第5話 優しいキス

―――――― ある日の入浴中。


「ねぇ、麗。」

「なに?」

「俺ね、女の人のトリートメント?シャンプー?してる姿が好き。…変かな?」

「ちょっと変わってるかも。」

「…でも俺、その中でも麗華が一番好き。」

「そう?ありがとう。」



「……。」

その後もずっと洗う姿を見ていた。いつものことだけど、なんかずっと見てた。


侑海ゆうくんはね…あたしの全部好きだからね。」と麗華がさらっと言う。


「好き。」

「うん。」


「麗の髪洗ってるとこも、体洗ってるとこも、毛剃ってる所も頭乾かしてる所もご飯食べてる所も洗い物してる所も、全部すき。」


浴槽の中から真っ直ぐに彼女の目を言った。

すると彼女は髪をまとめてトリートメントを少し待つ間、浴槽に入ってきて僕にキスした。


「…お前の全部が好き。」

「うん。それでいいの。」


「……」

「……」


麗華との優しいキスも好き。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る