第2話 交渉
「仕方がない、交渉するか」
「王も多大な費用をかけて呼んだ者達ですから、余り軽率な事はなさらずにお願いします」
宰相、そう思うなら衛兵けしかける前に王を止めろよ。
あれか? 力で屈服できると思ったか? それが難しいから路線変更したか?
「とりあえず、そこの女性に干渉するな! まずはそこからだ!」
「そちらの女性は聖女なので、全く干渉しないという訳にはいかない」
俺の時わからないって言ったのに、なんで聖女って知ってるんだよってツッコミ入れたいが話が逸れるから無視して進めよう。
「分かった、言い方を変えよう。
ちーちゃんを口説くとか、権力で自分のものにするとか、無理矢理犯すなど、嫌な思いをさせた奴またはそれに加担、味方した奴らは俺が殺しても一切罪に問わないって約束しろ」
「それは相手が誰であってもか?」
「もう端的に言うわ、あの王が今度同じことを言い出したら殺す! それを邪魔する奴も殺す! それに文句言うな」
「はぁぁぁぁ、王よろしいですな?」
「う、うむ」
「あ、王じゃないから大丈夫とか無しな」
「分かっておる!」
「それで? 俺たちに何して欲しいんだ?」
「神くん、口調戻ってるよ」
「あ、ごめん……今のは……」
「大丈夫、さっき私のお願い聞いてくれたから、今からちゃんとしてくれればセーフ」
そのセーフの仕草可愛いなぁ。
一生見てられる。
「話を戻しましょうか、俺たちは何をすれば良いですか?」
「前線に兵が行ってるせいで国内の治安が悪化してきていてな。
まずはそれを安定するのに従事してもらいたい」
「それは良いとして、俺たちに装備は支給してもらえますよね?
あと、こちらで活動する衣食住とある程度の給金は保証してもらえますか?」
「それは問題ないが、お前は戦闘に関するスキルは持っていなかったよな?」
「あーそれといい加減、お前呼ばわり止めてもらえますか? 見下してるのは理解してますが、それを隠そうともしない態度に殺意を覚える程度には腹が立ちます」
「……気をつけよう」
「戦闘に関するスキルは持ってないですね。
先ほどの近衛兵の方々との戦闘も単純な身体能力だけで勝ちました」
「まずは訓練に参加して最低限のスキルを覚えてもらう」
「分かりました。
それで彼女の扱いは?」
「聖女として神殿に行ってもらう」
「住む場所はどうなりますか?」
「無論、別々だな」
「……なんとかなりませんか?」
「結婚してない若い男女が同じ部屋で住むのは、少なくてもこの国では不可能だぞ」
薄々覚悟はしてたけど、やっぱり無理かぁ。
「神くんに会えないの寂しい」
「毎日会いに行くから! ちーちゃんに寂しい思いなんてさせないよ」
「嬉しい! でも、無理しないでね」
「うん、無理しないよ! 大丈夫!」
ー訓練所ー
思った通り、近衛兵と一緒に訓練だよ。
全員俺がボコった奴らだ。
「よう、まずは防御のスキルを覚えるのがここの決まりだ。
基本技のパリィを教えるから覚えろ」
「分かったどうすれば良い?」
「簡単だ、攻撃するから身体で覚えろ」
「あぁ、そういう事か」
「おうりゃ! 『パワースイング』」
「ブフォッ」
『パワースイングを刻みました』
いきなり、スキル使って来やがった。
俺の『銘肌鏤骨』は喰らったスキルを習得するスキルだ。
文字通り体に刻み込む。
「全然覚えられそうにないんで、お手本見せてくださいよ!」
口に入った土だかゴミだか分からない物をペッと吐き出して、いま攻撃して来た奴に思いっきり切り掛かった。
「『パワースイング』おりゃ!」
おー壁まで飛んでったわ。
「テメェこの!『パワースイング』」
同じ技受けても意味ないしな。
避けるわ。
「避けてんじゃねぇよ!」
「その技はもう見た。 他ので来いよ!」
軽く挑発してみる。
「この野郎! 『スラッシュ』」
「ゴフッ『スラッシュ』」
次!
「オリャァ! 『インパクトゲイザー』」
「ンガァ! 『インパクトゲイザー』」
『フェイント』『フルスイング』『スマッシュ』『ウェポンブレイク』『スラスト』
やり過ぎだろうお前ら……。
全部返したらぁ!
「ゼェゼェ、ハァハァ、パリィ……覚えたぞ……」
誰も聞いてねぇか。
死屍累々だもんな。
くっそーもう暗くなってきてるじゃねぇか!
イッテェ
「ちーちゃん! ちーちゃん! 会いに来たよ」
部屋ここであってるよな。
「うわ! どうしたの!」
「訓練、終わったから……会いに来た」
「もおぉ、私に会いに来るのと自分の身体、どっちが大切なの?」
「もちろん、ちーちゃんさ」
「……バカ、もっと自分の身体も大切にして『ヒール』」
「ハハッ、ちーちゃんにキスして貰うとヒールの効果が倍増するね」
「キスして欲しいからってわざとに怪我しちゃダメだぞ」
「……前向きに善処します」
【後書き】
お読み頂き、ありがとうございます。
この作品はカクヨムコン参加作品です。
カクヨムコンは星の獲得が非常に重要になりますので、少しでも入れて頂ければ作者は泣いて喜びます。
長編も書いているので良ければ見てください!
https://kakuyomu.jp/works/16818093081579462826
この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と少しでも思ってくださった方は↓の『☆☆☆』を『★★★』に評価して下さると本当に助かります。
よろしくお願いします。
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