第3話 ギャルJK編3

 あたしが、下着を脱いでギャル友の元へと戻ると

「おおーっ、円香かわいいーっ。ちょこちょこ歩いちゃって。はい、これは預かりまーす」


 そう言って、友達が脱いだ上下の下着をあたしの手から奪い取り、あたしに向かって楽しそうな笑顔をみせてくる。


 下着をヒラっとさせて、あたしの履いて『いた』下着を品定めするように見てから、丁寧に畳んで、ギャル友のカバンの中へ入れられるのを、ただ見つめる事しか出来なかった。


 本当は、その行為だってやめて欲しかったんだけど、逆の立場ならしちゃうだろうしね。

 だって、恥ずかしがらせたいじゃん?


 つまりは、あたしを恥ずかしがらせてきてるって分かってるから、凄く恥ずかしくても、余裕のフリをしないと、ガッコに着いてから何を言われるか……。


「じゃっ、うちらは女性専用車両にいくけど、円香はいつもの車両ね」

 そう言い残して、あたしの下着を持ったまま行っちゃうし。


 そもそも、歩幅が小さくなるのだって当たり前じゃん。

 胸を隠すのだって当たり前じゃん。

 友達の背中を複雑な視線で見送ってから、いつものホームに向かう。


「もうっ……」

 カバンで胸を隠して、いつもはしないけどスカートの前を手で押さえて、電車が到着する時の電車風にドキドキして、周囲の視線がやたらと気になって……。

 普段のあたしを知ってる人からすれば、あり得ないって感じの今のあたし。


 言われた通りに電車に乗ったけど、これは……ちょっと……ううん、かなり恥ずかしい。

 スリルもあるし刺激的だけどさ。

 だからこそ、恥ずかしいんだけどね。


 ガッコの最寄り駅に着いて、下着をちゃんと身に着けたら

『見てろーっ』

 なんて思うけど……。


 その前に、こんな格好で電車に乗った感想とかを求められるんだろうなぁって思うと、何て言うか考えておかないとね。


『何もなかったよ。余裕だったよ』

 みたいな感じの言葉を言う事になるんだろうけどさ。


 もしだけど、昨日みたいにお尻を手で長時間押し付けられたら、ノーパンなのってバレる?

 分かっちゃうモノなのかな?


 仮に臀部に下着の生地の感触とか無いって分かるとしてさ、それが即ノーパンってなるの?

 それとも、Tバックみたいのを履いているって思うもの?


 そもそも、昨日みたいな事がレアな出来事だったんだから、何も無いか。

 それはそれで、あたしがただノーパンノーブラで電車に乗ってるだけって感じで、少し何だかなぁって、思ったりもするんだけどさ。


 これはバツゲームなの?って、思うじゃん?

 ん?……違うか……うん、全然違うよね。

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