれじゃ、と別れようとすると、不意に白眉が雫の手を掴んだ。
雫は立ち止まった。古いアパートの備え付けのちらつく電灯の下、二人は睨み合った。
「なんであんな事聞いたの」
雫は黙って白眉を睨み付けた。分からない。お前には、分からない。
「なんであんな事聞いたの」
白眉は珍しく険しい顔をしていた。
「……僕の兄さん、死んだんだ。僕がまだ小さいとき」
白眉の表情が微かに揺らぐ。そこに叩きつけるように言葉を打ち込んだ。
「自殺だよ。僕の兄さんは、自殺したんだ。だから知りたかったんだよ、今幸せかどうか」
白眉が手を離す。雫は顔を背けて階段を上がった。白眉とは、これきりになるかも知れないと思った。
鍵を開けて、まだ誰も帰って来ていない暗い部屋に入った。
電気を点けないまま自室の畳んである布団に凭れるように座った。
暗い畳を見つめながら思った。
なんで人は勝手に生きて、勝手に死ぬんだろう。
……生き残った者の都合なんか知らないで。
「……くそっ」
雫はまだ肩に掛けたままだった鞄を荒っぽく放り投げた。
*
兄が死んだのは雫がまだ小学生の時、兄が高校二年の冬だった。
歳の離れた兄で、雫が物心ついた時には既に心を病んでいた。人に見えないものが見えると言って、度々家の中で両親に暴力を振るって暴れた。幼かった雫には兄の言うことが殆どなにも分からなかったし、まともに会話をした記憶自体殆どなかった。
だから、死んだ時も悲しいと思わなかった。
いつも家の中で暴れている、知らない他人が死んだとしか思えなかった。
それでも、両親は悲しんだ。酷い悲しみようだった。
雫は両親が何故そこまで嘆くのかわからなかったし、ちっとも悲しいと思えない自分は冷たい人間なのじゃないかと思うようになった。悲しくならない自分が嫌いだった。
だから、知りたかったのだ。自殺した人が死んだ後、幸せなのかどうか。
幸せならば、悲しくなくっても、仕方ないじゃないのか。
この世で生きる事こそが、その人にとってはつらい事だったんじゃないのか。
この世こそが、人を閉じ込める檻であり、そこから抜け出た人たちは幸せなのではないか。
それが、幼い雫の心に刻まれた死生観だった。
「白眉は、そうは思わないだろうな」
暗闇の中で、雫は一人ぽつりと呟いた。
*
学校なんて爆発してなくなってしまえばいいと思うような日でも、朝は来る。
雫は粛々といつものように朝の支度を調えると制服の上にコートを羽織ってアパートの扉を出た。いつもの癖で階段の踊り場からふと下を覗く。見慣れた姿はそこにはなかった。
いつも白眉が先に来る訳ではない。雫が歩き始めてから追いついて来る時もある。しかし今日は白眉がもう先に行ってしまったような気が雫はしていた。
下に降りて一人で歩き出す。空は晴れて、冬らしく空気が澄んでしんとしている。やけに静かだな、と雫は思った。
その時後ろからパタパタと軽快な足音が聞こえた。振り返らなくても分かる、聞き慣れた足音。雫はほっとしたような、なんで来るんだ、という気持ちもするような、複雑な気分で前を向いて歩き続けた。足音が横に並ぶ。
「しずく、おはよ」
「おはよ」
いつものように返したつもりだったが、顔を見ることが出来なかった。白眉もそれ以上何も言わず黙って歩いている。
学校が見えてきた頃、白眉が言った。
「俺考えたんだけど」
「なに」
ついぶっきらぼうな返事になってしまう。白眉にすまないと心の底で思う。
「昨日の話。あれ、別に雫が悪いとか何か問題があるとか、そういうのじゃなくない?」
雫は黙った。そういう考え方はしたことがなかった。
「だから、俺は今まで通り雫と付き合いたいんだけど。もし昨日の事で雫が怒ってるんだったら」
そこで白眉は言葉を切った。雫は思わず白眉の顔を見た。白眉はなんだか照れくさそうに笑っていた。
「仲直りしない?俺、謝るから」
なんでそういう事になるのか。雫はよほどまじまじと白眉の顔を見た。白眉はいよいよ照れくさそうに目を瞬きながらも、目で、どう?と雫に呼びかけて来る。
「……別にお前が悪いんじゃないだろ。僕はただ」
そこまで言いかけて、止めた。自分の兄に対する心情はいちいち説明して聞かせるような事でもない。
「……お前がそれで良いんだったら、いいけど」
我ながらぶっきらぼうな返事だと思う。それでも白眉は嬉しそうに笑った。
「よかったー。じゃ改めて、よろしく」
勝手に雫の手をとって握手するように振る。やめろよ、と思わず笑ってしまいながら雫は一緒に手を振る。
「あ、でも」
白眉は急に真剣な顔になって言った。
「あれはちゃんと謝った方がいいと思う。ほら、上の階のお姉さん。あの質問はないって」
雫は目を伏せた。確かにあれは八つ当たりだった。それをちゃんと言ってくれる白眉はやはり良いやつなのだと思う。
「……謝りに行くか。学校帰りに」
どこか清々しい気分で雫はそう言った。白眉は嬉しそうに笑った。
「じゃ、いこっか。ふたりで。またお線香買って」
「そうだな」
雫は昨日女の人が消える直前に空を見た時の呆けたような表情を思い出した。幽霊に心があったなら、あの時何を思っただろう。
やっぱり、ちゃんと謝ろう。
決意を新たにして、雫は白眉と並んで学校の門を潜った。
*
冬の日が暮れるのは早い。
授業が終わってからコンビニに寄って公園に着くまでに日は暮れて暗い公園内を街灯の頼りない光が照らしていた。
二人で無言で一番奥の大きな木の所まで進む。今日はビール瓶は供えられて居なかった。二人で膝をついて座ると、火を点けたお線香と缶コーヒーをお供えして手を合わせる。
お姉さん昨日の事すみません。
お姉さんが安らかに眠れますように。
それだけ祈って、顔を上げた。今日は昨日のように女の人の姿が浮かび上がることはなかった。
「今日は、お姉さん出てこないね」
「……成仏したんだといいけどな」
そんなことを話していると、ふいに後ろから誰かが来る気配がした。
ざくざくと土を踏んで、大柄な男が近づいてくる。レザーのジャンパーを着て頭を金髪まで行かない茶色に染めた、どちらかというと派手な出で立ちの男だった。
二人は顔を見合わせた。周囲を背の高い木々に囲まれた真っ暗な夜の公園である。どう見ても場違いである。またこういう所でお会いしたい人種の人でもない。
「ひょっとして怒られるかな」
白眉が不安そうに呟いた。怒られるような事はしていないのだが。
男はいかつい顔で雫たちの側まで歩いて来ると、出し抜けに、にこ、と笑った。
「こんばんは。君たちだったの?お供えしてくれてたの」
笑うと意外と笑顔が人なつこい。二十台後半くらいに見えた。
「や、身内も友達も居ないっていってたからさ、誰が供えてんのかと思って」
男は軽い調子で言うと持っていたビニール袋から緑色の小ぶりの酒瓶を取り出して、木の根元に供えるように置いた。軽く手を合わせて立ち上がる。
「これね、ハイネケン。ビール。お姉さんが好きだったやつ」
二人の不審げな様子に答えるように説明する。聞きたいのはそういうことではないのだが。
「……あのう失礼ですけど、お兄さんってお姉さんの」
おずおずと言い出した白眉の顔を見てお兄さんは陽気に笑った。
「俺?俺はね、ただの酒屋のおっちゃん。俺が働いてる酒屋に良く買いに来てたのお姉さん」
二人はなんとなく頷いた。恋人とは親族とかではないのか。
「いっつもハイネケンと生ハム買ってね、これが唯一の楽しみなんです、って言ってた。最近来ないから気になってたらさ、こういうことになってるって、パートのおばちゃんに聞いて。お墓とか知らないからさ、せめてここにと思って」
そこで男は気付いたように、あれ?君らは?と聞いてきたので、雫はただ同じアパートに住んでて、たまに挨拶してただけです、と返した。男はどこか遠い目になって言った。
「じゃあほんとに友達とか居なかったんだろうなぁ。俺もね、名前とか知らないの。たまに店で立ち話するだけ。最後にね、言ってたんだ、飼ってたウサギが死んじゃったんです、って。まぁそれで死んじゃった訳じゃないだろうけどね」
人間なんて何があるか分かんないよね、と話せば人の良さそうな男は、ひとしきり喋ると帰って行った。大柄な後ろ姿が遠ざかって行く。
「……ウサギ飼ってたんだな」
その姿が見えなくなってからぽつりと雫は呟いた。
「……うん」
白眉が返事を返す。
「……ウサギが死んだから、死んじゃったのかな、あの人」
白眉は答えない。返事を探すように俯いて、やがて探す事に諦めたように言った。
「……本人にしか分かんないことって、あるよね」
確かに分からない。本人にしか分からない事。死んでしまった後には、もう誰にもわからなくなってしまった。
やっぱり自分からなんて、死ぬもんじゃない。
雫はそう思った。それは雫の信念と言えるものでもあったが、ここで口に出すのは憚られた。特に白眉の前では。
「……行こうか」
やがて雫は白眉に声をかけると歩き出した。白眉が後に続く。
「……お姉さん天国行ってると良いね」
ぽつりと白眉が言う。雫は思う。確か自殺した魂は地獄に墜ちるのではなかったか。
「……だと良いな」
思いとは違う事を雫は言った。そもそも雫は死後の世界の存在に懐疑的だ。だが今は白眉の気持ちを尊重したかった。
「あー寒い!早く雫のうち行こ」
白眉が空気を変えるように出し抜けに明るい声を出した。
「お前いっつもうち来るよな」
「だって雫のうち落ち着くもん」
「あのぼろ屋のどこがだよ」
「レトロって言ってレトロって」
「あ、どら焼きあるぞ、食うだろ」
「食べるーありがとー」
嬉しそうな白眉の顔を見て思った。やっぱり人間生きてこそだ。生きていれば自分の家で友達とごろごろして、おやつも食べられるのだ。
僕は幸せなのかもな。
くだらないことではしゃいで笑う白眉の横顔を見ながら、雫はふとそんなことを思うのだった。
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