1412 浮かれポンチ(笑)

 親父さんを説得した上で、沙那ちゃんも納得してくれ。

倉津君の念願であった『沙那ちゃんを学校に通わせる下準備』が完成した!!


そこで感極まった倉津君は……


***


「あっ、ありがとうございます!!」

「へっ?」

「俺みたいな糞ヤクザの息子を、こうやって少しでお信じてくれて、本当にありがとうございます!!俺、俺、絶対に沙那ちゃんの事を守ってみせますから、是非、宜しくお願いします!!」

「……倉津さん。アナタって人は……」


なんッスか?

その少し呆れた様な目を俺に向けてるのは、なんッスか?

ひょっとして、トンデモナイ馬鹿だと思ってるんッスか?


まぁ、それはそれで完璧な程に正解なんッスけどね。


けど、そんなアホでも。

アホはアホなりに、必ず沙那ちゃんの事は守ってみせますし、親父さんの帰って来るべき場所も、ちゃんとキープしてみせますよ。


それぐらいは、必ずやってみせますから。

い~~や!!やってみせます、じゃなくて、絶対に、やり遂げますから!!


……ってな訳なんで。

橘親子の更なる信頼を獲得する為にも、即座に行動開始じゃあぁ~~~!!


気が変わらない内に、全部綺麗に片づけてやる!!

(↑実は、少しでも拒絶される事にビビってるだけの俺)



「あぁ、じゃあ、膳は急げッスね。このまま俺は、早速、親父に掛け合って来るッスね」

「へっ?……あぁいや、あの、倉津さん」

「あぁ大丈夫ッス、大丈夫ッス。何も心配しなくて良いッスよ。全部俺に任せといて下さい」

「いえ、そうじゃなくてですね」


へっ?今度はなんッスかね?

なんでそんな風に、俺の行動を阻害しようとするんッスか?

まさかとは思いますが、此処に来てダメ出しとかするつもりじゃないッスよね?


お願いッスから、俺のあまりの行動のキモさに、突然『嫌気が刺した』とか言い出さないで下さいよ。


流石にそれは、俺みたいな生き物でも凹みますよ。



「はっ、はぁ。なんッスかね?なにか問題でも?」

「いえ、引っ越しの手続きは、無名さんのライブを見てからでも遅くはないんじゃないでしょうか?そこまで慌てなくても……」


( ゚д゚)ハッ!


でっ……ですな。

ついつい、あまりの嬉しさに浮かれてしまいましたわ。


まぁでも、嫌に成ったのでなかったので良かった、良かった。



「そっ……そうッスね」

「ふふふ、おにぃちゃん、慌て者だね」

「面目ない」


沙那ちゃんにまで言われてしまった……


本当に、これは面目ないな。


けど、あれだな。

此処まで順調に話が進んだのなら、明日の予定ぐらいは考えて置かなきゃな。


なので明日は、早速、学校を休んで、沙那ちゃんと、親父さんの新しい住処に成る家を大掃除をしなきゃな。

引っ越しできる環境を、早く整えるに越した事は無いし、まずは此処が出来てなきゃ、なにも話が始まらねぇしな。


……っで、それにそうなると当然。

住民票の移籍手続きをしなきゃ沙那ちゃんが学校にも行けないから、午前中にでも市役所にも行って、この手続きもしてこなきゃいけねぇわな。


それにそれに、沙那ちゃんに勉強も教えてあげなくちゃいけないよな。

今の全く勉強が解らない状態のまま、いきなり学校に通わせる訳にもいかねぇだろうしな。


あぁ、あと、あと。

今までの放浪生活とは環境が変わるだけに、生活用品なんかも別口で必要に成るだろうから、沙那ちゃんが少しでも不自由がしない様に、何から何までキッチリと揃えて置かなきゃいけねぇよな。


おぉ、そう言えば、あれだ。

初めて学校に行く訳だから、入学式バリにオシャレな格好で沙那ちゃんを初登校させてやんないとな。

此処は同級生に良い印象を与える為にも、絶対的に必須。

なら、これに関しては、日用品を買いに行く時でも、沙那ちゃんを同行させて沢山の服を買ってあげよう。


初日だけ綺麗にするのではなく。

常日頃から沙那ちゃんには、同級生の羨望の眼差しが集まるぐらいにしておいてあげたいしな。


あぁそんで最後に成ったが。

家の改装についての相談をする為にも数人に電話もしなくちゃいけねぇな。

家の掃除に関しては俺でも出来るかもだが、リフォームや改装しなきゃいけないとなると、必ずしもプロの目線が必要に成って来るだろうしな。


『転ばぬ先の杖』って奴だな。


あぁだったら、あれだな。

後で家を見て貰う為にも、ますは今絶賛ライブ中の山中にもメールだけは入れとこ。

アイツん家『土建屋』だから、アイツに見て貰えば、見積もりも『無料でして貰える』だろうしな。


此処はリフォーム代の経費の削減っと言う事で。


……しかしまぁ、なんだな。

なんかそう考えると、引越し1つで、明日は思ってた以上にやる事が満載にあるもんなんだな。

恐らくは、これ以外にもやる事はいっぱいにあるだろうし。


こりゃあ明日も、今日以上に大変な1日になりそうだ。


・・・・・・


(´Д`)ハァ……ったくよぉ。

こんな時に眞子が居てくれりゃあ、ちょっとはやる事も省けたってもんなのになぁ。


ホント、あの馬鹿だけは、余計な真似をしてくれたもんだよ。


まぁ、コチラから縁を切った人間の事を、今更とやかく言っても始まらねぇか。


こりゃあもぉ、1人でシコシコとガンバるしかねぇわな。


・・・・・・


( ゚д゚)ハッ!

シコシコと言ってもオナニーを頑張るんじゃねぇからな!!


そこだけは絶対に勘違いすんなよ!!


明日は、そんな事をしてる暇なんか微塵もねぇんだからな!!


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


アホが、完全に浮かれてますね(笑)


まぁでも、そうやって浮かれてるとは言え。

自分が出来る事を必死にやろうとしてる姿勢は悪くないと思います。


自身の思いを形にしようとしないと。

どれだけ交渉が上手く行っても、全部が全部水泡に帰してしまう可能性もある訳ですし。

なにより、時間が掛かれば掛かる程、信頼関係に揺らぎが生じる可能性も出てくる訳ですからね。


リアルで皆さんも、契約や約束をした際に、相手の動きが遅いと徐々に信頼出来なくなってくるって経験をした事があると思いますし(笑)


さてさて、そんな中。

これで一旦は、引っ越しの話も決着が付きましたので。

次回は、無名のライブが、どの様な感じで行われていたかを書いて行きたいと思いますので。


良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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