本編①-9
ねぇ、聴いて。
これは、俺とこの人の物語。
俺は初めてのキスをした。
咲也くんは俺を拒もうと、肩を押してきた。
でも、もう俺は、咲也くんよりも
身長も体格も大きくなってしまったから、
咲也くんの弱い押しなんて効かないよ。
身をよじる咲也くんの頭と身体を、
壁まで行って押さえつけて、
俺は本能に呑まれて、わけもわからず
咲也くんの口内を犯した。
ただ、この人の唇があまりにも冷たかったから。
咲也くんは、腰が抜けたように
ずるりと滑り落ちて、ペタんと座った。
そして、「俺に触んな」とだけ言って、
家から出ていった。
あんなおじさんのことは受け入れるのに
俺のことは拒むんだね。
俺は間違ってしまったらしい。
高3の秋だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます