第二章 子どもの船
保護されたあと船に入れられた。そこには何人もの子供がいました。船が港に止まると船から一人子供が出され、外からはなにかを値切る声や特徴を説明している声が聞こえてきました。
「この娘の特徴は、1億人に一人と言われている青色の目。そしてとてもいい性格です。この娘の親になりたい人は、手を上げていただけると嬉しいです」
次第に周囲からざわざわと声が聞こえてくる。そしてついに...
「ありがとうございます!!」
そう言うと彼は彼女に向かって、ひっそりと
「よかったね...外でも頑張りなさい」
と耳打ちした。
彼女はこの船にいたときよりも表情が明るくなっている気がした。そして彼女は長い航海を終えて引き取られた...
そしてまた長い長い航海が始まった。僕はこの船でアンジーという少女に出会った。僕にとって”一番”最初の友達そして僕が人を好きになることを”後悔する”ことになる人でもある。
彼女と話をしているととても楽しくてお互いのことを話した。といっても僕はここに来てからの記憶しかないからほぼ彼女の話を聞いているだけだったけどね...
「私はね、この船に乗る前はいろんな人たちのところを行ってたんだ。ある時は海の近く、またある時は周りに家もない田舎またある時はとっても大きな家がたくさ
んあるところ。」
彼女は少し楽しそうに話す。それに僕は...
「そうなんだ〜 いいなぁ、僕もこの船から早く降りていろんなところに行ってみたいなぁ。」
僕は心の中で思っていることを話した。
「 僕はまだ、一面に広がる海とこの船しか見たことがないからなぁ。もっといろんなものを見てみたいよ。」
いつも二人でこんな感じの他愛もない話をずっとしていた。もっとしていたかった。
彼女とあって五年がたち私が11歳になったある日
「私ね、また違うとこに行かなきゃいけなくなっちゃった...」
彼女が寂しそうに言った。僕も彼女の顔を見て寂しくなったし悲しくもなった。
「そうなんだ...ちょっと悲しいな...でもアンジーが選んだ道なら応援するよ。頑張って」
「ありがとう。セレちゃん《セレスティアの愛称》もいい人をいつかきっと見つけられるよ。長い時間がかかるかもしれないけど絶対にまた会おうね! 約束!」
彼女がこちらを向いてにこっと笑った。僕も彼女の気持ちを尊重しようとにこっと笑った。
「うん。約束...また会おうね」
「うん!!」
彼女がとても明るく頷く。でもこの選択が後に最悪な結果を招くことを私達はまだ知らなかった。あるとき思った. このとき彼女をもし止めることができていれば、あんなことにはならなかったかもしれないと...
「明日は、港の清掃かぁ。嫌だなぁ、変な匂いがするしなぁ、」
アンジーがいなくなってから2年が経ったある日、”船員全員で次の港をきれいにするということをするぞ”と船長から言われた。正直今思えばなにかを理由に行かないという選択をしたほうがよかったかもしれないと...
ついた港には、大きな船が座礁してぼろぼろになっていた。中に入った船長いわく、海賊に襲われて負けてしまった痕跡があったらしい。でもなぜか船長は、僕を船の中に入れてくれなかった。とても被害者が酷い状況なんだろうと思った。このときの僕は好奇心旺盛で夜中に船を抜け出して、”座礁した船に入ろう”となった。
「やめとこうよ...」
「バレたら怒られるよ...」
などの言葉があったが僕は聞く耳を持たなかった。でもその判断が後に僕を絶望させるということをこの時は想像すらしていなかった...
to be continued
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