デューン 砂の惑星PART2

デューンはスターウォーズを生み、スターウォーズがデューンを生んだ。


惑星アラキスはタトゥイーンっぽいんですが、順番が逆で、

ポールはアナキンっぽいんですが、順番が逆で、

スターウォーズのルーツの一つがデューンで、スターウォーズによって広がったVFX文化が、デューン世界のここまでの再現を可能にした。


なによりも映像がすごい。


VFXって技術がすべてですが、SFはセンス。

SFを評する時に、よくセンス・オブ・ワンダーって言葉が使われますが、それは心を奪われるような絵を作れているかと言うことで、この映画にはそれがあります。最高レベルのVFXの中に美があります。


モノクロで描かれる惑星ジュディ・プライム。

このために設定されたような眉ナシ・スキンヘッド。

墨汁みたいな花火。


理屈はわからないけど、シビれる!!


ディテールって「足す」ってことだと考えている人が多い中、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は「引き」にかかります。


色を絞る、シルエットを大事にする。

夕暮れの砂漠の赤と黒。

ジュディプライムの白と黒。

眉ナシ・スキンヘッドのフェイド(オースティン・バトラー)が口を開くと黒で、実写なのに、絵のようになる。


大と小の対比も美しい。

砂虫と人間。

巨大ミラーボールと砂漠都市。

その巨大ミラーボールに襲いかかる核爆発。


見ているだけでビリビリと来ます。

素晴らしい。


この美を生み出すために、これまでのVFXがあったんだ!


そう言いたくなるぐらいの映像が、この映画にはあります。


お話はゲーム・オブ・スローンズです。

陰謀だらけの権力闘争です。


敵がエグいのはともかく、ポールのお母さん(レベッカ・ファーガソン)がとにかくエグい。さすがハルコンネン家の血筋だよ! ポール(ティモシー・シャラメ)も最終的に闇堕ちしちゃうし! ハルコンネンの遺伝子が強すぎる!! アトレイデスは滅びたよ!!

チャニ(ゼンデイヤ)が健気すぎる! えー、ポール、チャニに愛を伝えた後にそうなっちゃうのー!?

とにかくワルい奴らが多すぎるので、善玉に気持ちをグイグイ入れていけます。


そして、なんと言っても、砂虫です!!


あの砂虫にライドする!

砂虫軍団を引き連れて、敵を押しつぶす!


燃えます!

震えます!

たぎります!


「風の谷のナウシカ2」があるなら、王蟲軍団で同じことやって欲しい! 


映画館で見るダイナミックなシーンは、惑星アラキス体験ライドです。

幾多の名作と同じように、今後、何回でも再上演されることになる作品ですので、機会があれば、音と映像を「体感」しに行ってみてください。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る