第5話 ハーレムと展開の掟
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王宮
「王様、先程主人公が冒険者ギルドでチンピラを倒しました。」
「そうか。チンピラ役の演者にはしっかり報酬を与えておくんだぞ。」
「やはりプロの演者は違いますね。
主人公が呪文を呟きながら拳を振るった時に
ドンピシャなタイミングで倒れていきましたよ。
演技が上手過ぎて見てるこちらが心配するほどでした。」
「主人公が冒険者ギルドに行くとチンピラに絡まれるというお決まりの展開をきちんと演出でにて良かったな。」
「ええ、しかし何でチンピラに絡まれるのが
お決まりの展開何でしょうか。」
「自分を見下しているやつをそいつより強い力で圧倒する。
常日頃自分より上の奴を見てはため息をついている連中を見てからすれば切望の展開だろう。」
「何だか悲しいですね。」
「そうだな。
それとヒロインに出会うという展開もやった
んじゃなかったか?」
「はい。
国で1番演技の上手い女演者をあてがいました。
おかげでギャラがかさんでしまいましたよ。」
「仕方がないだろうな。
主人公の言動を全て完璧にお膳立てをする演技をするのは並大抵の者には出来ないことだ。
ベッドシーンは?」
「一応女演者には良い感じに断るよう言っておきました。
しかし主人公の性格的から予想すると
多分関係を持ちたいと思っていると思います。
そもそもヒロインとの出会いも街中でナンパ
という物ですからね。」
「異世界転生物の主人公はやたらと押しが
強いんだよな。
そういう奴に限って転生前は人見知りだったりする。
不思議な話だ。」
「まあ転生を経て顔が変わっていますからね。自身が付いたんでしょう。」
「何で顔が変わるんだか?」
「そんなの鏡を見てはため息をついている作者の願望ですよ。」
「何だか悲しいな。」
「まあこれで主人公はヒロインを侍らせながら
冒険者をやるでしょう。
演者に魔物の仮装をさせて倒れるふりをしてもらえば、主人公が魔物を倒すというストーリーになりますよ。」
「ふう、ひと段落だな。」
「うん?」
「どうかしたか?」
「いや作者が、」
「作者がどうかしたのか?」
「作者がこのままだと今までの展開と同じに
なってしまうから魔法学園物もやるそうです。」
「な、何だって?
冗談じゃない。冒険物はどうするんだ?」
「ですから学園物と並行という形に、」
「ふざけるな。
この世界に魔法なんて無いのに魔法学園物
なんて出来る訳が無いだろう。」
「しかしやるしかありません。
作者がもうすでに学園物もやると読者に通告
してしまいました。」
「くぅ、やるしか無いのか。
あのボンクラめ。
こんな行き合ったりばったりの展開、
この後どうするつもりなんだ?」
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