第22話 変態さ……元プロさん、初試合
お互いの武器を確かめ合い終わったところで、やっと初試合が幕を開けた。
相手の武器編成は、レイと同じ近距離シューターが1つと種類の違うのが2つ。
そして、あおちとは違い、連射速度が少し遅い代わりに射程が長くワンパンが可能なエクプロが1つ。
:相手の編成いいな
:シューターでたくさん塗れてキルも取れるし、エクプロで遠距離戦もいける
:対してあおちゃんは遠距離戦えず、近距離もそこまで…………
:おい、触れていいことと悪いことがあるぞ
:↑すべてを語ってるってw
:もうそれは弱いって言ってるんよ()
『俺どうすればいい?』
「知らん」
『知らないっす』
『頑張りましょう』
『そうだ初心者しかいないんだった』
「ま、とりあえず俺とさくちは自陣塗るわ。1番塗れそうだし」
最終的な塗りポイントで勝敗を決めるため、序盤の自陣塗りが結構重要になるのは俺でも聞いたことがある。
スナイパーとエクプロじゃあんま塗れんだろ、多分。
『まぁそうですね。あおいちゃん頑張ってね』
『頑張るっすよ!』
『え、俺には……?』
『アミアさんも頑張ってください!』
『やったぜ、ありがとあおいちゃん』
「俺には?」
『さっさと塗りやがれ』
「命令形とかオタク大歓喜じゃん、ありがとうございます」
:役割分担できるの偉いな
:いやそれ
:だいたい凸るのに()
:レイ、さくちと合法デートじゃん
:いやゲーム内ぞ……?
:いや……レイぞ?
:そっか、レイか……
:納得すんのほんま草
:何事もないように言ってるけど、めっちゃニヤけてそう
:※アバター
:あっ……w
:ちゃんとニヤついてたww
:アミアはまだ安全という判断なのねw
:頑張れボイスきた
:神……神!!!
:切り抜き師ィ!!!
:まかせろ、asmrっぽく仕上げるぜ
:はぅ!!!
:命……令……ッ!?
:ガタッ!?
:罵倒ボイスきちゃーーーー!!!!!
:スゴクイイィィ!!!
Ray:ヤバくね!? これ、俺に言われてんだぜ!?!?
:レイずるいぞおおお!!!
:わ、ワイも……ワイも言われたい……
:同期とか知らねぇ!!!レイ覚えとけよおおおおおおおお!!!
:ずーーーーーるーーーーーーいーーーーー!!
Ray:お前らも言われるように頑張ることだな!ハッハッハ!!
『? レイさん、止まってどうしたんですか?』
『あぁ、すまん。マップ開いてたわ』
俺は自分の配信を開いていたサブモニター用のキーボードから手を離し、再びプロコンを手に取った。
:ゲーム中はコメントをみないで集中
:偉い
:可愛い
:好き
:お前ら言い放題じゃないからな?
俺とさくらんはデートしながら着々と自陣を自分たちの色のインクで塗っていく。
一方その頃前線では────。
『1枚…………2枚抜き完了?』
『はぁぁぁぁ!? ちょっ……アミアさん!?』
『これ使いやすいわ』
『いやそのレベルじゃ……あ、2人やったっす。全滅っすかね?』
:はーーーー!?!?wwwwwww
:えwwwwwwww
:待て待て待て
:こっちでコントしてる間に何を四天王!?!?
:ほんとに四天王なんだよなぁ
:え、クラエクで2人やったって? えっ、近距離2人相手に死ぬことなく勝った?
:STAR SKY強すぎるって
:レイとさくらんとの温度差エグいwww
俺たちはしっかりと役割分担をして、第1試合は圧勝に終わった。
あ、役割分担ってのはもちろん──俺とさくちがデートで、アミアとあおちが無双、という役割分けである。
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