平等
天千春
暖冬
春夏秋冬は平等である。
暑い冬の中、私は想った。
日本には季節を表す際、春夏秋冬といった便利な言葉が存在する。
春夏秋冬は歌にもなり、絵画にもなりあらゆる作品として息づいてきた。
日本人は7月になれば夏が始まり11月に入れば冬を意識し始める。
さらに言えば、日本に住まう生き物たち、勿論植物も含めてだが、彼ら(もしくは彼女ら)すらも、その現実に甘んじている。
"甘んじている" この表現が正しいのか、甚だ疑問ではあるが、敢えて謳うのであれば
間違いなく"甘んじている"のだ。
私たちは自然の齎した最適な環境の上に
生活の基盤を作り、全てに身を委ね生きている。
春夏秋冬は平等ではない。
日本と同じ温帯の北半球に位置する国ならば
似た環境で四季を楽しむことができる。
それ以外の多くの国では、美しく分断された4色のコントラストを、移りゆくグラデーションを楽しみ、慈しみ、心に留め、思いを馳せる事
は出来ない。
そう、四季を知るものは春夏秋冬を慈しむのだ。
これは、日本の宝、私たちの大切な物、大事に未来まで守らなければと。
しかし、心にはあれどそれを実行するものは少ない。
詰まるところ、自分たちの生活の基盤の中に四季を盗みとりたいのだ。
とある、冬の日
気温は20度を上回る。
それでもまだ謡う四季と
認めたくないのだ、春夏秋冬が平等であると。
平等 天千春 @amai_syousetu
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