仲田ユウジ(生徒紹介#2)
出席番号19番
仲田ユウジ
好きな食べ物 チキンバーガー
不快にならない程度のボサボサ感で、細い目からは光のこもった瞳孔が見える。
スパルタな部活の影響により、中学の頃いまいち謳歌できなかった青春を高校では送ろうと頑張っている。
フランクなタイプの性格で連絡相手は沢山いると思われるのだが、なぜかどんな時でもワンコールで電話に出る。
小中学生時代は誰よりも足が速く、小学校だけではなく中学の頃までもその一本でモテていたという。
恋愛話になるとその話を絶対引き出してくる。
今は帰宅部で帰り道をクラス長たちと楽しみながら学校行事には前のめりに参加していき、高校生活を満足いくくらいには謳歌している。
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とある日の授業終わり、いつもは駅に行く彼だが、今日はたまたま親が近くに来ているらしいので、車が迎えに来るまで校門を出ようとしていたクラス長を無理やり引き留めて待つことにした。
「...ってことがあったんだよ。」
「へえ...ってか仲田すげえな。」
「クラス長、どうした急に。」
「なんか土日毎回予定入ってない?」
クラス長は週明け毎回なにかエピソードを持ってくる仲田に少し疑問を感じていた。
「誘われたら全部行くし、予定がない日は誘うし。」
「てか、お金とかよく無くなんないよな。」
「まあ休みの日はゲームとか公園で遊んだりすることが多いしね。」
しかし学校の帰りにはゲーセンやカラオケに行ったり、近くの喫茶店でバーガーを食べる時も決して遠慮せずにどんどん食べている。
毎月のお小遣い五千円はクラス長と全く変わらないはずなのに月の終わりになっても彼のお財布にはいつも千円札が残っているその不自然がクラス長はとても気になっていた。
「え、バイトもしてないよな。」
「バイトはしてないけど...」
「...え?なに、変なことしてんの?」
「まあ...積み立てしてんのよ。」
仲田はなぜここまでお金を持っているのか、誰にも言わないことを前提に秘密をクラス長にだけ特別教えることにした。
「...え?お前投資みたいなのやってんの?」
「クラス長にさ、中学の話何回かしたよな。」
「あぁ、スパルタでこの時代にも竹刀持ってた陸上部の。」
「そう、しかも二刀流。」
中学の頃は部活で土日も忙しかったため、貰っていたお小遣い千五百円は使いたくても全然使うタイミングが無く必然的に溜まっていったものが今もあるらしい。
「だから積み立てってこと。」
「いやガチ積み立てかい。」
「まあ節約もしてるよ、お前らと遊ぶの楽しいしな。」
「なんだよ...急に嬉しいこと言うなよ。」
突然の仲田のその言葉に思わずドキッとしたクラス長はほくほくした表情をしながら肘で仲田を小突く。
「あ、母さん来たわ。」
二人の前を通過した水色の軽自動車。
「お、じゃあまた明日!」
「おう!ありがとな!」
仲田は母の車の後を追い、追いつき、追い越して走り去っていった。
「そのスピードなら走って駅まで行った方が早かったろ。」
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