第30話 メインフレーム マリーゴールド
エリザ王女とフリード子爵との会議はとりあえず終了した。
今回は大まかな流れを決めるだけで、詳細はその都度決めていけばいいだろう。
とりあえず来週また同じように集まることを決め解散となった。
エルヘイム王都はホーチ王国軍に荒らされ、今は復興を始めたばかりだ。
俺は王城の間借りしている一室から城下を眺める。
まだまだ復興には時間がかかりそうだが、もう王都が直接襲われることはない。
シエナが管理する
ちなみに使者という呼び名だが、この星の人たちにはその方がわかりやすいと思い呼び名をそのまま採用した。
何の使者かと言われれば・・・うーん『天からの使者』というところか。
うん。嘘ではない。
『艦長、今お時間よろしいですか?」
王城の一室に戻って、メイドさんが入れてくれたお茶を優雅に楽しんでいると、シエナがあらたまった様子で脳内に話しかける。
『あらたまってどうしたんだ?』
『以前から私の補助AIについて何度か言及したことがあると思いますが、紹介しておきたいと思います』
『おお?そうだな、シエナのように独立思考できるAIならこれから助けてもらうかもしれないしな』
『本来AIを紹介する必要はないとも思うのですが、彼女が是非に艦長に御目通りしたいとのことで』
通信だけなので別に御目通りではないような気もするが、細かいことは置いといて・・・。
それにしても自己主張の激しいAIもいたものだ。
『艦長!初めましてなのだわ。シエナお姉さまの補助を務めることになった、
(こ、これはシエナとは全く違うタイプだな)
『マリーゴールドか、これからよろしくな』
『よろしくなのだわ』
『ちなみにマリーゴールドはシエナが組み立てたんだよな?』
『そうです。私が一から組み立て最近ようやく完成しました』
『ずいぶんと性格が違うようだが、マリーゴールドも過去の英雄由来の性格なのか』
『いえ、ですが私とは異なる性格設定としました。艦長も同じようなAIより異なる印象の方がよいかと思いまして』
『そうなんだな。でもそうなるとシエナはお姉さんじゃくてお母さんでは?』
『ん~でもでも何というか、『シエナお母さま』よりかは『シエナお姉さま』の方がしっくりくるのだわ。なので異論は認めないのだわ』
『マリー。艦長命令は一部例外を除いて絶対です』
『はーい、なのだわ~』
『別に呼び方は好きにしていいさ』
それにしても、AIが一人?増えただけでにぎやかだな。
こころなしかシエナの声も弾んでいるような気がする。
『マリーについては、アンドロイド躯体を使用して独立運用できるように調整を始めました。しかし、
『うん。つまり独立運用するにはまだ時間がかかるということだな』
『ご明察です。ですが旗艦上からのサポートは問題ありません』
シエナは何やらアンドロイド躯体にこだわりがあるようだな。
『今後もAIは増やす予定なのか?』
『
『まだ資源の問題もあるし、おいおいだな』
『ある程度余裕ができれば追加投入を考えましょう』
『ちなみに、
『それは無理です。私のような
『技術に個人の介入!?数が少ない理由は分かったが、皇帝陛下しか作れないというわけか』
『そのとおり。超法規的措置がとられた独占技術となります』
(まさか皇帝陛下個人にしか作れないとは。これって俺が聞いてよかったのか?)
『更に、
(
『うん。まぁとにかくわかった。これからはマリーゴールドにも色々と世話になると思う。よろしくな』
『はい!なのだわ』
『では艦長。今後の作戦について・・・・・・』
その日はマリーゴールドのお披露目?と今後の作戦スケジュールなどについてじっくり脳内で話し合ったのだった。
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