町田戦・前半を見て、海外サッカーをあれこれ語る(no.3)
東京ヴェルディのコロナ明けの試合は、町田との「東京クラッシック」と名付けられた一戦でした。今から思えば、当時の自分に、今、J1で東京ヴェルディと町田、ダービーやってるよ!!、っていっても、絶対信じないと思います。
そしてランコ・ポポビッチが、町田ではなく、鹿島を今年は率いていたなんて。信じれないことが、未来には起こるものです。
………
偉そうに書きます、お許しを。
東京Vについて。
大きな対角のパスを生かした攻めからまず失点してしまって大変でしたね。自分は前半は掲示板を覗きながら仕事をしていたので、いや、何点取られるんだろうと心配していました。
いや、杞憂でした。
試合の前半をDAZNで見てみると、町田は守備のチームですね。J1勢にも崩れない硬い守備を持っていますが、攻撃は?という感じでした。守備のゆるいチームとやるともっと点は取れるかもしれませんが、点もとられるかもしれません。
中盤から後ろにかけてのパス回しはとても良かったです。よくパスが回る。
ただ、前線でのアイディアに欠ける。ポストプレーをどうするかと、フィニッシュをどうするかということでしょうね。
前線、中盤、最終ラインとも守備はまずまずだがまだ強度を上げるべきかもしれません。J1を目指すなら、もっと強くならないといけないと思います。
フィットネスも上がっていない印象で、小池選手などは体が重そうでした。
流動性の高いプレーを選択するなら、走量は多くなり、無駄走りが多くいるようになります。走り方を整理し、ポジションの役割を少し整理しても良いかもしれないと思いました。でないと、ベテランと若手の多いチームは走ることが多くなり、フィットネス的に厳しくなるかもしれないと思いました。
前線からのプレスをかけていないので、前で引っ掛けることができず、ロングスプリントでのカウンターしか打てていない。できればショートカウンターも発動させたいですね。
戦術理解は進んでいますが、コンビネーションについて、相手がわからないと同時に、味方もまだわかっていない場合があるのでは。
整理して、これからどんどん強くなって欲しいです。
終わり。
で、ここからはおまけです。
アタランタとサッソーロの試合を見たんですが、アタランタ、カバーを使わないディフェンスをしているんですね。かといって人につくのではなく、ゾーンをマークする方法をとっている。ヨーロッパでは、ゾーンマークが主流になっているようです。
ある程度距離を開け、マークを自分の前方に緩くつかんでおく。そしてボールが入ると相手にアタックしていく。
この戦術の肝はDFではなく、GKとFWにあると思いました。
アタランタのDFの1対1の強さも半端なかったですが、GKのシュートブロックも素晴らしい。DFがコースを限定すれば、ほとんどのシュートをGKが弾いていくのです。だから一人DFがいらない(カバーがいらない)。
このようなDFとGKの技術が極端に高いので、アタランタはCLに出場できたわけです。もともと育成には定評のあるチームでしたが、守備力といい、中盤の構成といい、監督がいい仕事をされていると思いました。
またFWのポストプレーが素晴らしい。DFがクリアしたボールをFWが収めてしまう。もしくはクリアが前方へのパスになるのです。
最近のバルサの不調には、持ち上がりの遅さがあると思います。クライフのような偉大な思想家がこの世を去り(2016年逝去)、その根幹となるベースを失ったこともバルサの不調の遠因ですが、前線に早くボールが入らない。アタランタが前線にすぐボールを入れ、前線に入れてから前方でパスをつなぎ始めるのに対し、バルサは後ろでつなぐことが多く、パスが前方で回らずに怖くないのです。
アタランタのようにまず前線にポイントを作れると、最終ラインは押し上げられるし、時間を稼いだり、相手の最終ラインに圧力をかけることができます。
クライフの率いたバルサにはストイチコフやラウドルップのような強烈なカウンター+ドリブルの名手がいましたし、ライカールトの率いたバルサにもエトーのようなボールの起点になる選手が中央にいました。しかもクライフの時にはグアルディオラやデラペーニャのようなパサーが、ライカールトの時にはシャビやイニエスタのようなパサーがいたから前線が輝いたのです。
今のバルサにはパサーがいないのではないでしょうか。スアレスやメッシの個人技で点をとっています。攻撃のタレントを偏重し、中盤や前線の「働き蜂」「水を運ぶ人」達を軽視する傾向が著しいのでは。新しいタレントも、第2のメッシたちを集めるばかりで、カンテラ(マシア?)があまり効果的に機能していないのではないのではないでしょうか。
ラキティッチにせよ、ビダルにせよ、第1ディフェンダー、ドリブラーとしては非常に優秀な中盤の選手ですが、パスを回せても、全体的なパスを出せる選手としては、どうなんですかね。
現在のバルセロナにはグリエーズマンという稀代のカウンター・アタッカーがいます。彼に預ければ強烈なカウンターが出るでしょう。ただ、いろんな意味で彼にパスを出す選手がいないのではないでしょうか。だから攻撃は遅く、前線にポイントを作れない。
さて、東京Vに戻りましょう。
アタランタ、バルサの話を通じて、二点の話をしたかったつもりだったんです。
1つ、イタリアのDFの守備力が欲しい。GKとの連携でピンチにも1対1で相手にプレッシャーをかけれるようなディフェンス力が欲しい。
2つ、パサーとカウンターの走り手で、相手DFラインを下げさせ、味方のラインを上げることはできないか、いわゆるポスト・プレーとか、ボールを引き出す動き、と呼ばれるものです。
バルサについてはユーベのピアニッチをとって、アルトゥールという選手と交換するそうです。ユーベはバランスの取れたチーム編成が上手いチームですから、サッリはパサーをバルサから引っこ抜くつもりなのかもしれません。
まぁ、それはおきます。バルサのパサーの話はもういい。
東京Vにイタリアの守備力と、パスの引き出し手を、ということを考えるとき、バルサのようなサッカーをどこまでできるか、ということを感じます。今、バルサですらベタ引きのブロックを崩せずにいるのに、東京Vのどこまでの練度で、どこまでのことができるのでしょう。
先に述べたように、現在の選手たちで、流動的なアヤックスのようなオランダ・スタイルのトータル・フットボールをバルサやマンCに植え付けたように、機能させることができるかということです。
確かに、できるのかもしれません。ただ時間がかかるのではないでしょうか。時間がかかれば、選手は売りに出され、負けは込み、勝つことはできず、チームは負のスパイラルに入ります。
自分はカウンター一辺倒にせよ、とは言いません。ただ、前線にポイントを早く作ることはもっと意識してもいいかもしれない、望ましい、とは思います。
このチームを見ていて、思い出したチームがあります。それはバルサではありませんでした。
バルサなら、かつてのネイマールやメッシのようなゴリゴリのドリブラーが両翼にいますし、彼らがドリブルで持ち上がっていきます。マンCでも両翼にえげつないドリブラーがいるでしょう。前線にはスアレスやアグエロのような生粋の点取屋がいる。
バルサにせよ、マンCにせよ、前線にポイントを作ってくれるポストプレーヤーの選手を軽視しており、ドリブルで後方から持ち上がっていきます。パスの出し手もあまり評価していないようですが、あのドリブラーの集団と、点取り屋の前線で今は持っています。見事です。
ただ今は、ですし、いずれは、どうなるかはわかりません。
まあ、マンCの場合は、守備の方に問題があるのかもしれませんし、自分は両方の可能性があると思っている、としておきます。だって、最終ラインの受ける圧力と、前線へのタッチダウンパスやクリアからのパスは関係がありますからね。まあ、それもいいでしょう。
ではアヤックスに源流を持ち、バルサや、マンCのようなウィンガーを使うスタイルではないのならどんなスタイルになるのかと。
ベースは3バックかと。そして両翼をウィングバックが上下動すると。これは実際の試合を見たときの感じです。
ドリブラーはあまりいないのではないでしょうか。ウィンガーとして小池が頑張っていますが(うわ、呼び捨て気持ち悪いですが続けます、敬称略で)、ウィンガーが両サイドを崩すのは難しいと思っています。両翼がえぐれないなら、どうやって点を取るか。
ボランチや、中盤の選手はたくさんいるんです。パサーもたくさんいる。佐藤、井上、藤本、森田、山本、藤田…、松橋、石浦もパサーでは。パサーがいてつなげるけど、受け手の「ウィング」はいない。
ただ「FW」はいるのではないかと。小池、端戸、山下のような前線をフリーに走り回り、ボールを収める選手はいるのではないかと思うんです。また大久保、レアンドロのようなフィニッシャーもいる。
自分の記憶の中で、唯一、このような条件を満たし、成功したチームがあります。
堅固な3バックに活動的なウィングバック、中盤の底に天才的な指揮官がいて、両脇を強力なボランチが固めている。前線にも才能豊かなFWと、走り回るポストプレーヤーがいて、得点を量産した。セリエAの連覇を成し遂げたチーム、すいません、手前勝手で。ユベントスです。コンテが3連覇したときのユベントスにこのチームは非常によく似ている。
GKはベテラン、ブッフォン、DFはバルザーリ、ボヌッチ、キエッリーニのBBC、堅い、堅い。サイドはアサモアやリヒトシュタイナーがやっていたんだと思います。活動的な両翼でした。中盤は指揮官・ピルロが底に入り、マルキージオ、ビダル、ポグバが両脇を固めると同時に得点を量産していました。
前線ではブチニッチ、テベス、ジョレンテ、クラリエレッラ、ジョビンコのような選手がポイントになり、中盤の攻め上がりを引き出すのに徹していたと思います。テベス、ジョレンテは点取り屋ですが、ブチニッチなどは、前線のゲームメーカーだったと思います。
イメージしてみましょうか。GKはベテラン・柴崎、DFは若狭、高橋、平の3バック、両翼は奈良輪、小池が上下動する。
中盤のプレーメーカーは綺羅星のようにいるでしょう、彼らを3枚並べる。
前線は端戸、山下が引き出したり、場合によっては佐藤が中盤から上がってゲームメーカーとして前線のポイントになってもいいと。
中盤から後ろはパスが回せているのだからこれまで通りでいいと思います。ただ、前線は3トップを削って2トップにし、関係性を整理する。前線で点が取れていないというのは、前線の関係がはっきりしていないからだと思います。一人を走り屋というか、ポストプレーヤーにしてボールを引き出させ、佐藤、井出のようなプレーメーカーに預けさせて(戻して)中心として、中盤の攻撃を引き出すか、もしくは大久保、レアンドロのようなフィニッシャーを入れて点を取りに行く、ではどうでしょうか。
とりあえず、守備の強度を上げるため、イタリアの試合を見てみます。その中で、パスの出し方、受け方、守備の方法など、レポートを上げられればと思います。
偉そうに書きましたが、今日はここまでします。
長くなりました、すいません。
感謝を。
………
だいぶ散漫な文章を当時は書いています。
バルサ?、アヤックス?、ユベントス?、マンC?、なんか、ちょっとは色がついているかなぁ。
まだwowowに契約してCLをしっかり見る前なので、いい加減なことを言っています。懐かしい限りです。
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