第一章 呪いの子

はじめまして。僕の名前はセレスティア。この本は僕が何百、何千年の間で体験してきたことを書き記した日記。どうかこの時間が永遠にあなたの心に残りますように...そして語り継がれますように...




 この世界では、赤,黒,紫は呪いの色として扱われてきました。


 闇に包まれた森の中で盗賊に追いかけられている二人の夫婦がいました。服は裂かれ一人の赤ん坊を抱えていました。二人は怪しい雰囲気を放つ洞窟を見つけました。


「ここならこの娘も安全だろう」


 一人がそんなことを言いました。そこに逃げ込んだ二人を見た盗賊は怒りのこもった声でつぶやきました。


「あの二人こんなとこに入りやがって”絶対に見つけてやる”」


 その洞窟の中は水滴が滴り、薄暗い場所でした。二人は盗賊に見つかり襲撃を受けました。


 一人が傷だらけの体で盗賊に食らいつきました。


「なにがあったとしてもあの娘だけは”助ける”」


 もう一人は赤ん坊を抱え、洞窟の奥深くへ走りだしました。一人の雄叫びが聞こえなくなり少し時間がたったとき洞窟の最深部につきました。そこには大きな竜の石像がありました。石像の前には石版がありこう書かれていました。


「王の助けが欲しくば祈願せよ」


 もう時間がありませんでした。一人は赤ん坊を抱えたまま必死に願いました。手に血が滲むくらいに...そうすると低く圧迫感のある声が聞こえました。


「私を起こしたのはお前か?なにが望みだ」


 一人は心の中でつぶやきました。


“どうかこの娘だけでも生きていてほしい”


 強く強く願いました


「そうか...お前の願いはそれか ならばある条件の代わりに生かしてやろう」


「この娘が助かるならなんでもする。」


 一人は覚悟が決まった鋭い視線で石像を見上げました


「一つ:そいつの体の一部を私に譲ること2つ:生贄を二人」


 一人は絶句しました。この条件を受けたらこの娘に将来なんらかの悪い影響がでるかもしれない。でもこれを受けなければ自分もこの娘もしんでしまうと...


 そのとき背中に激痛が走りました。なんと鋭い何かで胸を貫かれてしまったのです。


「やっと見つけたぞ〜手間をかけさせやがって ついでにさっきいたやつは刺しといたよぉ、今頃冷たくなっているだろうねぇ それより何だこのでかい竜」


 一人は決意を固めました。もういっそ死んでしまうくらいなら...


“やるしかない”


「覚悟が決まったか...生贄はちょうど二人...いるな。ではお前の願いを叶えてやろう」


 赤黒い影が赤ん坊の中に入り込みました。その瞬間赤ん坊の体は急成長し、少女の見た目に変わってしまいました。


「なんだこれ...みたことねぇ」


 その時彼女の体から触手が伸び盗賊の体を貫きました。そのとき一人は思いました


“もしかしたらこの娘にとんでもないことをしてしまった。すまなかった”と...


 数日後、暖かな日がさしている森の奥深くで赤い目をした少女が保護されました。


 その少女の名は


                「セレスティア」


                              to be continued

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