どっかのクラス長、生徒記録

佐久間 ユマ

長暮エイジ (生徒紹介#1)

出席番号18番

長暮エイジ


好きな食べ物 ミートソーススパゲティ


少しだけパーマがかかっており、全部の学校に居そうな顔をしているパッとしない見た目だが、これでも一年二組をまとめるクラス長。

個性的なクラスメイトをまとめながら、自分の個性を見つけるために高校生活を送っている。


中学校は全然目立つような生活をしておらず、怒られないようにテストの赤点は回避、運動は最下位にならないようにしながら。

クラスメイトとはそこそこの距離感で遊びながら、普通の学生生活を過ごしていた。


今はクラス長という役職に名前負けしないようにと頑張っているが、中学通りに勉強をゲームも全部平凡。

正直平凡よりちょっと下。

でもめっちゃ下ってわけでもないのでプライドとクラス長として舐められないように自分は平均的だとうたっている。


運動神経はそんなに高いわけではなく、特に投げる力はとても弱い。

ドッヂボールで外野から内野までの距離が届かないくらい弱い。


彼に突出した長所は存在するのか。


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金曜の授業終わり。


「よし、クラス長らしいとこ見せよう。」

「どうした急に。」

「なんかめっちゃディスられてる気がした。」


長暮はそう言いながらカバンを漁ると、次の授業で提出する予定のプリントを取り出して仲田に手渡す。


「仲田、これ写していいよ。」

「いやごめん、今日はちゃんとやってきてるわ。」

「てか写させるのってクラス長としてどうなんだ.....?」


急いでプリントをしまった長暮はスマホを取り出し、二釈に最近ハマっているゲームのガチャ画面を開く。


「十連ガチャ、めっちゃ時間かけて貯めたけど引いていいぞ。」

「え、ああ......。」


指をかけスワイプを下に二釈、ポンポンと画面に現れるキャラクター。

新キャラ登場みたいな演出は一切流れないままあっさり終わってしまった。


「...ッチ。」

「おい舌打ちしたぞコイツ!」

「俺引きたいとか言ってないのに.....。」


スマホをしまい、髪をかき回しながらクラス長らしいことを考えた長暮は教室のロッカーの前に立つ。


「一発ギャグ。」

「嘘だろ!?」

「お前もうこれ以上やめとけって......。」


目を閉じ、肩の力を抜いた長暮は中学時代から温めていた一発ギャグを二人とその他暇している生徒達の視線に合いながら披露する。


「...あっ、ささくれの血だけで悪魔召喚してます。」


ボロボロのメンタルなのか強靭過ぎるのか分からないが、目の奥が真っ黒になっているクラス長の背中を押しながら無理やり席に座らせて水を飲ませる。


「まあ、俺は好きだったぞ。」

「クラス長、ゆっくり休んで......。」


土日、クラス長の携帯には二人からいつもより多くの通知が来たらしい。







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