静かに消えない声を聴いた
ルイ
1話目
家の屋上で、俺は寝転がっていた
何も考えず、ただボーったとしながら。
数秒、数分、数時間
どんどんと時間が過ぎていった
俺は寝転がるのをやめ、胡坐をかいて、傍に置いておいた酒の缶を開けた
カシュッと少し大きい音を立てて、開けた酒を、ツマミも何も用意せず飲んだ
熱い。喉が焼き切れるように熱い
しかしそれすらも夜のおかげか気持ちが良い
「ぷはぁ....」
一度で飲み切り、俺は缶をあたりに放った
空を見上げる
どうして、俺はここにいるのだろうか
何も、持っていないのに
人を、殺したのに
「駄目だ、寝よう」
暗い考えをしすぎると行動に移す勇気すらもないのに死にたくなる
自分が出来もしないことをしたくなるのが嫌で、嫌で、吐き気がする
俺は、片づけをせず屋上から地上にかけられた梯子を下り、地面に足をつける
俺は、家の中に入る
誰もいない家に
鍵を閉めて、俺は歩くのも億劫になりソファーにもいかずに地べたに寝転がった
「......」
喉がカラカラだ
何か水分を取ろう。
俺は立ち上がり、冷蔵庫から水の入ったペットボトルを取り出し、飲んだ
体中に水分がいきわたり、生き返る気分だ
ふと、インターホンの音がする
ピンポーン
俺は反応せず、寝転がった
声がした
「学校、一緒に行かない.....?」
「.......」
反応はしない
ただ自分の気配を押し殺す
数十分、経った.....
「私、学校に行くから。行く気になったら、来てね」
そう言ってドアの向こうにいる彼女にいる気配はしなくなった
学校.....か.....
外は、怖い
相手のことを何も知らないから
自分のことも知らない相手がいるから
静かに消えない声を聴いた ルイ @ruisyousetu
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