最後まで奏でられなかった音楽(シーズン17)
殴り書き書店
1384 未練を残さない為にも……
第一章・第八十四話【Lost heart(失われた心)】が始まるよぉ~~~♪
(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
084【Lost heart(失われた心)】
『裏切りやがったなぁ!!こんな……こんな、最悪な形で、よくも裏切りやがったな!!』
『ガンガラガッシャ~~ン!!』
『『『『『きゃああぁぁあぁ~~~!!』』』』』
店内に広がる女性数人の大きな悲鳴。
俺が怒りの感情と、冷静な感情の狭間に立ちながら殴った男は、大量に鋏を載せたカートにぶち当たり。
凄まじい音を立てながら、壁に向って吹き飛んで行った。
本当なら、こんな真似は出来れば一生したくなかった。
けど、コイツは……人として、絶対に踏み外しちゃいけない道を、平然と踏み外してきやがった。
だから、こうなってしまっても仕方が無いと思える。
でも、なんで、こんな事に成っちまったんだろうな?
オマエが、あんなクダラネェ真似さえしなければ。
いつまでも楽しく。
あの女の考えてた『4人で仲良くやって行こうね』を実現し続け。
平穏な日々が送れていた筈なのによぉ……
それなのに……なんて事をしてくれやがったんだ。
***
順風満帆だった。
そう……11月にマサチューセッツにある、とある病院で昏睡から覚め。
日本に帰国してからの俺は、なにもかもが満たされた順風満帆な生活を送っている筈だった。
その間、多少のゴタゴタした問題は有ったにせよ、楽しく毎日を送れていた。
この幸福は、俺にとっては何物にも変えがたい宝物だった。
……なのによぉ。
此処に来て、突然の、この仕打ちはなんなんだ?
なんの恨みがあって、俺が、こんな訳の解らない様な酷い目に遭わなきゃいけないんだ?
そりゃあ、確かに俺はな。
常に人から後ろ指を指される様な人間で、クズみたいな人生を送って来た奴だったのは間違いない。
『喧嘩』『恐喝』『窃盗』『強請り』『集り(たかり)』を飽きる事無く毎日の様に繰り返し。
人様に迷惑ばかり掛け。
警察にも、何度となくお世話に成ってきた正真正銘、札付きのクズだったのだから。
なので、多少の酷い目に遭う事は黙認すべきだと思う。
……でもよぉ。
そんなクズみたいな俺でもよぉ。
あの女に出逢ってからは、俺は、俺也に変わろうとして努力してきたつもりだ。
『喧嘩』は必要な時以外はしなくなったし。
『恐喝』『窃盗』『強請りに集り』なんかに関しては、あの女に出逢ってから1度たりともやっちゃいない。
それに、あの女が学校に行けって言うから、行きたくもなかったツマラナイ学校にも出来るだけ行く様にもしたし、世界一大嫌いな勉強ですら少しはする様になった。
これを世間一般での認識では、当たり前の事と言えば、極当たり前の事なのかもしれないが……それはどこまで行っても、極普通の一般的な学生の話。
ヤクザ者の俺にとっては、こんな日常的な生活ですら必死にならなきゃ出来無い程の本物のボンクラだったからな。
けど、罷り也にも、それ等全てを卒なくこなす様にはしてきたつもりだ。
それに俺は。
どうしても……どうしても、あの女に、自分の事を好きに成って欲しかったから、なにも解らない『ベース』と言う楽器も手にして必死に練習した。
血豆が出来ては潰れ。
手が血だらけに成っても練習を止めなかったぐらいに練習した。
そうやっている内に、徐々に、あの女との距離も縮まっていき、付き合い始め。
色々なハプニングが有りながらも、お互いの信頼を深め合って来た。
……の筈だったのに。
俺は心から、そう信じていたんだが……
あの女は、事もあろうか、俺が昏睡してる間に、俺の幼馴染であるあの糞野郎と肉体関係を持ちやがった。
信じられねぇ。
これだけは、どうあっても許せねぇ!!
そりゃあ、なにかの理由があったのかも知れない。
性的な欲求が、自分自身では抑えられなかったのかも知れない。
若しくは、俺が昏睡してしまったが為に、不安から逃れる為に、そうしてしまったのかもしれない。
けど……俺にとって、それだけは。
それだけは、なにがあっても、なにを言われても許せない行為だ。
しかもなんで、敢えて100%揉め事に成る、アイツを選んだんだよ?
しかも、それだけでも大概なのに、あの女は『それ』を反省する様子もなく。
数多も、平然とした顔をして、俺の馬鹿な女姉弟と笑いながら歓談してやがった。
本当に、これだけは訳が分からない。
なんでなんだよ?
なんで、そんなふしだらな行為を、笑いながら歓談なんて出来るんだ?
歓談してたって事は、自分のやった事が悪い事だとすら認識出来ないのか?
女って言うのは、そう言う生き物なのか?
もぉ……アイツ等の考えてる事が、俺なんかじゃあ到底理解出来無い。
でも、もしあの時『笑いながら歓談』さえされていなければ。
俺だって、あの女の事を一方的にだが心から信用していた訳だから、理由の1つも聴くぐらいの余裕を持てたかも知れない。
だが、こんなナメた真似をされたんじゃ聞く気にも成らないし、許せるものも、許せなくなっちまう。
心から信用出来る彼女だと思ってた、あの女が……
ズッと変わらない仲間だと思ってた、幼馴染が……
大切な、大切な姉弟だと思っていた、アイツが……
みんな……みんな、今と成っては、俺の事を、陰でズッと笑ってやがったとしか考えられない。
もぉ、誰1人として信用なんか出来ねぇよ。
だから、もぉ全てを忘れ去る為には、みんな……みんな、なにもかもブッ壊してやるしかないんだ。
何1つとして、俺自身に未練を残さない為にも……
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
そして今回から始まった第一章・第八十四話【Lost heart(失われた心)】
矢張り、倉津君が聞いてしまった奈緒さんと眞子の会話のせいで、波乱の幕開けになったみたいですね。
ですが、倉津君の心境を考えれば、これバッカリは、こうなって然り。
誰よりも信じていた人間達に『こうも簡単に裏切られた』ら、誰だってこうなっちゃいますしね。
なので此処での問題は、倉津君が、何処までの話を聞いてこうなってるのか?
様子からして『全てを聞いて』こうなってしまっている訳ではなさそうなので、そこが肝に成ってくると思われます。
さてさて、そんな中。
未練を断ち切る為にも、全てを壊してしまおうと考える倉津君は、この後、一体、どの様な行動をとるのか?
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
次の更新予定
毎日 06:00 予定は変更される可能性があります
最後まで奏でられなかった音楽(シーズン17) 殴り書き書店 @nagurigakisyoten
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。最後まで奏でられなかった音楽(シーズン17)の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます