第6話 そもそもの掟
「何とか学園の建設と役者の準備が整いました。」
「一時はどうなるかと思ったが大丈夫そうで安心した。
しかし作者はこの後の展開をどうするつもりなんだ?」
「学園物と並行して冒険物なんて無謀にしか思えません。
というか主人公の最終目的がわからないんですよ。何のために冒険者をしているのか、何のために学園に入学するのかをきちんと書いていただきたい。」
「それもこれもあれがやりたいこれがやりたいとばかり考えてその後の事をろくに考えもしないのが原因何だよな。」
「別に元の世界に戻りたいという事もないですし魔王を倒すというわけでも無い。
そもそも主人公がどういう人物なのかすら分かりません。」
「私もだ。
キャラの待遇や状況ばかりを書いてキャラの心情や行動原理には全くフォーカスを当てない。
おかげでキャラが量産型になってしまうんだ。」
「異世界物の主人公で神経衰弱をしたら何が
ペアなのか分からなくなりそうですね。
大体黒髪の童顔なので。」
「おんなじ様な内容の異世界物が蔓延っているよな。」
「ええ、
異世界物が流行り出してから皆んなおんなじ様な異世界物を書くようになりました。
転生してチートスキルを貰って無双。
こんな内容を何回見たことでしょう。
テンプレばかりでオリジナリティが皆無なんです。」
「全くだ。
大きな砂糖の塊が見つかったら皆んながそこに行く。
しかし先に来た者や体の大きいものが沢山取って行き、
後から来た体の小さい物はろくに貰えない。
だが誰も新しい塊を見つけようとはしないんだ。」
「冷静に考えて恐ろしいことです。
私はぜひ異世界物を書いている人に聞きたいんですよ。
「貴方の作品にしかないものは何ですか?」
とね。」
「やめておけ。
どうせ誰も何も言わないさ。
わからないんだ。自分の作品の事が。
何故なら書いているのは誰かの下位互換だからな。」
「最近は令嬢物も流行ってきていますよね。
あれも皆んなが大量に書いたせいでパンクしかけてますよ。」
「需要が供給に追いついてないんだがな。
何で違う物を書こうとしないんだか。」
「いつの時代もそうですよ。
誰かが飛び込まないと自分は飛び込めないんです。」
「嘆かわしいことだ。」
「それはそうと主人公がドラゴンを倒しました。」
「早いな。」
「ドラゴンの小道具を作るのは大変でしたよ。
なのに一瞬で出番は終了になりました。」
「まあ主人公の強さを示すための舞台装置にしかすぎないからな仕方ない。」
「それでそれが騎士団長の目に止まって王様に謁見するという流れになりました。
明日主人公がここに来ます。」
「はあ、億劫だ。」
「まあ、適当に驚きつつお膳立てしておけば良いでしょう。」
「演技の練習しておくか…。」
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