1385 真実を話せないだけに、更なる混沌へ

 裏切りに対する倉津君の行動は?


***


 俺がアイツを店内で殴ってしまったが故に、ザワザワと喧騒とした雰囲気に成ってしまった。


奴は、それを制する様に立ち上がり。

殴られた頬の辺りを摩りながら、コチラに目をやる。


なんだよ?文句でもあんのかよ?



「……痛ぇ~~~な」

「あぁ?なにが『痛ぇな』だ?そりゃあ殴られりゃあ、誰だって痛ぇのは当たり前だ」

「いや、まぁ、そりゃあ原理的に言やぁ、そうだろうがよぉ。なんでイキナリ、俺は、オマエに殴られなきゃいけねぇんだよ?」

「ふざけんなよ、崇秀!!テメェ、自分のやった事の区別も、まだつかねぇのかよ!!……ハァ、つぅか、オマエ、飛んだ糞ボケ野郎だな。呆れてものも言えねぇやな」


比較的冷静だった。

コイツを殴るまでは、かなり怒りの感情に支配されていた部分があったのだが。

殴ってさえしまえば、後は、もぉ……どうでも良かった。


逆に言えば、コイツとの縁も、これでお仕舞い。

もぉ金輪際、深く関わる必要性なんてものは何所にもないんだからな。


今と成っては、殴るのさえ……いや、触るのさえ、汚らわしい存在でしかないしな。


だから、もぉこれで最後だ。

あの女と肉体関係を持ったオマエとは、もぉこれで仕舞いだ。


一生関わる事はねぇから、これでチャラにしてやる。



「待てよ。オマエ、なんの話をしているんだ?」

「皆さん、すみません。大変、お騒がせしました。話はついたんで、お騒がせした事を深くお詫びします。どうか、ご容赦下さい」

「なっ!!」


俺は、アイツの意見を無視して、深々と店に来られてるお客さんとSTAFFの皆さんに頭を下げた。

なんと言っても、此処に来られてるお客さんやSTAFFの皆さんには、俺と、コイツとの関係には、一切合切関係ないからな。


一時の感情に任せて、店内で糞ボケを殴っちまったが。

ヤクザ者が、素人さんに迷惑を掛けたんじゃ、お天道様に顔向け出来ねぇ。


ならば、此処は謝罪を済ませてから、サッサと此処を去るのが筋ってもんだろ。


まぁそう言う訳だからよぉ。


じゃあな……アバヨ。


俺は、もう1度、店内に居るお客に向って『失礼しました』っと言葉を添えた上で、深々と頭を下げて店を出て行く。


後は、路地に停めたチャリに乗って家に帰るだけだ。


もぉ此処には、なんの用もねぇ。

2度とオマエに逢う事もねぇだろうしな。


***


 店を出て、路地に停めたチャリに跨って家に帰ろうとしたら……



「ちょっと待てって、倉津!!」


そう言って奴は、俺の肩に手を掛けて、動きを制しようとするんだが……


……触んな。

人の彼女に手を出した汚らわしい手で、気安く俺に触ってんじゃねぇよ。


そんな風に嫌悪感が走ったので、奴の手を「パシッ」っと弾きながら……



「なんだよ?ひょっとして迷惑料の請求か?……それなら全額組の方に廻しとけ。オマエの言い分で払ってやるからよぉ。……但し、それが終わったら、2度と俺の前に面出すなな」

「待てよ!!金なんてイラネェよ!!なにが、どうなってるのか説明しろよ!!」

「あぁッそ。金がイラネェんなら、この場から二度と俺と顔を突き合わすな。……あぁそれとな。あの馬鹿女共2匹にも同じ事を言って置け。アイツ等にも、二度と俺の前に面を出すなってな」

「オイ……それって、まさかオマエ」


早くもなにかに気付きやがったか。


流石……エスパーの上に天才だな。


少しは自分の置かれてる立場が理解出来て良かったな。


オメデトウサン。



「あぁ、お察しの通りだよ。テメェの彼女を、幼馴染モドキに寝盗られた間抜けな男は、SEX好きの元彼女とは面を合わし難いんだよ。だから悪いけどなぁ、色男。オマエの口から直接こう伝えといてくれや。『このクソ淫売、俺の前に二度と面を出すんじゃねぇぞ!!』ってな」

「ちょっと待ってくれ!!違ぇよ!!向井さんは、そんな奴じゃねぇってよ!!」

「おぉ、おぉ、なんだよ、なんだよ?やけに仲が良いんだな、色男。……だったら、仲良く3Pでも、なんでもしてくればぁ。オマエのチンコが欲しくて、欲しくて、部屋で待ち侘びてるんじゃねぇの」


勝手にしてくれ。

もぉ俺は、オマエ等とは一切合切関わりたくねぇんだよ。

だからこれからは、あの女が提唱してた様に『仲良く3人』で、3Pでも4Pでも5Pでも6Pでも、あの女が欲しがるまま、好きだけチンコでもしゃぶらせてやってくれ。


どうぅ~~~ぞ、御自由に。


頭のおかしい同士、褥にでもなんでも狂ってくれ。



「オマエなぁ。自分の彼女を、そんな風に疑うって言うのかよ?」

「疑うもなにも、本人の口から、そう楽しそうに話してたんだから、こんなもん、どうやっても疑うしかねぇだろが。この状況で、それ以外で、どうしろってんだ?馬鹿じゃねぇの、オマエ?」

「なっ!!」

「よぉ、よぉ、気持ち良かったか、色男?人の彼女に手ぇ出して、そりゃあ、さぞかし気持ち良かっただろうなぁ。しかも、姉妹纏めて自分のものってか?……オマエさぁ、人、おちょくるのも大概にしろよな」

「・・・・・・」

「認めたな。沈黙は認めたも同然だったよな。確かオマエが、そう言ってたんだから間違いないよなぁ?……天才色男さんよぉ」


自爆してりゃあ世話ねぇな。


まぁ、そう言う事だからよぉ。

俺がオマエ等に干渉するのも、此処までだ。


これからも3人でお幸せにな……色ボケのイカレ頭共。



「……クラ」

「なっ、なに?どっ、どうしたの、真琴ちゃん?」


面倒臭ぇなぁ。

人が干渉したくねぇって言ってるのに、此処に来て、またややこしいのが2匹も来やがった。


けど、そんな事は知ったこっちゃねぇ。

俺自身がコイツ等に干渉する気がねぇんだから、コイツ等の言い分を俺が聞く義務なんてものは何処にもないんだからな。


なのでゴチャゴチャ言われる前に、無視して帰ろうっと……


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


此処まで全て読んで下さってる方には、ご理解頂けてる話だとは思うのですが。

シーズン17から読んだ方には、サッパリ意味が解らないと思いますので、少しだけその辺を補完させて頂きますと。


これはTSした際に眞子が「奈緒さんの幸せを考えた」上での話でして。

女性に成ってしまった自分では、奈緒さんを幸せには出来ないと判断し『奈緒さんが崇秀と結ばれる』事を望んだ結果。

『一度だけ奈緒さんと崇秀が結ばれた事がある』って言う事象があったんですね。


まぁ、此処での細かい経緯は、かなり複雑な思考が入り混じっていたので、敢えて省きますが、そういった事実があった訳です。


……っで、前回のシーズン16で、奈緒さんと眞子が眞子の自室で無警戒にその話をしてしまい。

それを偶然にも聞いてしまった倉津君が怒り狂ってる……っと言う状態な訳ですね。


まぁ早い話、眞子自身が元々は倉津君だった為に、これはある意味『倉津君の誤解』っと言う訳でもあります。


ですが、その事実を知らない倉津君にしたら、もぅどうしていいか解らない状態に成っており。

そして、その事実(眞子が倉津君だった事)を話せない以上、沈黙してしまった状態に成ってる訳でもあります。


さてさて、そんな中。

崇秀を論破しきった倉津君の元に、今、一番会いたくない奈緒さんと眞子が駆けつけてしまいました。


どうなるんでしょうか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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