第2話

頭から被せられた布袋を剥ぎ取られ、目に飛び込んできたのは広い倉庫のような風景だった。


困惑する悪の組織ワールモーノの女幹部ヤラレール。


後ろ手に縛られ、逃げられそうもない。


「ようこそ、セクシー戦隊エレクト5の秘密基地へ。」


声の主は敵のリーダー、エレクトレッドである。


「とりあえず自己紹介でもさせてもらおうか。」


爽やかな笑顔でヤラレールを押し倒す。




* * *




手荒い自己紹介だった。


ビクン、ビクンと下半身の震えが止まらないヤラレール。


(敵の目の前で・・・。情けない。止まれ、私の下半身!)


主の命令に逆らい快感に打ち震え続ける下半身。


察したレッドがフォローをいれる。


「ああ、気にしなくていいよ。俺に抱かれたコはみんなそうなるんだ。君だけじゃないさ。」


言いながらさっきまで自分が出入りを繰り返していたヤラレールの性器を無造作に撫でまわす。


美貌の女幹部の肉体をひとしきり堪能したレッドだが一つ不満があった。


この敵は屈しなかったのだ。


キスの時に舌を差し入れようとしたが、歯をくいしばった相手に拒絶された。


いきり勃ったモノを咥えさせようとしたが、やはり相手は歯をくいしばり拒絶し続けたのである。


「このあと何されるか知ってる?」


「・・・・・。」


「まずブルー、グリーン、ブラックに犯される。あいつら君のこと『タイプだ』って言ってたから4Pから始まるのかソロプレイから始まるのか知らないけど、とにかく徹底的に犯されまくるよ。あいつらジムで鍛えてるから凄いよ?交互に君を抱く場合、一人が君を抱いてる間に他の二人は体力回復してるから結果的に君はズーっとやられっぱなし。君だけ休憩無し。オシッコもセックスの最中にその場でみんなの見てる前でやらされる。3人共、動画撮影機能内蔵のメガネかけてやるから君の顔、オッパイ、性器の中まで鮮明に撮り続けてネットにアップする。組織の運営資金稼ぎの足しにするわけだ。」


昨日の二人目の下級戦闘員を思い出すヤラレール。


(あのメガネか・・・。)


「その後、専門のセックス拷問担当官5人から代わる代わるあらゆる拷問を受けることになる。飲み物無しでたまごボーロ食わされたりとか・・・。」


(それだけは絶対イヤ・・・!)


「ね。逃がしてあげようか?」


思わずレッドを見つめるヤラレール。


(情けない・・・。)


今、自分がどんな目でレッドを見つめているのか充分すぎるほど自覚している。


すがるような目だ。


敵のリーダーに慈悲を求めているのだ。


「逃がして欲しいなら何をしなきゃいけないかわかる?」


「・・・・・。」


レッドが無言で人差し指をヤラレールの口に入れる。


始めのうちは歯を食いしばって抵抗していたが、それは長く続かなかった。


観念して相手の指を受け入れた。


第二関節あたりまで入れてクルクルと指を回し口外へ出すレッド。


ヤラレールの唾液が糸をひく。


唇を重ねる二人。


レッドが舌を差し入れてくるがヤラレールは舌を引っ込めて絡みを拒否る。


が、それも長くは続けられなかった。


おずおずと舌を伸ばし始める。


(コレでしょ)


(コレが欲しかったんでしょ)


(こうして欲しかったんでしょ)


激しく舌を絡ませ逢う二人。


下品な音が二人をよりかきたてる。


ひとしきり口づけを愉んだ後にスックと立ち上がるレッド。


無言で自分の六分勃ちのモノを指さす。


子供じゃないからわかる。


"咥えろ"と命令しているのだ。


仁王立ちのレッドの前に跪くヤラレール。


敵のたくましい太腿にそっと手を添え身体の支えを頼る。


親指と人差し指の間でレッドのモノを支え上げると、薄い唇を近づけ優しく口に含む。


それはレッドにとって予想外のコトであった。


相手は好きでもない男、てっきり口先だけでしごく「おざなりフェラ」を予想していた。

しかしヤラレールは違う。


口の中全体で相手を包み込む慈愛に満ちたシャクりで相手を育んだ。


ヤラレールは性善説の人である。


自分が真心をもって人に尽くせば、相手もそれに応えてくれる。


いや、応えて欲しい。


とりあえず今はレッドのご機嫌を取ってここから逃げ出したいのである。



コップ、、コップ、、コップ、、コップ、、コップ、、コップ、、コップ、、、、



静かなシャクり音の中、六分勃ちだったモノが七分、八分へと変貌する。


(今度会議の時、机の下にヤラレールを潜ませようかな)


邪なコトを企んでいる場合ではなかった。


「うっ、うっ・・・」


ほとばしらせるレッド。


離れて欲しくないという欲求から無意識にヤラレールの後頭部を優しく抑えつける。


ヤラレールは動じない。


口に出されたのは少量だったが勢いを感じた。


(さっきあんなに射精したクセに・・・。これがリーダーの実力か?)


くだらない分析に自分で呆れながらも出されたモノをコクン、コクンと飲み干す。


「ふぅ・・・、負けたよ。出口はあそこだ。」


レッドが指さす方へ衣類を持って脱兎の如く走り出す。


レッドは追って来ない。


極太マジックで「でぐち。」と書かれた紙が貼られたドアを開ける。


そこは小さな部屋だった。


「やあ、待ったよ。」


全裸のブルー、グリーンが待ち構えていた。


床にはバイブを突っ込まれたピンクが身体をヒクつかせて倒れている。


更に奥のベッドには見覚えのある男女が二人。


裸で四つん這いになって喘いでいる女は同じワールモーノの女幹部クワレール。


ヤラレールの姉だ。


その姉を激しい腰使いで責めまくっているのはエレクトブラック。


姉を抱いているクセにヤラレールの身体を舐め回すように見つめている。


ヤラレールに気づき苦笑いでサムズアップのダメ姉クワレール。


(ばか。)


きびすを返して駆け出すヤラレール


しかしあっけなく捕まる。


後ろから胸を鷲掴みにするブルー、疾風の如く前に回り込み性器を撫でるグリーン。


もつれて倒れこむ瞬間、遥か前方にレッドの姿が見えた。


こちらを指さして腹を抱えて笑っている。


「うそつきぃぃぃぃぃ!!」


ヤラレールの絶叫がこだました。

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