町田戦・後半を見て(トリガー、3つの過程)(no.5)

 当時の東京は、永井監督のもと、バルサスタイルを追求していました。バルサといえば、MSNでした。ネイマールはおらず、セティエン監督になってましたけどね、多分。


 3トップをやる、ということで、3トップのことを書いているのだと思います。古い考えかもしれません。


 ………


 いや、前線は3トップなんですね。しかも両翼は大きく広がるような仕草を見せず、むしろ縦パスのポイントになるべく3枚が前に並んでいる。


 ただ全員が後ろ向きで、前へ引き出すような動きは少ない。当然ですよね、後方の20mとか離れいている場所から縦パスを収めて、前を向くのは骨の折れる作業だと思います。


 左右のサイドに開く感じでは、ロブなり、グラウンダーで長いパスが出ています。ただ町田が中央を固めていたのもありますが、密集を通していくようなパスは出ていなかったようでした。


 中央の後ろで試合を組み立てる2ボランチに対する町田のアプローチも速かったですね。ポストに当てに行くボランチ2人も、受け手の3枚も、苦労している印象がありました。


 サイドに出たボールでは、トライアングルを組んで連携で崩しにかかっていましたが、中央まで届くのは稀、また届いてもフィニッシュにまでなかなか至りませんでした。


 問題を分解してはいかがでしょう。


 ・ゴールができないのは、ゴール前でどうするかまでの手順が整理されていないのでは。


 ・ゴール前の手順が整理されていないのは中盤の左、真ん中、右のポイントのところからどうゴール前にボールが入るかわからないからです。


 ・左、真ん中、右のポイントがどうすればいいのかわからないのは、ポイントに後方からいいボールが入らないからです。


 だから後方で延々とパスを回すことになる。


 トリガーのプレーを整理してはいかがでしょう。鍵となるプレーと言ってもいい。


 トリガーというのは、攻撃のスイッチのことで、この形になったら、攻撃を始めようというキーのプレーのことです。


 ユーベで言いましょうか。2013−14のユーベ の攻撃のスイッチを見てみました。まだ十分ではありませんけど。


 鍵は、左右でのポイントを作る動きと、中央の2トップのボールの引き出しにかかっていました。


 3−5−2のような形で、2トップにトレスボランチ、サイドにウィングバックがいて、後方を3バックが固める形でしたが、アンカーのピルロもしくはマルキージオなどから、前線の左、中央、右の3つのポイントにパスが入った時、ポグバが持ち上がってポイントとなった時が攻撃の始まりになっていました。


 中盤の3枚のボランチはトライアングルを組み、なるべくゆっくりとボールを回して前線にボールを入れる隙を窺います。3バックのCBも協力し、特にアンカーとCBで前線にボールをつける隙を窺います。


 フロントボランチって言うんですか?ポグバ、ビダルのような攻撃的なボランチは前線でウィングバックと協力してポイントを作り、そこを拠点にして縦にサイドを崩してゴールへ攻め込みます。もしくは中央方向へダイアゴナル?斜めのパスを入れます。


 まず左右にポイントを作ることが多く、そこからバイタルエリアにいるポストやFWに斜めにパスを入れるか、サイドを使ってクロスをあげるか、自らが切り込んで行くかの、3つの選択肢を使っていました。


 ここがトリガーです。左右のポイントにボールが入った瞬間にそれまでのゆっくりしたパス回しから一気に加速して全員が初めてスプリントし、連係で崩し切ってしまうわけです。


 左右のポイントの他に、中央にもポイントがあって、ポストに当てるか、ウィンガー的なFWがいて裏抜けしてボールを引き出します。この動きにも入った瞬間にみんなが連動していく。


 ボールを引き出す動き、という話をしていました。どのようにしてボールを引き出すかと。


 連携することではないでしょうか。


 自分が観察した様子では、前線の3枚は広がって三つのポイントとなり、連携はしていません。バラバラです。ポストにはなりますが、裏へ引き出す動きはあまりしていない。3枚の中盤のうち2枚が後方でゲームメークしますが、3枚目のボランチの動きもボールを受けるためにあまり機能していない気がしました。


 3つの地点、左、右、中央にポイントをまず作ることを考え、3枚のトップのそれぞれの位置をもっと近づけてはどうでしょう。3つの地点、左、右、中央でどこかにポイントを作ることにし、3枚は近づいたり、離れたり、うろうろして浮いてポストとなると同時に連携することです。


 具体的に言えば、左、真ん中、右の3人がいて、右の一人がポストになれば、真ん中のもう一人は入った瞬間に右に寄ってサポートする衛星の動きに変化し、ポストとウィンガーの関係になると。


 左ポスト、右ポストが中央へフリックして、中央の選手が裏抜けしまえばいいのかもしれませんし、また中央ポストが左右の選手にフリックしてパスするのもありかと。また3ポストの背後(自陣より)に3枚目のボランチが近づいてバックパスを受けやすくする、ボランチというかトップ下かな、が、近づいたときにボールを入れるといいかもしれない。関係性はいろいろ考えられます。


 中盤後方からボールを入れると。中盤前方の3地点、左、中央、右で受けると。そしてゴールへ向かい決めると。3つの過程に分解し、それぞれを研ぐことです。


 3つの地点全部にポストが揃わないと攻められない、ではなく、一つでもポイントができる。右にポイントができて2名が連携できるのなら、一人がポストで裏へフリックできるなら、2人で攻め切ってしまってもいい。ポストがターンしてワンマン速攻もあり。


 要は、前線にポイントを作ること、いいパスを入れることです。攻撃ができる態勢を作ってやる。後方のゲームメーカー、ユーベの場合はピルロがやっていましたが、ゲームメーカーがいいパスをポイントに入れてやる。そうすると、これまで「緩」のゆっくりしたボール回しからギアを上げて、「急」の一気に攻め切ってしまうスピードのスプリントに変化することができる。


 ゲームメーカータイプの選手は多いので、後方からのパスつけ、前線でのポイントとなるプレーから周りを使うこと、できる選手多いと思います。


 ゴールへはサイドからのクロス、ポストとのワンツーからのシュート、えぐってからの戻しを決めるなど様々ありますが、後方でのパス回し、から、前線のポストにいかにいいボールを入れるかを特に考え、またそこからどう加速するか、3つのことに分解して考えることを提案しておきます。


 技術や戦術として、いいパスをポイントにつけることは大事なことなので、優秀なチームがどのようなポイントへのパスの入れ方をしているかはまた調べるかもしれません。もちろん、前線に入ってからのゴールの工夫も調べたいです。


 今日は時間がないので、ここまでにします。


 読んでくださったのならありがとう、感謝を。


 ………


 当時読んでいた、アンチェロッティの、「トリガー」なんて単語も出てますね。読みにくい(苦笑)


 懐かしい限りです。

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