1387 話を聞いて欲しいなら、条件だ

 奈緒さんと崇秀の性行問題。

崇秀は、いつも通り、自分に罪を被せて、その場を収めようとするが……これで、倉津君の怒りは鎮められるのか?


***


「だからよぉ……」

「……なんて、言うとでも思ったのか、この薄らボケ?俺が、テメェの事を糞気持ち悪いと思って当然だろ。厚かましい事ぬかしてんじゃねぇぞ?」


なにを甘えた事を考えてやがんだ、テメェ?


人の女に手を出して置いて『俺が悪い』だと……そんなの当たり前じゃねぇか。


なのに、それで事を収めようなんざ論外。

幾ら俺が馬鹿だからって、厚かましい事を考えてんじゃねぇぞ!!


つぅかよぉ。

テメェが、こんなツマラネェ真似をしなきゃ、こんな最低最悪な事態には成らなかったのによぉ。


しかも、自分の責任だって事は、完全に浮気を認めたって事だよな。


なら、もぉ容赦はいらねぇな。


「それによぉ。さっきから聞いてりゃあ、なんなんだよ、その態度は?豪く横柄な態度で接してくるじゃねぇかよ。オマエさぁ、自分の立場ってもんが解ってて物を言ってる訳?当事者は、もっと頭を下げて謝るもんだろうが!!この糞ボケがぁ!!」

「ぐふっ」


そうだ、それで良いんだよ。

一発殴られただけで地べたを這い蹲るなんて、間男にはピッタリな格好じゃねぇかよ。


堂に入ってて、お似合いだぞ色男。



「オラ。早く謝れよ。謝罪をするならするで、ちゃんと謝罪しろよ。オラ、オラ、オラよ」

「グフッ!!グフッ!!グフッ!!……すま……」

「オラ!!早く謝れや!!どうしたオラ!!口がねぇのかよオラ!!謝罪もロクに出来ねぇのかオラ!!そんな奴が、なに晒してくれとんじゃオラ!!」

「がっ……あぁあっ……すみま……」

「そんな小さな声じゃあ、なにも聞こえねぇんだよオラ!!ちゃんと喋れやオラ!!ちゃんと『ごめんなさい倉津さん』って言ってみせろやオラ!!どうしたオラ!!黙ってちゃ、わかんねぇだろうがオラ!!言えたら、許してやっても良いぞ。ほらほら、早く言ってみろってのオラ!!」

「あっ……あっ……ごめん……な……さい……倉……」

「なぁ~~~んちゃってな。そんなもん冗談に決まってんだろ。ただ、言ってみただけだ。そんな謝罪如きで許す訳ねぇだろが!!」

「うぁ……あっ……津さ……ん……許……して……」

「アホかテメェは?謝罪しても許さ訳ねぇつってんだろ。……ペッ!!」


そのまま死んどけカス。

テメェの戯言なんぞに、誰が耳を傾けるもんかよ。


この状況下で、話を聞いて貰えると思ってるオマエ……頭おかしいんじゃねぇの?



「ひっ、酷いよ。……なんで、なんで無抵抗の相手に、此処まで……崇秀さんは、なにも悪くないのに……」

「悪くねぇんだ?あんな事をしでかして置いて、この色男は悪くねぇんだ……まぁ、オマエみたいな、姉が浮気してても笑ってられる様な、ぶっ壊れた奴にしたら、こんなもん日常茶飯事なんだろうけどな。俺にとっちゃあ悪いんだから、しょうがねぇんじゃねぇの?」

「なにも事情も知らないクセに……私のせいなのに……」

「あぁッそ。また仲良し子吉の庇い合いか。そりゃあまた結構なこったな。けどな。オマエに事情が有ろうが、無かろうが、そんなもの俺には関係ねぇんだよ。知ったこっちゃねぇんだよ」

「なんで!!なんでよ!!本当に私のせいで、こうなったんだから!!」


あぁっそ、そりゃあまたよござんしたね。


だが、そんな与太話にゃ全く持って興味が持てねぇな。

どうせ話を聞いた所で、聞くに堪えない様な与太話か、戯言の第二弾を聞かされるだけなんだろ。


そんなお笑い芸を見る心境じゃねぇんだよ。


つぅか、そんなに人を笑わせたいなら、高校に行くのを辞めて『吉本』に就職しろ。



「だ・か・ら、そんな事情は知ったこっちゃねぇつぅってんだろ。俺には、誰に何を言われても、そこの淫売と、そこで寝転がってる色男が、俺を馬鹿にしながらHした事実しかねぇんだからよ。それを笑って言える様な、頭のおかしいオマエ等とは感覚が違うんだよ」

「でも、ちゃんと聞かないと、解らないかも知れないじゃない。誤解かも知れないじゃない」


うぜぇ!!

もぉいい加減、吐き気がする程『ウゼェ』


不愉快、此処に極まりだな。


なにが『聞かないと解らないかもしれない』だ。

なにが『誤解かも知れない』だ。


あんなにハッキリと自分の口で言ってたクセに、良くもまぁ、そんな厚かましい事が言えたもんだな。


オマエの脳味噌は、一体どうなってるんだ?

勉強のし過ぎで、頭がクルクルパァ~~~になってるんじゃねぇの?



「あぁっそ。じゃあ、そこまで言うなら、その話とやらを聞いてやるよ」

「ほっ、ほんと?ちゃんと、私の話を聞いてくれるの?」

「あぁ、聞いてやるよ。但しな。そこの淫売と、色男が、此処で、もう一回SEXするのを見ても、オマエが何も感じないって言うなら話を聞いてやる。それが最低限の条件だ」

「へっ?」

「……俺と同じ境遇で、今のオマエが、笑いながら同じ事を言えなきゃ、話にならねぇからな」


過去に2人が性行為を行った際。

コイツと、この色男が付き合ってたのか、どうかまでは解らないが。


今、この糞色男に、べったりなコイツが。

それを目の前でやられても、俺に同じ事が言えるなら、話を聞く道理に説明が付く。


コイツの言ってる事は、そう言う事だからな。


だがな。

もしその光景から目を叛けたり、泣き出したりしたら、それは道理が通らない。


今の俺と同じ様な気持ちになってるなら、それを言える立場に無いからな。



なのでまぁ、此処は1つ頑張って、俺に話を聞いて貰う為にも冷酷に成ってくれや。


それが出来なきゃ、俺は一切、オマエの話は聞かねぇからな。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


崇秀が行った『自分の責任にする』っと言う行為。

一見すれば、罪を認める潔い行為に見えますが、これは珍しくも完全に【悪手】でしたね。


所謂、火に油を注いだ状態。


まぁ、この場で言い訳するのが正しい行為とまでは言いませんが。

倉津君の性格上、これだけ事実を突き付けられていても、まだ何処か「ひょっとしたら、自分の勘違いかしれない」っと思ってる節がある筈なので、誤魔化し切れなくはなかった筈ですし。


ですが、それを『自分の責任だ』と完全に認めてしまえば、その想いすら消し飛んでしまいますからね。


っで、眞子に出した条件に関しましては。

これは倉津君の言う事が正しいと思われます。


同じ条件下で、同じ事を言えるのであれば、それは道理が通っていますが。

人には話を聞け、っと言って置いて、自分がその立場に成ったら、話なんか聞けない、では、まさに話になりませんからね。


さてさて、そうやって更なる修羅場を迎えた訳なのですが。


眞子は、この条件をクリアする事が出来るのか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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