マッドマックス 怒りのデスロード
セリフすら必要ない究極のアクションムービー。
核戦争によって世界は崩壊し、文明も消失した。
人間は野性に還り、殺戮と狂気が支配した。
登場人物、ほぼ蛮族。
死にたい奴らvs生きたい奴ら。
ヤツらに言葉は通じない!!!
どれぐらい言葉が通じないかというと、この映画、全く知らない言語で見ても、楽しめます。
意味のあるセリフはあるのですが、なくても大丈夫です。
ストーリーは全て肉体が語ってくれます。
肉体言語によるアクション映画。
それが「マッドマックス 怒りのデス・ロード」です
アポカリプスもの、これまでたくさん作られてきました、
それらの作品と、本作が決定的に違うところ。
文明が失われた世界、未来のない世界のリアリティを突き詰めていった結果、必要な情報を言葉で埋めるという現代映画の技術すら封印しているところです。
ハリウッド映画の歴史は映像進化と脚本進化の歴史です。
特に脚本は「脚本工学」と呼ばれる言葉が誕生するほどに理詰めの研究が行われ、分単位、シーン単位で管理。車の製造工程のように分解がされ、シーンを考えるライター、セリフを考えるライターの分業体制すら確立されました。
セリフは登場人物の気持ちの発露にとどまりません。
世界の説明、伏線提示、伏線回収、シーンのテンションを制御するためのユーモアなど、たくさんの役割を背負わされるようになりました。
本作の脚本は、世界観同様に時計の針を逆に回し、セリフすら不要になるところまで話をシンプルにしています。
それが本作の世界観に実によく合っているのです。
文明が存在しない世界の人間が、知的であったり、理性的であったりするわけがありません。悩みのレベルは生きるか死ぬか水をくれ。
ウォーボーイズに至っては生きることすら考えていません。
どう死ねるか。
どれだけ凄まじい死に方が出来るか。
豪快に死ねるチャンスを見つけた途端、彼らは歓喜し、口に銀のスプレーを施し、雄叫びをあげるのです。
こんな連中に120分、延々と追いかけ回されるんですよ。
恐怖でしかありません。
ゾンビ映画ありますよね。
ゾンビは死んでるんですよ。それでも元は人間だったからおぞましい。
こいつら、生きてるのに、命の重みとかゼロですからね。
あたまのおかしな新兵器を次から次に繰り出してきて、あたまのおかしな攻撃してきて、あたまのおかしな死に方をするんです。
説明一切なし。
火炎放射器付きのギターマンとかは、戦意高揚の演奏隊なんだろうなとかろうじて推測することが可能なのですが、あいつら、何の意味があって、そんなことしてるのか、セリフで説明しないことばかりですから、狂気の集団にしか見えないわけです。
本当に怖いのは「何を考えているのかわからない」ヤツらですから。
対するマックス&フュリオサも肉体言語の戦闘民族です。
死にたくなければ、戦え。
相手を殺して、命をつなげ。
野蛮しかない。
ながら見できない映画です。
全てがアクションで進む映画です。
配信で見られる際は、スマホはしまってください。
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