街への道



リアは冒険のスタート地点として、まず目指すべき街へと足を踏み出した。緑の大地を歩きながら、頭の中でこれからのことを考えていた。


「やっぱり最初は情報収集だよな。街の様子とか、レベルアップのためにどこに行けばいいかとか。」


異世界に転生してきたとはいえ、リアの頭脳は賢者としての知識で満ちている。無駄なことは一切しない。楽に強くなる方法だけを模索していた。


道を歩いていると、周りの景色に目を向けることになる。見渡す限り、草原が広がっているが、ところどころに森もあり、動物の鳴き声や風の音が心地よい。


「ほんとに、いい世界だな。」


しばらく歩いた後、ようやく遠くに見えた城壁のある大きな街へ到着する。


「さて、まずは情報を集めないとな。賢者の俺でも、初めて来た街じゃ何もわからんし。」


リアは街に入ると、まず人々の様子を観察した。通りを歩く商人、武器を売る店、建物の中で忙しそうにしている人々。皆、どこか慌ただしそうで、リアの目にはすぐにいくつかの問題が浮かび上がる。


「やっぱり、戦争とかそういう問題があるんだろうな。」


リアの直感が告げる。多くの街では、冒険者が集まる酒場が賑わっているものだが、ここではどこか異様に静かだ。人々が何かに怯えているようにも見える。


「まあ、面倒臭いことは後回しで、まずはレベルアップだ。」


リアは街の広場に足を向け、情報を集めることにした。しばらく歩き回ると、酒場の前で一人の冒険者が立ち止まるのが目に入る。その男は、肩に大きな剣を背負い、鋭い目つきをしていた。


「こいつ、ちょっと強そうだな。スキル吸収してみるか。」


リアは歩みを止めて、さりげなくその冒険者に近づいた。相手は全く気づかない様子で、リアの手が軽く触れると、瞬間的に新しいスキルがリアに追加される。


「重力圧縮、か。これ、使えるかもしれないな。」


そのスキルは、周囲の空気を圧縮し、物理的な攻撃力を強化する能力だ。これで、リアの戦闘力は格段にアップした。


「よし、次はどうするか。」


リアは酒場に足を踏み入れる。中には様々な冒険者たちが集まっており、賑やかな雰囲気が漂っている。リアは軽く周囲を見渡し、情報収集のために会話を耳に入れていく。


「おい、聞いたか? 街の北の方で大規模な魔物の群れが出現してるらしいぜ。」


「またかよ。あの魔物、どれだけ強いんだ?」


「どうだろうな。まあ、報酬も悪くないから、討伐に行こうって奴はいるだろうけど。」


「報酬?」


リアはすかさず耳を立てる。報酬という言葉に反応しないわけがない。やはり、冒険者たちが話している内容には関心がある。


「魔物の討伐か。これをやれば、レベルアップも楽になるし、スキル吸収できるかもしれない。」


リアは少し考え、決意を固める。


「よし、北の魔物討伐か。ついでにスキル吸収して、ちょっと強くなっちゃおう。」



現時点のステータス

名前:リア(Ria)


職業:賢者

レベル:3 → 4

スキル:ファイアボール、アーストラップ、柔軟化、重力圧縮

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転生賢者の成り上がり〜楽してレベリングしたい〜 @ikkyu33

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